剥き出しの欲望

人を殺す事を躊躇わず

戦火の中の幼子の叫び

(お母さん~~~~)

嘆きの壁にぶつかり

速度を増したなら

約九千キロ離れた

極東の島を貫通...

 

無関心という名の

箍を嵌められ

それが

真の自由を奪っているとは

露知らず

自由を気取り

今日も幸せ芝居

 

幸福度の無い国の

人達が

幸せ芝居とは

さぞかし辛かろうと

北欧の民の微笑...

 

駆け巡る悲鳴...

異変に気付いた

警戒心の強い

鳥が 猫が 虫が・・・

素早くその身を隠す

 

撃ち抜かれて

カーネーション一片

儚げに舞い落ちた

 

なあ...加奈子

本当にありがとう

あの頃

僕等は

許されざる恋を背負って

落ち葉に埋もれた空き箱の中で

子猫の様に震えていた

だから僕は

あの家を出た

しかし

今日

君を連れて母に会いに行く

永遠の嘘が潰える瞬間に

何が起こるかは分からない

それでも

立ち会ってくれるんだね

 

覚悟二つ

乗せた車が走り出す

 

震える心で君は歌った

 

この道はいつか来た道

ああ そうだよ

あかしやの花が咲いている

あの丘はいつか見た丘

ああ そうだよ

ほら 白い時計台~~~~

 

大丈夫よ

永遠も

永遠の嘘も

いつか瓦解するが如く・・・

 

誰かが泣いている

哀しい声が...

 

君にも聞こえたのか

 

結局

世界は泣いているのね

 

そう

誰もが

限りなくグレーで無罪

虚けた街灯かりに照らされた

矯飾のミッドナイトブルーも

夜が明ければ

澱んだグレー

 

正直に生きている

僕等だからこそ

人の哀しみ全て

思い遣ることを

誠実だと・・・

 

その時だった

十年ぶりの母からの電話

 

母さん

 

鳥籠を出てみれば

広がる

せめてもの自由な景色に

あなた達の純愛の意味を知る

穢れに背を向け

清貧を貫いた

二人に幸せあれ

あの嘘は

葉山の海に捨てました

もう何も咎めることが無いのなら

何時か加奈子さんにお詫びを...

 

ありがとうございます

 

加奈子

踵を返せと(母の日が...)

 

この世界

全てが穢れている

その穢れを浄化したいと

全身全霊を傾け

描けど

そこに法外な価格が発生し

富裕層のみが買い漁るのなら

何を以て(美)と言えるのか??

そんな界隈に身を置いていた

わたしも兇徒ならば

 

忌まわしき

罪を償いたいと

優しさの限りを謳う・・・・・・・・・・・・・