「何故、今ドアーズなのか?」


確かこんな感じのキャッチコピーだったと記憶している。
数年前、とあるレコードショップへ行った際に、店頭に山積となっていたアルバム群の帯に記載されていたのだ。

いわゆるリイシューというやつだが、左から順にファーストから並んでいた。

キャッチコピーを見た瞬間、筆者的には"今だからこそ"ドアーズでは?と思った。
つまり、時代がようやくジム・モリソンに追いついたってこと。

モリソンは世紀のマルチプレイヤーであり、ブルーズあり、ロックンロールあり、ジャズスタイルあり、と様々なジャンルを飛び越え作曲することができた。

現代でこそ、レニー・クラヴィッツやプライマルスクリームのボビー・ギレスピーなど、マルチプレイヤーが認められる時代になったが、
1970年頃は、例えばパープルが「紫の炎」にカントリーを1曲入れたらブーイングはおろか、次作はないかもしれない時代だ。

もしかすると1970年頃は、モリソンにとっては不遇の時代であったかもしれない。
"ホテル"経営も不況だったか。

モリソンと同時代に、やはりマルチプレイヤーゆえに、筆者が思った時代先取りアーティストを1人紹介したい。


その人、Mungo Jerryという。
In The Summer Timeがヒットしたが、以外の作品はあまりぱっとしなかった。
筆者は彼の作品を聴いて、「早すぎたな」という感想を持っており、それは時代(1970年頃)にしては先見の明があったということだ。

モリソン同様ジャンルを幅広くカバーしており、センスも抜群。
It Don't Matterなんかは、デヴィッド・ボウイのレッツダンスに影響を与えたのではないかと思っている。
Little Miss Hip Shakeは、出だしがTレックスのGet It Onの様でイカしている。


曲毎に異なる顔を見せるスタイル、作曲センスの拡張高さ、そしてもみあげの長さが彼が偉大なマルチプレイヤーであることの証明であり、未だ時代は彼に追いついていないのかもしれない。






リイシュー版には未発表曲が入ってる可能性が高いにて