人は時々、自分の行いであったり、物事に対する考え方が正しいのかを逡巡する事がある。
常識の数は人の数だけ存在し、そこに正解は存在しない。
しかし、人は正解を知りたがり、自分の常識と世間の常識を照らし合わせる。
何故なら、自分という人間の立ち位置を認識したいからだ。

自らの常識を客観視するには、一人旅が有効であると筆者は考える。
私は、大学生時代様々な場所へバイク一つで旅をした。
旅先では、時に歓迎され、時に冷遇を受けた。

世の中には様々な価値観を持った人間が存在し、
触れ合う事で個人の常識が通用するか否か回答を得る事ができる。

多くの旅から筆者が得た回答は、人様に迷惑さえかけなければ、個人の常識がどんなに歪(いびつ)でも構わない、ということだ。


さて、そんな旅好きな筆者であるが、旅の中でも一番好きな瞬間がある。
それは、旅立ちの瞬間だ。

遥かなる道中を思い描き、期待と夢に溢れた始まりの瞬間は、何物にも代え難い味がする。
今回は旅立ちの瞬間に聴きたい3曲をセレクトした。
この曲を聴いて、旅に出たいなんて思って頂けたら幸いである。

<Can't Find My Way Home>

クラプトンの活動期の中で、筆者のfavoriteはBlind Faith期。
まだバンド結成が夢であるタイミングでクラプトンが名付けたから、Blind。

本曲を聴いて筆者が想像するのは、静かな深い森の中に川辺があり、そこに小さな小舟が浮かべられているさまだ。
"静かなる旅立ち"この表現がしっくりくる。


<The Trip>

曲名が"Trip"と、旅立ちにはもってこいの1曲。
Still Cornersは、London発ポップ系バンド。

爽やかなシンセが曲全体を包み込み、これからの旅路に胸が膨らむ。
車のトランクには、ドクターバッグがぽつんと置かれているかもしれないし、もしくは......。


<Theme From The Iron Horse>

ジャケットを見た瞬間、キャプテン・アメリカを頭に想い浮かべた方、是非筆者と今夜吉祥寺あたりで一杯やらないか。

この曲がどこかで流れ出したら、すぐさま腕時計を田んぼの中へ投げ捨てることをお勧めしたい。


違うか………。












違わないかにて