6月13日 2人で食事 | 母のゆるゆる食道がんライフ

母のゆるゆる食道がんライフ

食道がん・ステージⅣを克服する気のあまりない母の様子と、
娘(私)の思い。
がんと真摯に向き合う方の参考にはならないかも。。。

今日は、お昼に母のところへ行って、
病院内にあるレストランで一緒に昼食をとった。

そこのレストランはファミレス的に和洋中取り揃えてあった。
私は「エビチリ定食」を注文した。
正確に記せば、「母が食べたいと言うエビチリ定食」を注文した。

定食に付いていた中華スープは、母にあげた。
取り皿に、エビチリのソースを少し取って、それも母にあげた。
それが、母のお昼ごはん。

固形物も食べていいとは言われているものの、
やっぱり詰まる感じがして食べられないらしい。
でも、色んな味は口にしたい、と。

今、母には病院の食事は提供されない。
もちろん言えば出してくれるけれど、
医師は「自分で用意できるなら、好きなものを食べなさい」と言ってくれる。
なので、病院からの食事は頼んでいない。
そんなことできるんだ!とびっくりした。
病院の食事って、強制的に出されているんだと思っていた。
この病院だけの制度なのかもしれないけれど、
そして母の食事が特殊なだけかもしれないけれど、
食べたくもないし、料金が自己負担の病院食を断れるのは良い。

ただ、母が自力で用意できる食事なんて、
院内のコンビニで売っているものくらい。
しかも例えばカップ麺を作っても、食べられるのは汁のみ。
家族が持って行くにも3食は無理だし、離乳食よりも少ない分量。

そこで、「一緒に食事して、シェアしたらいいのでは?」となって、
今日は初めてそれを実行した。

エビチリのソースは、とっても美味しいと喜んでいた。
辛いものなんて久しぶりだなーと。
中華スープも気に入っていた。
ついでに、添えてあったザーサイも舐めていた。

味のレベルなんてたかが知れた料理だったけれど、
母はとても満足していた。
何より、残すことを気にせず食べられるのが嬉しい、と。

私も、久々に母と食事できたことが嬉しかった。
実は前から思っていたけれど、
食べられない母の前で、自分だけバクバク食べるのは気が引けた。
でも、そんなこと気にしなくて良かったようだった。

病棟にある談話室でも、持ち込んで食事していいらしい。
これからは、時間があればなにか持って行って、
一緒に食事してあげようと思った。
前の日の夕食の残りだっていいんだから。

母が食道がんになって、「食べること」の大切さを痛感している。
食べることは「生きていること」を一番感じられるんだと。
「美味しい」という感情は、人を幸せにするのだと。
今日、ソースを口にする母の表情が、それをまた教えてくれた。

そして、大切な人と食事できるのも、また幸せなこと。
私はいわゆる「おひとりさま」も好きだけれど、
それはいつでも人と食事できる環境で1人を選ぶから。
今日の母との昼食の時間は、私も何だか楽しかった。

次は一緒に何を食べようかな。