木挽町に生きる芝居小屋の人々が、

 

ふらっと現れた御武家様、菊之助の父の仇を討つべく、

 

力を貸し、協力し、励まし、面倒を見、助言をし、菊之助の想いを貫くべく

 

奔走する、酔狂で粋な江戸っ子のお噺。

 

 

菊之助に関わる人たちの生い立ちも様々で、

 

皆それぞれに苦労をして生き抜いてきた。

 

ご縁が繋がってここ、木挽町で生きる者たちだからこそ、

 

訳ありの菊之助をすんなりと受け入れて理解してやったんだろう。

 

 

菊之助が仇を討たなければならない相手はこれまた残酷で、

 

幼少期から世話になった父の下男。作兵衛。

 

父の仇を討たねば、お国元には帰れない。国には母をひとり残している。

 

それでも、幼少期から世話になった恩義が、作兵衛への仇討ちに邪魔をする。

 

 

『父の想いを受け継ぎ、しかと仇討ちを成し遂げ、一人残した母のもと、

 

お国へ帰って父の想いを成し遂げたい。

 

だけど、作兵衛を殺したくはない』

 

 

そんな想いの間で、思い悩み苦しむ姿を、

 

木挽町で出会った人たちは間近で見てきた。

 

菊之助の純真無垢なその姿勢と、

 

自分たちの生い立ちという経験もあって、

 

菊之助を放っておけない木挽町の人たちは果たしてどう動くのか…?!

 

 

このね、文章構成が本当に愉しくてね、私こんな本初めて出会ったの!

 

まるで私が主人公のような、本に出てくる登場人物が私に話かけてくる

 

ように描かれた文章が、すごく愉しかったのと、自分もこの本の

 

登場人物の一人なんじゃないかっていう錯覚が起きて、

 

臨場感増し増しで最後まで愉しく読めました。

 

だけど、最後の方はもう感動もあって、胸が詰まって

 

涙なしには完読できない作品でもありました。

 

これは本当に傑作でした、逸品でした。

 

読んで良かった今年ナンバーワン作品です。

 

 

第169回直木賞、第36回山本周五郎賞、大谷竹次郎賞受賞作品