お父さんの石けん箱 田岡 由伎著 | 【公式】オツカレ!(手もみ)各務原市60分2,000円リラクゼーションマッサージ店|もみほぐし

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お父さんの石けん箱 田岡 由伎著

 

 田岡一雄3代目の顔写真に紅をさす落書きをして、誰にもとがめられることが無い人はそんなに多くない。

 

 著者は山口組3代目組長、田岡一雄の長女である。

 

 

 私は田岡3代目にお子さんがいることを全く知らなかった。宮崎学氏の『近代ヤクザ肯定論〜山口組の90年〜』を読んでいる時にその存在と、その長女に著作があることを知り、今回手に取った。

 

 

 

 私が田岡3代目を知ったのは15歳のころで、3代目が亡くなった5年後のことだった。

 

 3代目が亡くなった時、私はまだ10歳で、もっとも荒くれ煩悶する切ない時期だった。そんな頃、時折り父は私を近くに呼び寄せると、「いいか……。おまえはヤクザになるかも知れんけどなあ、なるとしたらなあ、高倉健さんみたいな……」と諭すのだった。

 

 

 

 

 

 父は普通のサラリーマンで、ヤクザの知人の一人も居らず、いたって真面目な堅気だった。私は何を急に言い出すのやら?と不思議に思いながらも、何となく、(それが僕のいくべき、用意されたレールなのかな?)と不思議に感じるだけだった。

 

 

 

 

 この、田岡由伎さんの本を読むにあたって、正直に言うとまったく期待感はなかった。世界的に有名な父親の威光を笠に着て、ちょっとばかり非公開なネタでも書いてあるのだろう。そんな程度に考えていたからだ。

 

また、3代目自身のこともほとんど知らなかったし、見たところ、そんなに男前でもなく、この著作にもあるように、時には同伴する若い衆のほうが親分と間違われるほどで、ヤクザっぽくも見えなかった。

 

 

 

 ただ、初代と2代目の山口親子が築いた山口組の跡目を継ぎ、全国制覇を果たし、港湾事業や興業・芸能界など多くの事業を成功させたことくらいは知っていたが、恐らくそう言ったことは、ヤクザかぶれの堅気の人のほうが、任侠映画や書物を読みあさり詳しいのでは無いだろうか。

 

 私も家族や一部のちかしい人以外には非公開で、自身のヤクザ渡世時代の作文をしたことがあるが、恐らくは、一般の人が想像するような、ヤクザ映画のような場面はこれっぽっちもなく、

 

いかに親分や組長(親父)が自分を愛してくれたか。姐さんに可愛がってもらったか。そんなことしか書いていない。

 

田岡由伎さんの著作は、そんな私の琴線を、びんびんハードロックのように弾くのだった。

 

 

 そこではじめて3代目の魅力を知り、多くの若い衆が命をかけるに至ったのだと知った。

 

 そして、3代目姐、田岡文子さんの底抜けに逞しい生き様も知ることになった。

 

 皆さんに広く読んでいただきたいが、特殊な世界の内容だけに、読み手の知識や価値観によって、随分と面白さは変わってしまうことと想定される。

 

 ご希望ならば、私の解説付きの読み聞かせでもして差し上げるがいかがだろうか。

 

 

 

【全てのホスピタリティは、虐待と極道社会から学んだ】