あの夏の日

 

君が見つけてくれた景色

ささやかさの中に

力強さが垣間見えるとでも言えばいいのか

とても美しい景色だった

その中に

友情とも呼べる愛が佇んでいた

 

君が僕の心に投げ込んでくれた言葉

「一人じゃどうしようもないことも

二人なら怖くない」

 

僕は僕で

君の心にキスをするかのように

「どんな暗闇の中でもちゃんと隣にいるから

僕が隣にいるから」

 

嗚呼

今となっては全てが嘘になってしまって

 

強い友情とも呼べる

愛が潰えた後を生きている

 

ぽつり

「未だに君のことを想っている」と呟き

その言葉を叱責するかのように

なら

何故

もっと力強く愛せなかったのか??

あの愛に責任を持てなかったのか??と

拳を握り締める

 

二人行き詰まって

僕は言った

決して君に頑張れとは言わない

だから

君も僕に頑張れとは言わないで・・・と

その後

二人の心が軽くなっていった

あれは

晩秋の夕暮れの

橙の中だったと記憶している

 

乗り越えた

そう思ったけれど・・・

 

再び

拳を握り締める

 

そんなことを思い出している

その時

庭の寒椿がポトリと落ちて

まるで

アスファルトの上で粉々になった

ガラスのようで・・・

泣いた

 

ラジオから

君が大好きだった曲

(君って)が流れて来て

救われたよ

 

うん

何一つ無駄じゃなかったと

頷き

君は強い人だから

新しい幸せと

出会っていることだろうと

呟やいた

 

僕は不器用だから

ここで

思い出全てが粉になり

風に消えるのを待つよ

そうとしか・・・

 

(君って)のサビの部分

(思い出してごらんよ)を

爆発的な高音で歌ってたよね

とても僕には真似できなかったな

なんて

また思い出ぽろぽろ

女々しいな??

 

女々しさついでに

三月

もうすぐ君の誕生日だね

未だに

何かしてあげなくちゃと

ざわついてしまう僕が

いるわけで

思い出が粉になるまでには

まだまだ時間がかかりそうで

思い出にもたれかかったまま

日々を過ごしてゆくことに

なるんだろうな

 

何度も何度も

さようなら

そして

ありがとう

 

思い出してごらんよUh~~

あはは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・