「俺の上には空がある 広い空が」桜井昌司著 | 【公式】オツカレ!(手もみ)各務原市60分2,000円リラクゼーションマッサージ店|もみほぐし

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「俺の上には空がある 広い空が」桜井昌司著

 

 

 まだつい先日、冤罪、布川事件について書かれた「ショージとタカオ」を読んだところだったので、

 

【ショージとタカオ】https://ameblo.jp/momiccotaro/entry-12805058352.html

 

この本は、失礼ながら斜め読みでもしておこうと言うつもりで手に取った。

 

題字は桜井昌司さん本人のもので、勢いがあって、とても美しい。

 

題字と同色(いや、題字のほうを同色にしたと捉えるべきだが)の、青空がのぞく小さな窓には、悲しくも鉄格子をイメージした白い縦の線が刻まれている。

 

この本によれば、昌司さんが仮釈放で娑婆に出て来てはじめての朝を迎えた日、一番はじめにおこなったことは、

 

目の前の窓を開けて、手腕を窓の外に出してゆっくりと動かしてみたそうだ。我々の日常にはあり得ないエピソードだとしみじみ感じた。

 

斜めに読んでみようとしただけであったのに、気づけば一気に最後まで読み終えていた。

 

とても読みやすい。 文体も然ることながら、この様な事件を背景にした著作であるのに、後悔や憎悪、苦しみよりも、愛や感謝、勇気や可能性に満ち溢れているからだ。

 

「ショージとタカオ」の感想で記したように、国家賠償訴訟に勝訴したものの、癌の末期と診断を受けた昌司さんは、余命一年などとうに通り越して、現在も元気に健在で、むしろ一切の治療をおこなわず、徹底した健康管理によって、贅肉も削ぎ落とされ、過去最高に血色の良い顔色だ。

 

 

残念ながら、杉山卓男(タカオ)さんは、自らも「冤罪放浪記」を上梓した2年後の2015年に亡くなられている。

 

 

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私は自慢の小卒(本当は卒業もしていない)で慰安所の店員なのだが、時折り腰の低いお客さまからは、「先生」呼ばわりをされる。

 

精神が捻くれているから、(何のたくらみが・・・(笑))などと素直に捉えられず妙に不快なので、必死に何度も「店員です。小太郎です。最高労働者何です〜!!!」と言って逃れようとするが、

 

この本の中に良い川柳が書いてあった。

 

「先生と呼ばれる(言われる)ほどのバカでなし」

 

教師や医師はしかたがないとしても、

 

そう呼ばれて調子に乗ってつけあがる人は結構多い。特に私のように、自己肯定感が少ない劣等感のかたまりの様な人間は、あっという間に乗せられてしまう。

 

これからは、この川柳を用いてやめていただこう。

 

また、「艱難汝を玉にす」と言う言葉も学んだ。偶然、艱難辛苦の言葉は時折使うので意味はすぐにわかったが、

 

中国渡来の言葉ではなく、Adversity makes a man wise.(逆境は人を賢明にする)」の意訳らしい。/Adversity《逆境》wise《賢い・分別のある》

 

私は、この平和ボケの国内の中では、それなりの苦しみも体験して生きて来たが、残念ながら玉にはなれなかった。しかし艱難辛苦を避けることなく、昌司さんのように、良い試練に変換し感謝して生きていければと思う。

 

昌司さんは、プラス変換の達人だ。

 

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悲しい冤罪事件なのに、昌司さんの明るさに釣られて楽しく読み進める中でも、涙が出てしまった箇所がある。

 

補償金として1億3000万円が支払われたそうで、一般的なサラリーマンでも、生涯賃金が2億ほどはあろう時代に、これだけの長く辛い思いをしながら、余りにも少ない金額であったことと、

 

「お金を貸してください」と言う人が増え、数千万円を貸したと言う部分だ。そして、その後は携帯が急に繋がらなくなったりして、約束通り返してくれた人は少ないらしい。

 

今までは獄中にあって人生に希望を失い数え切れないほど多くの人に愛情、思いやり、手助けを受けた。

 

出所後に多くの金を得ると、逆に多くのものを失ってしまったようだ。

 

「ショージとタカオ」の感想文にも記したが、裁判所・検察・警察は無実の判決が出てからも、いまだに謝罪をしていないのだが、

 

それどころか、地検は判決後の会見で、「桜井と杉山が犯人であることに変わりはない(中略)裁判所の判断が違ったに過ぎない」と、子供の駄々よりタチの悪い言葉を発信している。

 

別に自分自身が逮捕や尋問をした訳でもないだろうに、そこまでして、地に落ちて価値もないプライドを守りたいのか、理解に苦しむ。

 

その中でも、事件当時の元鑑識課指紋係によれば、捜査当時、「捜査幹部から2人の指紋に合わせられないか・・・」と依頼されたことを明かしている。

 

尋問の途中でも、尋問する部屋に刑事が証拠品を持ち込み、昌司さんに、「ちょっとどんな感じか持ってみろ」と言う要領でそそのかして指紋をつけようとしたそうだ。

 

私は、自分自身が多くの犯罪を犯してきたことから一方的に言えた立場ではないが、

 

過去にも何度か作文で記したように、警察官は日常的に嘘の供述を強要し、嘘の調書を巻き、こちらに知識が無いとみるや、平気で騙そうとする。

 

私も、広辞苑よりもはるかに分厚い調書を何十回と巻かれて来たが、絶対に警察官が誘導的に作り上げた調書にはサインをせず、何回でも書き直しを要請したので刑務所に行かずに済んでいるものの、

 

言われるままであったなら、今頃未達大和懲役囚と顔馴染みになっていたかも知れない。