偽りの無い言葉で

愛を歌うなんて

虚栄に過ぎないと

歩道に乗り上げた

ドイツ車が吐き捨てる

 

誰かを貶めた

そのワインレッドの唇が

無恥を口遊めば

夕暮れ時の少年

俯いて

 

季節の変わり目を

報せる風に

何を託そうか??

 

街角に捨てられた

ピアノの鍵盤を

音符も解からず

たたいてみれば

甲高い音が

 

もし

これが良心ならば

世界はもっと

美しくなれる筈さと

卑屈に笑う

 

ゴメンよ

キャンディー・・・

 

 

 

想像してごらんよ

浜辺に置かれた

真っ白なピアノと

ショパンを弾く少女

その奏では彼女の純真だと

 

想像してごらんよ

たった一人の歌姫の帰還に

沸き返る聴衆の

一番深い所に

眠る愛を

 

移りゆく季節

吹く風に

この身を任せれば

 

街角に捨てられた

小さな命を

抱きしめる月の

辛苦への同情と

嘆きが・・・

 

そう

空に預けた良心が

世界はもっと

優しくなれる筈さと

微笑む

 

ありがとう

キャンディー・・・