帰省したときに、私は母に手紙を渡した。

母への想いを伝えたいけど、言葉では伝えにくく、このままでは伝えないままリミットが来てしまいそうだったから。

 

私が帰ってから、数日後の電話で手紙を見たことを伝えられた。

「嬉しかった、大事にする」「死んだら一緒に燃やしてね」と短い感想だったけど、気持ちが伝わったことが分かった。

ずっと伝えたかった気持ちを伝えられたことで、心に引っかかっていた小さな何かが消えた気がする。

 

手紙は、言葉を形で残せる手段だ。

書き手が触れて、迷いながらペンを走らせ、いろんな気持ちを込めて封をする。

LINEやメールとは違う存在感があると、私は思っている。

 

もし、家族に伝えたい気持ちや想いがあるなら、ぜひ手紙を書いてみて欲しいと思う。

言葉だと余計なことを言ってしまったり、素直になれなかったりする。

でも、1人で落ち着いて手紙を書けば、頭と心を整理しながら伝えやすい。

 

読む人も、書き手がその場にいないことで、落ち着いて言葉を受け止められる。

温かい言葉や気持ちなら、絶対に受け取った人の元気になる。

いつの間にかできているわだかまりや、勘違いを解消できるかもしれない。

 

家族との関係や今後のことを伝えたい時はもちろんだけど、すでに亡くなっている人にも手紙は有効だと思う。

言葉だと聞いてくれたかわからないけど、手紙ならお供えすればいつかは絶対に届くから。

 

私も父に伝えたいことがまとまったら、一度手紙にしてお供えしてみようと思う。