あまりにも広く長い一本の道

寂寥感漂う冷たい道

 

人はこの道を裸足で

歩いて行かなくてはならない

謂わば定めのようなもの

 

震えながらも先へ先へ

 

何処へ辿り着きたいのかさえ

わからぬまま

 

ただ 

遠くに見える灯かりを追い求めて

 

人生

 

歩き出して直ぐ

赤子がしみじみと(どうせ僕なんか)を呟く

彼は誰よりも早く

溝鼠に成り果て

ピラミッドを背負わされる

酒を呷りながら

 

大谷翔平が大き過ぎて

その顔を拝むことさえ出来ない

ただ彼の足跡を舐めるだけ

 

最先端のマシンに乗った

上級国民が

軽々と抜き去ってゆく

 

悔しいと思う

その気持ちさえ詐取され

ただ黙って背負い続け

そして果てた

 

弔う人無き者数多

まとめて焼かれ

露と消える

 

少年野球チームに入る

身体能力差は如実に

エースで四番の強者のその前で

卑屈な目をした何人かが

(どうせ俺なんか)を吐き捨て

退場した

残されたバットやグラブは

雨に打たれ

ただ泣いている

 

学習塾に来てみれば

詰め込む才能に秀でたアイツの

胸ぐらを掴んだものの

その手を弱々しく下ろし

一人また一人と

呪文のように

(どうせ俺なんか)を唱える

参考書に火を付け燃やしてしまえば

自由になれた気がしたが

この国では(負け犬)という烙印を

押され

堕ちてゆくだけなのか

 

既に(どうせ俺なんか)を

吐き出してしまったサラリーマンが

酔い潰れて

駅のホームで鼾をかいている

何時家に帰るんだい

どうせ明朝

首に縄をつけられ

冷たいコンクリートの建物の窓際

長年のツケが

一気に押し寄せ

居場所は病院のベッドの上しか

残っていないというのに

あんたはそのベッドの上で何を考える

多分(学歴が足りなかった)と

自らを叱責するだろう

そう仕組まれているとも知らず

 

下では

金が無いから病院にも掛かれないと

お婆ちゃんの嘆き

 

芸術家は芸術家で

九割以上の

芸術を蔑視した大衆に逮捕された

遊んでんじゃね~~罵声が飛ぶ

彼は 

そうじゃない 

そう言いかけて

口を噤み俯いた

大衆消費財を前に真の芸術が跪く

 

どんな美人も

少々学歴や家柄がよくても

ましてやちっぽけな才能が有っても

絶対は無い

もっと言えば

凡人の中に組み込まれてしまうのがオチ

圧倒的多数の凡人が

不平不満を言わず

働いてさえいてくれれば

 

絶対の上に胡坐をかいた

彼等は安泰なのさ

 

だから例えば

2チャンネルを開設した方も

ユーチューバーの星も・・・

俺は称賛するよ・・・・・・・・・・・・・・・・