遅ればせながら。
実はあまり乗り気ではなく。
沼田ではもう14:30を超えていて
せっかくだから富岡製糸場へ向かうと
夫が言い出した時には
だったらこんにゃくパークに行きたいと
渋った私は愚かです。
世界文化遺産・富岡製糸場。
入場料が高く、退屈だというイメージが
いつどうして私の中に根付いたのか。
ほんと、愚かなことでした。
ここほど、写真や映像では
まったく伝わらない場所もない。
遺産認定されてすぐの
バカみたいな行列の賑わい方と
倍に値上げされた入場料の印象だけが
私の中でネガティブに残って
これまで
まったく興味がわかなかったのです。
今回、めずらしく強引に
目的地に設定した夫に
感謝することになりました。
まもなく16:00になろうかという
到着した時間も良かった。
連休明けの平日というのも良かった。
閉館の17:00ギリギリまで
ほとんど人がいない館内を
無心で夢中で巡りました。
歴史については皆ご存知でしょう。
この時代にこのオートメーション。
天井の組み方、梁の太さ。
無骨さと優雅さ。
瓦(和)と煉瓦(洋)の融合はロマン。
朽ちかけてなお、美しい。
当時に触れることの出来ない切なさ。
館内の匂いも機械の細さも
脆くなった床材も歪んだ窓枠も
曇ったガラスも剥げたペンキも
全て美しい。
経た時間、その歴史と文化。
なるほど世界文化遺産。
もし、あの大混雑の規制の中に
訪れていたら
あるいは退屈だったかもしれません。
とてつもない大空間を
たった私1人で
直接目で見て肌で感じることができた
贅沢な時間でした。
テレビや画像では全く伝わらない。
入場料1000円は決して高くありません。
保持して行くにはやむを得ないことで
今後さらに値上がりしたとしても
それでも私はもう一度、
ゆっくり来たいと思いました。
それと
こんにゃくパークを秒で却下し
ここに連れてきてくれた夫に
一生ついて行きます。