学生時代は学生時代で楽しかった

でもここはここで本当に楽しい

 

男の本能を抑えきれず

ついつい表に出してしまいがちな

遊び慣れていない

大きくて寂しがり屋な子供達が

ちょっと気を抜くと

いきなりスカートめくりして来そうで・・・

 

それをあやしてあげるのが

まだ若くてあどけない私の役目なのねって

ちょっと変だけど

でも可愛い フフ

 

渡辺先輩 何パソコンに遊ばれているんですか

 

うるせぇ~~

 

この量をその速度で入力するとなると終電には

間に合いませんね~~

もうちょっとスピード出ないんですか

 

うるせぇ~~

 

あまりに~~も哀れだから手伝ってあげますよ

 

うう・・・

 

本当に不器用なんだから

勇君が家で待ちくたびれてますよ

それに よくあんな綺麗な奥さん貰えたわねぇ~~

 

くぅ~~

俺達が希ちゃんをだしに遊んでいたいのに形勢逆転したみたいで

悔しぃ~~

 

はい一丁上がり 七時です フフ

お礼にホッペにチューして貰おうかな フフ

 

バカ そんなこと出来ないよ・・・

 

フフフ 弱虫!! じゃーお疲れ様です

 

ありがとな!! 

チューしとけばよかったかなって出来ねぇーよな(笑)

 

恋とは一対一の真剣勝負

どちらかがよそ見した瞬間音を立てて崩れてしまう

ふ~~ん

 

なあ麗子 

お前に相応しい人が見つかった

三十億円のベンチャー企業を主宰する素敵な青年実業家

良かったじゃないか 行けよ・・・

勇はすっかりお前に怯えてしまっているけれど

本当の母親の面影を残させない為にもそれしかないだろう・・・

俺が男手一つで育て上げてみせるから

明日役所で それで最後

何も言わなくていいから自由に羽ばたいて・・・

 

皆渡辺の件には触れないようにしていた

男同士だからこそ何もしてやれないって知っているから

 

希は違った

今夜渡辺さんの家に行く

ろくに料理も出来ないのにどうやって

まだ二歳の子供を育てるっていうの

それに勇君 前から私のことをママ・ママって呼ぶんだよ

 

大丈夫だよ

 

ダメ!!行く!!

もう腹は括っている

綺麗な奥さんに逃げられたバツイチ三十路男

しかもこぶ付き

とっても不器用で

でも放っておけないの

私が初めて好きになった人だから

 

ドアを開ける

子育てするにはあまりにも乱暴な部屋が・・・

勇君はママだママだと大喜び

私はそんな彼をギュッと抱き締めてあげる

ママもう何処にも行かないからね

 

申し訳ない・・・

 

フフフ 一番幸せなのは私なのかも

 

どうして??

 

だって世界で一番好きな人に嫁ぐんだもの・・・・・・・・・・・・