一流.二流.三流...

 

彼の口から

その言葉がこぼれ落ちた

その瞬間

彼が作り上げて来た歴史

そのものが

音を立てて崩れる

 

つまるところ

彼は

港区のタワーマンションに住み

イタリア製の車を乗り回し

モデルと結婚する...

その類の人間性であり 

人間なのだ

 

こんな卑俗で

卑屈且つ貧乏くさい

精神性に

嚙み付き

そして離さない

狡猾さこそ

ブランド根性

 

たかが人間である

アンタが作った

その

しょーもない会社が

淘汰されても

アンタは

たかが人間のまま

 

けれど心配するな

所詮

たかが人間

80憶

俺も含め

美しく振る舞える

人間なんて

まず居ない

 

ただ...

本当に良いものを作りたい

表現したい

情熱と共に邁進している

無口な

その姿に

心打たれることは

屡々あるが...

 

完成したなら

(お金が欲しい)(有名になりたい)

不埒な考えが

ちらつき始めた頃

何かを失うのだろう

 

成し得なかった者

とかくよく喋る

行き着くところ

自分語り...

 

ああ...俺だよ

 

金に支配された

この世界が

また少し嫌いになったと

口走ってしまったなら

当分

照れ笑いが続きそうだ・・・

 

所詮

サンローランを天国に追い遣り

サンローランで儲ける

彼??

そいつと

同じ穴の狢なのかもな??

 

本物も居なけりゃ

偽者も居ない

その狭間で

のたうちまわっている人間

可愛いものだと

更に

この口からこぼれたなら

お前

いつになく

饒舌だなと苦笑い・・・

 

そう考えてゆくと

 

なんでもない日に

ふらっと立ち寄って

そっと手渡してくれた物が

一通の手紙だったり

一輪の花だったり

そんな彼が大好きと

欲に塗れたこんな時代に

言ってのける

西野カナさんは素敵だ

 

そして

そんなことこそが

真のラグジュアリーなのだろう

 

燕のつがいが

欲望という名の轟音

鳴り響く

この世界を

無心で飛ぶ

可愛い雛達全てに等しく

餌を分け与え

雨の日には低く

晴れた日には高く

しなやかに

やがて

子育てを終えた頃

広い海へ

軽々と国境を越え

何処かの国に・・・

綺麗なドラマだ

 

人間これからどうする

愛を富を分かち合えるのか??

汚らしい面が

闊歩するこの街で

俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・