花が嘘を見破り赤く染まる

誰かに伝わるでしょうか

 

今じゃ 

咲く刹那と散る刹那

安易に土気色に還れば

その生涯

喝采も無い

 

寂し気すぎる風が

吹き抜けるだけ

 

寂れた海の上の番外地も

徒に漂流する塵の群れも

何よりアンタ自身

 

億千万の歴史の

瞬きに過ぎないと

打ちのめされて

 

溢れ返った凄惨さを前に

非力でしかなかった

いにしえの

ロックンロールの無念よろしく

 

アイスクリームバーを飲み干して

せめて明日を待つ

そうだろ

 

 

ぞんざいに我が身扱うことに

慣れ過ぎて 逃げ出したくて

 

椛坂

赤い果実が攀じ登る

待ち構えていた子猫に

一蹴され

滑落して薄笑い

 

抗うことが正義だとか

時代遅れな風を掴めば

 

星に成ったアイツの葛藤

初恋とキスと煙草のフレーバー

何より自分自身

 

悠久の歴史の

欠片に過ぎないと

知らしめられて

 

惨憺たる時代に遜り

小川を流れる水涼涼

目を閉じて

語らず 歌わず 踊らず

 

けれど握り締めた拳の中には

凛然と花一輪

悔しいな