さあ

日本を代表するファッション評論家という肩書と

異彩を放つ新進気鋭との

果し合いの火蓋が切って落とされた

 

甘やかなる二十九時の風景

亡き天国の母に捧げる花束が持つ気迫

宇宙を誑かす峰不二子の火遊び

グラマラス・ガガ

セクシー・ダダ・・・

 

一点一点丁寧に紹介される

 

感極まって涙する彼女

スタッフ達の号泣

 

盛る業火のオフィスにて

 

しかしである

Y・ヤマモトや C・ギャルソン等の

微温湯にどっぷりと浸ってきた彼女には

余りにも刺激が強すぎたのであろう

(こんなことで刺激が強すぎたと

言ってしまえるニ流の日本のモードを憂う)

考えさせて欲しいと懇願する

その弱さに

身分差を超えて容赦なく俺の檄が飛ぶ

 

耐えかねて答えも出せぬまま

(無礼者)と叫ぶも呂律が回っていない

 

・予想を上回り過ぎていた

・彼女のプライド

・俺の悪癖・・・

 

良い意味で悪条件が揃っていたのであろう

もう来ないで欲しいと震える声

 

嗚呼

相手がポール・ポアレだったらスージー・メンケスだったら

 

日本のモードの拙さ弱さを目の当たりにする

 

芸大で教鞭をとっているご主人が

申し訳なさそうに頭を下げた

そして見送ってくれた

 

逸る心で次なる門をたたく

開けてみれば

売り出し中の

アントワープ・デザイナーの作品が

これ見よがしに飾ってある

ダメだこりゃ そう呟いて

プレゼンテーションもしないまま

そそくさと其処を後にした

 

時代遅れな三流モード論を展開する者

お金しか興味ない者

一流がいない

 

どうしても日本に拠点を構えたかった

日本発のスーパー・ラグジュアリーブランドを

世界に向けて発信したかった

 

だからこそ

この日本で

スポンサーを集えど

 

出て来る担当者たちのファッション知らず

(学校名・誰の下で学んだか・・・etc )

その四流ぶりに辟易する

 

大いに落胆すると同時に

無駄に時間だけが過ぎていった

 

基礎以外

誰からも学んでいないからこそ

唯一無二の独創性が生まれて来る史実を誰も知らない

ファッション革命の歴史を・・・

 

ファッションとは無関係の

芸大の先生だけが

唯一の理解者になってくれるとは奇妙な縁であった

 

やがて俺はこれまでの憂さを晴らす様に

ネットで騒ぎ回るのである

余りにもそれが楽しかったため

ネット依存症者と成り果てて

 

さて落人よ 

今日はどんな落書きをしようか・・・・・・・・・・・・