2022年9月8日に母が永眠しました。
この記事は、母と過ごした最後の2週間の記録です。

ガンとの闘病は、ご本人もご家族も不安や迷いが多いと思います。
少しでも心を軽くするお手伝いができればと思い、残すことにしました。
 
当時の私が知りたいと強く感じた、体の変化や痛みへの対応を、できるだけ詳細に記録します。
ですが、個人差が大きい部分ですので、ひとつの形としてお読みいただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

 

 

8月30日(火)

 

昨晩痛みが強くなったことを訪看さんに伝えると、モルヒネの流量を0.4mlに増やしてもらえた。

痛みがほとんどなくなり、この日は一度もボタンを押さずに過ごせた。

 

加えて、ブロチゾラム錠0.25mg「アメル」とクロチアゼパム錠5mgが処方された。

ブロチゾラム錠は睡眠薬のようなもので、クロチアゼパム錠は不安を和らげるお薬らしい。

 

眠っている時間は増え始めているが、起きている間はいろいろなものを少しずつ食べられている。

お粥、細かくしたマグロ、スイカ、たこ焼きなんかを少量ずつ食べてくれた。

 

会話は同じことを繰り返したり、理解できないことが増えたけど、まだ意思の疎通はできる。

でも、4日前よりも明らかに体は弱り、思考も鈍っていると感じる。

モルヒネのせいもあると思うけど、緩やかに、穏やかに、体が死への準備をしているように感じた。

 

夜は寝る前にブロチゾラム錠を飲んだことで、朝までぐっすり眠ってくれた。

すやすや眠っている様子を見ていると、このまま旅立てたら一番楽なのにね、と思ってしまう。

 

 

8月31日(水)

 

太ももの痛みが出てきたようだ。

これはおそらく、オムツを交換するときに腰を浮かせるために踏ん張ってくれているからだ。

やらなくていいよ、と言っても、少しでもやりやすいように頑張ってくれてしまう。

 

会話が行ったり来たりすることが増え、朦朧としている時間がほとんどになってきた。

「夏休み最後の日だよ」と言っても、わかってなさそうだ。

 

でも、強い痛みはないらしくて、楽しそうに笑うこともある。

大好きだった曲を流すと少し歌ったりもした。

食欲は落ち始めて、この日はたこ焼き半分とスイカしか食べられなかった。