この本の内側で暮らしている人たちは、この世界で生きるのが当たり前で
死んだ人間を再利用してペットにだってするし、
簡単な家事だってできるように性能が良いペットになっていくし
仕舞いには
性欲処理だってするし妊娠&出産、簡単な赤子の世話くらいならできるように
だってなる。
もんのすんごい人種差別が当たり前で、でも月日の流れで
極悪な迫害を受けていた人種が、今度はキャリアアップの道を
歩めるよになって、重大な仕事を任され、お金に困ることなく
『恵まれた人』として生きていける。
仕舞いには、
死後、再利用され人間に奉仕するペットとなり、永遠に生き続けることができる。
果たして、
こんな世の中が
本当に
『当たり前』なのか…
今のこの時代を生きている私たちには、
この世界は『異常』に映るけど、
だってさ、ちょっと考えてみて?
50年前、1976年頃とか?って
インターネットどころか、家にパソコンがある家がまず
存在しないし、
Wi-Fi?何それ?
スマホどころか携帯電話だって存在していない世界。
えまって、もしかしたらテレビって白黒?
今の子達は液晶テレビしか知らないでしょう?
昔はね、”ブラウン管のテレビ”って言ってね云々…
そんな時代から『現代』はきっと
異常だし、否定的な意見が多く出回るだろうし、
講義したりデモを起こしたりする人も現れるかもしれない。
ってことは、
もしかしたらこの『現代』もまた、
『当たり前』という、思考回路を失わせるよなワードで
人々に考える隙を与えないようにしいるだけで、
本当は『異常』な世界なのかもしれないよ?
なーんて、完読後にそんなことを
しばらく頭の中でぐるぐる考えていました。
今の当たり前は、昔の『異常』の上で成り立っている。
昔に『異常』な考え方をした人たちが、
今の『当たり前』を創っている。
それが、もちろん正しいことでもある。
でもね、じゃあ100点満点かって言ったら…
正解の点数はきっと、人それぞれだね。
ズドーンと衝撃的な世界を見せられた作品でした。
その後で、考えること、想うことがいろいろあって
本の醍醐味を味わえた作品のひとつでした。
第78回野間文芸賞・キノベス!2026第1位受賞作品
