こんにちはウインク


コロナの症状が出てはや2週間。

最初の1週間食欲はないし起き上がれないしで、結構なダメージでした…

ご飯は山形の郷土料理である“だし”をご飯にかけて食べ続けていました。

クックパッドを数年前に見て作るようになりましたが、本来のだしじゃないかも…

自己流入ってるけど、我が家のだしはコレ‼︎って感じで我ながら気に入ってますウインク


元々気管支が弱いので、未だに咳き込む事も多く、今は会社に復帰していますがかなり体力が落ちてキツいですダウン

コレ元に戻るのか…?





さて、この空〜26話です。

ついに悠真編突入です。


行き当たりばったりな感じですが、よかったらお付き合いください。






「ゆうまくん、だいすき。

あたしたち、大きくなったらけっこんしようね」


ずっとずっと昔、花絵はオレにそう言ってくれた。


多分花絵は覚えてない。

彼女は昔から天真爛漫で、誰にでも気さくに話せるし、めちゃくちゃ可愛い。

可愛すぎて他の女子に嫌われる事もあったけど、基本男女共に愛されていた。

可愛い顔に似合わずハッキリ物を言うさっぱりした所も人気の秘訣だった。


そんな彼女のすぐ側で、悪い虫がつかないように守るのがオレの使命だと思ってる。


もちろん悪い男から守るのが1番だけど、花絵がやりたい事や、辛い事や苦しい事からも守ることも役目だって信じてる。


その為の努力だってしてきた。

体も鍛えてきたし、将来花絵を養ってあげられるように、勉強も頑張ってきた。

いい企業に就職して、いつでもお嫁さんにおいで♪なんて言えるようになりたいって思ってる。


花絵はこんなオレが気に入らないみたい。

自分の為にオレ自身のやりたい事を棒に振ってるって思ってるみたいだけど、それは違う。

花絵が物心ついた頃から隣にいて、笑ったり背中を押してくれた。

それがどんなに幸せなことか、彼女はちっともわかってない。

花絵が隣にいる事は、ありふれた事じゃない。

オレの名前を呼ぶその声、表情、どれを取っても特別なんだ…



花絵の顔だけで好きになって近づいてくる奴らはオレがちょっと牽制しただけで去っていく。

花絵にいくらウザがられても離れないのはそのため。

そりゃ、花絵の中身や芯の強さも知って告ってくるヤツもいるけど、花絵がまずそいつに興味を持つ事はない。


多分花絵は自分から好きになったヤツじゃないと付き合わないと思う。


それはきっとオレじゃないってわかってるけど…


それでもいい。

いつか本当に花絵に好きなヤツができるまでは、オレが側にいて守っていきたいと思ってたのに…




オレは花絵を守れなかった。

部活終わりにダンス部の部室まで迎えに行くと、ナナ先輩の彼氏って言ってるヤツが花絵を抱きしめていた…


目の前が真っ赤になって、思わずそいつを引き倒したけど、2度と花絵に近づかないように殴りたかった。

だけど花絵を助ける方が重要だったから我慢した。


花絵が俺を見て安心したように泣き崩れた時、こんな怖い思いをさせたのかと感じて悔し涙が流れた。


何やってんだ、普段から目を配らなきゃいけなかったのに油断して…

こんなに小さい彼女を不安にさせて、他に大事なものなんてないだろ‼︎って悔しくて、情けなくて、しばらくふたりして泣いてたけど、落ち着いたら何だか甘い雰囲気になってびっくりした。


おいおいおいおいおいおいおいおい、こんな時にナニ考えてんだ⁈

情緒おかしいだろ‼︎

花絵がオレの腕の中にいるのは怖かったからなんだから。


わきまえろよ、オレ‼︎



花絵が辛い時に不謹慎な事を考えたことも落ち込む原因になって、家に帰ってからは部屋に引きこもっていた。



そんな時に花絵が家に来てくれて、喝を入れてくれた。


もっと信用してくれてもいいんじゃない⁈って言われた時、ハッとした。


オレは花絵を守ってるつもりだったけど、花絵だって弱くないし、もう小さい子供じゃない。

いつまでも守られてる大人しい子でもないんだ。


いつからかオレが花絵を守らなきゃって言い聞かせてきたけど、彼女だって自分の事は自分で決められるし、オレはそれを見守るだけでいいんじゃないかって思えてきた。


ずっと一緒に居られたらすごく嬉しいけど…

それはちょっと厳しいと思う。

もうそろそろ花絵の手を離さなきゃいけないんだと、花絵の隣にいて感じていた。




久しぶりに花絵といっぱい話したりゲームをしたり、騒ぎまくった後にコンビニに向かう道すがら、すごく綺麗な朝焼けを見た。


なんだか口にするのはやめておいた。

空が綺麗だとか、改めて言わなくても花絵には伝わってる。

その景色の中に一緒に居られた事が、共有できた事が嬉しい。

何年か経ってあの時の朝焼け綺麗だったよね〜とか話せたらいいなとは思う。



あぁぁ、ダメだ、数年後一緒にいる未来が全く見えない。

今、この時しか花絵の隣に居られないかもとか、急に不安になってきた。




夜食ならぬ朝食を買って家に戻ってきたオレたちは、思い思いに食べはじめた。


「うわ、辛っっ

ちょっとコレ辛すぎない⁈


「え〜?

これぐらいフツーだって。悠真お子ちゃまだなぁ〜」


「イヤ、辛いって。

ダメだ、ちょっ…あとはなちゃん食べて〜」


「しょ〜がないな〜

ハイハイ、私お姉ちゃんだから食べてあげるよ✨」


「お姉ちゃんて。

って、はなちゃんもうすぐ誕生日だね。


マジでお姉ちゃんだった‼︎」


「そうなんだよねぇ。

あと1カ月ぐらいで17歳になっちゃうよぉぉぉ〜


時の流れ早すぎん⁈」


「確かに。そっか、17か…


はなちゃん、何か欲しいものある?

プレゼントしたいんだけど…」


「はぁ⁈

悠真…そうゆうのは本人に聞かない方がいいんじゃないの⁈


私は欲しいものは自分で買うし、何か貰えるなら何でも嬉しいよ。

あとは悠真のセンスに任せるわ。」


「そっか、ホントだったらサプライズの方が良かったって事か。

ごめん…


でも、センスを求められても期待に応えられるかわかんないよ…」


「ふ、っ、っははっ


別に悠真にハイセンスを期待してないって。

何でもいいってコト♪


何ならしおりとかでもいいし?」


「し、しおり⁈

さすがにそれは…


まあ、考えてみる、よ。」



「ん。

ちょっと楽しみにしとく〜」



そう言って再び食べ始める花絵を見ながら、オレはプレゼントを何にしようかと悩む前に、まずは資金を稼がないとと考えていた。


バイトするか…


ちょうど花絵からも少しずつ離れていく覚悟をしなきゃいけないと考えていたところだ。

花絵に依存し続けて、いつか本当にオレの手元からいなくなったら、オレは何もなくなっちゃう。


せめて、オレが花絵のそばに居た証みたいなものを贈りたい。

それが何なのかはわからないけど…




お腹が膨れた花絵は、夜通し起きてたから眠いと家に帰っていった。


別れ際、オレは花絵に言った。


「はなちゃん。

明日から朝は一緒に学校行けるけど、帰りは別で帰る事にしよう。


だからって1人では帰らないで。危ないから。

また変なヤツがいたら大声出して逃げる。


いい?わかった?」


「え…

もう悠真が一緒に帰ってくんないの?

急にどした⁈


部活出ない時は美緒達と帰るけど、部活出る時は部活の子と帰るようにするけど…」


「おっけ。

じゃあまた明日ね」



そう言って別れた。


さて、早速バイト探さないと…


長く続いた花絵への片思いもゆっくりと気持ちの整理をしていかなきゃいけないと思いながら、オレはバイト情報を検索していた。





以上ですDASH!

悠真編始まりましたね〜

悠真は普段花絵をはなちゃんと呼びますが、声に出さない時は花絵呼びです。


幼馴染でご近所さんのふたり。

小さい頃はずっと一緒でも、成長するにつれ次第に距離ができたりするものですが、このふたりの場合は悠真が花絵と離れたくなさすぎてこの歳まで一緒にいました。

だけど、もうこれ以上は厳しいのかと迷いが生じた悠真。


だけど花絵は悠真への気持ちが芽生えたばかり。

ふたりの距離はどうなる⁈

そんな感じですウインク


最後まで読んで下さった方、ありがとうございましたにやり