頬を刺す朝の山手通り

煙草の空き箱を捨てる

~~~~

 

罪と罰ね...

 

そう...罪と罰

人は多かれ少なかれ

罪を犯している

裁かれるか

それとも逃げ切るか

 

賓という名前の男が

よく歌っていた

声も顔もそっくり

わたしは少し震えている

決して許されない大罪は

必然??

それとも運命??

裁かれる日を待ち侘びている

 

自分自身を痛めつけるような

飲み方はよくない

裁かれる前に

溶けてなくなってしまう

 

そうね・・・

魂に忌み嫌われ

彼はわたしを捨てた

この街の何処かに

隠れ棲んでいるのだろうけれど

探す理由はない

この身体だけが浮遊していて...

 

ここに赤い薔薇があります

けれど

貴女に手渡しても

明日の朝

貴女の部屋のゴミ箱の中

それじゃー薔薇が可哀想だ

だから

鞄に戻します

代わりに

貴女にしてあげたい事がある

明日ここで会えますか??

 

ええ...

 

僕は翔

 

わたしは優子

 

それじゃおやすみなさい

 

・・・・・・・・・・

 

優子ちゃん

今夜はあまり飲まないんだね

 

ドアが開く...

 

のびた人陰(かげ)を舗道に並べ

夕闇のなかをキミと歩いている

~~~~

 

雪の華ね...

 

賓さんはこの歌は??

 

一度も歌ったことないわ

 

良かった

貴女は春が嫌い

咲く刹那のこと

散る刹那のこと

全てが煩わしく

二度と

春に

忘れ物を

探しに行ったりはしない

いっそ...

冬にその身預けていたい

 

どうして分かるの??

 

なんとなく...

明日日曜日

魂に見捨てられたその身

貸してくれますか??

 

ええ...

 

・・・・・・・・・・

 

さあ乗って

 

何処へ行くの??

 

今の優子さんに一番必要な場所

 

何もない丘の上...

 

僕は車の中でラジオを

ここなら誰にも聞こえません

さあ

叫びたいことを叫びたいだけ・・・

 

ありがとう...

 

泣き崩れるわたしを抱き上げ

優しいキスを

 

あれから

何度も何度も

ここに連れて来てくれた

何時までも何時までも

わたしの話を黙って聞いてくれた

 

思いの丈

この胸からなくなるまで

 

どうしてそんなに優しいの??

そう聞くと

彼は笑いながら(優しさの限り)だよと...

 

・・・・・・・・・・

 

殺伐とした都会の喧騒

あの忌まわしい記憶から逃れ

東北の農家に嫁いだわたしは

穏やかに暮らしています

 

それにしても

翔ったら...

あんなにもカッコつけてたけど

東北の農家の長男だったのね

笑っちゃう

あははは・・・・・・・・・・・・・・・