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源氏物語の光源氏のモデルとされる、藤原道長が糖尿病だったと知られています。そこでお酒の歴史について調べてみました。

こちらのＰＤＦファイルには、

AN10437975-20190331-0063.pdf

日本酒とは，いかなるルーツを持っているのかを検討し，日本酒の起源が中国酒といわれているのは正しいのかを検討する。具体的には，日本酒の製法及び歴史から現在につながる清酒の製造に注目し，日本の清酒と中国の醸造酒である黄酒（ホアンチュウ）の中で歴史が古く販売数量が多い，紹興酒と比較する。
中略
日本酒や紹興酒は水と穀物である米を原料として，米に含まれるデンプンを糖分に変える糖化（麹）とアルコール発酵（酵母による）を同時に行う発酵方法である，「並行複発酵」で造られている。見方を変えると日本酒やビールは，原料となる米や麦芽といった穀物を糖化させてから発酵させる「糖化醸造法」といえる。
中略

日本を含む東アジア一帯は，「麹の酒」の圏内にある。麹は穀物にカビ類を生やして酵素を生成させたもので，その糖化作用により原料のデンプン質を糖に分解する。日本酒は，米のデンプンを原料として，麹菌（ニホンコウジカビ）を利用して造る醸造酒である。

中略

日本では国菌が「こうじ菌」ですので、麹菌を使った発酵食品は、日本固有の食品だと思っていましたが、東アジアの人々からは、国菌泥棒と言わそうに思います。しかし、国菌を定めているのは日本だけのようなので、まあ良っかとも考えます。

中国大陸から伝えられたこの（しおり）法は，大和朝廷内（宮中）のみで行われ，民間にはほとんど広まらなかった。しかし，平城京で本格的に始められた朝廷による酒造りは，都が長岡京，平安京と移っても続けられた。

中略

『万葉集』（６３０～７６０年）をはじめとした古代の記録には，「清酒」（すみさけ）とか「糟」（かす）ということばが出てくることから，当時，発酵したもろみを濾し，「糟」（かす）を分けた「どぶろく」の上澄みである「浄酒」（すみさけ）もつくられていたと考えられる。
しかし，古代における酒はあくまでも「濁酒」（だくしゅ；どぶろく）であり，その醸造方法は，今日の透明の清酒の醸造法とは全く類型を異にするものである。

ここで、少し分かりました。発酵した原酒のかすを濾過したのが、どぶろくでまだこれは濁っているのですね。そして静置した後の上澄みを浄酒（すみさけ）って呼ぶことなのですね。そしてこの浄酒も今の清酒の製法とは違うようです。

中略

すみ酒（清酒，浄酒）とは，濁酒（だくしゅ；どぶろく）の上澄みを汲み，絹篩（きぬぶるい：絹ででできた粉ふるい）で雑物を取り除いた酒をいう。

浄酒は、絹の布で濾すことが分かります。

最後まで気になるのは、浄酒の前のかすを濾す方法が分かりません。何故こんなに気にするのかというと、４つ目の会社で就労中、某動物の筋肉を酵素を使って分解し、残ったかすを濾過することを命じられ、その方法に難渋しました。また濾材（さらしの布など）の選定に悩みました。濾材を袋状にして反応液を入れた後に圧縮すると、濾材の目が荒いと濾したい固体部分が、濾材の目から出てしまい濾過にならない。目を細かくすると私の力では少ししか液を回収できない。私は最後はさらしのような目の粗い布を袋にして、反応液全部をその中に入れて吊し、1晩置くと済んだ茶色の液体だけが濾過される方法に決めました。更に昔の製法を社長に聞くと、反応液は1晩静置して上澄みを濾すことを知りました。そして、あんまりきれいに濾せない方が良いと言うのです。もっととろみが欲しいのだとか・・・。

その後、私は医薬品の仕事で忙しくなったので、別の薬剤師がまた1からやり直していましたが、その薬剤師は私のことをバカにしていましたので、私の仕事は引継ぎされることはなく、最終的には解雇（試験室でサボっていたことを皆が知っていた）されましたので、その試作は継続されずそのまま放置されました。私も県庁の立入調査後に退職してしまいましたので、1晩吊す方法も継続されることはありませんでした。今4つ目の会社のサイトをみると、やっぱり放置されたままで完成してはいないようです。

この仕事をしている時に、お酒ってどうやって作っているのだろう。あのどろどろしたお酒の原酒をどうやって絞るのだろうと思っていましたので、今回調べて見ようと思い立ったのです。アコーディオンのような面積が広い濾材を使って、無理矢理力ずくで絞っているのか、どうにかして固体部分を沈殿させて、澄んだお酒を造っているのか？

そして、市販の酒粕は厚さ数mmの層（板状）になっていますが、この厚さで絞っているのか？それとも酒粕を袋詰めするときに、酒粕の塊を薄く切っているのか？が分かりませんが、考えたってなにも良いことはないのに、なんだか好奇心だけは続いているのです。

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お酒の歴史 その6

お酒の歴史　その6