これまでの経緯を、つらつらと書いた。
去年の夏、母が14年飼っていた犬が亡くなった。
飼い始めた時は家族5人いたが、祖父母は他界し、私たちきょうだいは家を出たので、
ずっと一緒だったのは母だけだった。
その頃から、母はしきりに「いつ死んでもいい」と言うようになった。
両親も子供もどうにか然るべき所へ見送った。
最愛の犬ももういない。
私の役目はすべて終わった、と。
祖父も晩年は早くお迎えが来ないかと待っていたし、
母もいつ死んでもいいと好き勝手やっていたし、
思い込んだら突っ走るタイプなので、
それが望みならこちらが思い悩むこともないと思っている。
なので、母がステージIVのがんだと言われても、
正直特別ショックを受けていない。
でも、もしかしたらまだピンと来ていないだけかもしれない。
本人が、絶対治して元気になることよりも、
辛い思いをせずに最期を迎えたいと言う。
私自身、祖父母、義母、犬の死を見て来て、
「いかに楽に死ぬか」というのが、
命あるものの最後のハードルな気もしている。
68歳というのは、まだ若いと言われる。
でも、長生きだけが幸せでもないと思っている。
人生に満足できたか否かが問題。
母が強がっているだけなのでは?
本当に死が見えた時に怖くないのか?
私もしっかりと覚悟はできているのか?
まだ気持ちが定まらないし、
定まることはないのかもしれない。
まだ治療はこれから。
しばらく揺れながら暮らすことになりそうだ。