少年

この薄汚れた世界に

産み落とされて

 

狡さ汚さの意味など

知りもしない

 

ただ

夕陽に恋をした

 

陽が沈めば

なぜ暗くなるの??

誰も教えてはくれない

 

赤蜻蛉を追いかけた

今日という日が暮れて行く

 

夜が少年を包み込む

けれど

闇が怖かった

 

暗闇に光る野良猫の眼から

目を逸らし

僕って弱虫かな??

そう呟いて

頭を搔く・・・

 

少女

不穏な空の下に

産み落とされて

 

妬み.僻み.嫉み...

人間模様のことなど

知る由も無く

 

テレビに映った

西野カナに恋をして

 

(愛してるの言葉だけじゃ嫌だ)って

どういうこと??

誰も教えてはくれない

 

ピンク色した空間

幻想的な風景の中の

ディーバを観ながら

私もなりたいと

本気で思った

 

ハッシュドビーフの匂いが

漂ってくれば

げんきんなまでに

お腹が鳴る

 

何度も何度も

(愛してるの言葉だけじゃ嫌だ)を

口遊みながら

その匂いを追った・・・

 

大人になんかなりたくない!!

少年の叫び

ビルの谷間を木霊すれば

 

終電に乗り遅れ

溜息を吐きながら

公園のベンチで

缶チューハイを呷る

使い潰された

サラリーマンが

俯いた・・・

 

少女は

真っ白なドレスを着て

真っ直ぐな目

真っ直ぐな声で

訴えかけてくる

この美しいディーバを

眺めながら

恍惚とした表情...

 

なんとも綺麗な絵だ

 

いつの日か

お揃いのネックレスを付け

手を繋ぎながら歩く日が

いつの日か

どうして今日は早歩きなの??

戸惑うことも

 

けれど

やがて

曖昧な言葉のその先に

真実の愛を見るだろう

 

少年・少女よ

君達の未来に如何なることが

待ち受けているのか

無責任にも

僕等大人は知りもしない

しかし

どうしても

その不安な未来に

目を瞑って

飛び込まなきゃならない日は来る

僕等大人はただ案じるだけ

 

友との約束を果たし

5年半ぶりに

母なる大地に

降り立った

女神

 

その歌声は

瞬く間に

沈み切ったこの島に広がり

多くの人を笑顔に変えた

 

2024年夏の奇跡

 

少年・少女よ

いつの日か

さんざめく今年の夏を

思い出しておくれ・・・・・・・・・・・