阪神・淡路大震災における災害廃棄物の処理について
http://web.pref.hyogo.jp/wd33/documents/000044725.pdf
(・w・) 上記資料が情報源となります。
今回の震災のがれきの処理に関して阪神大震災の時にはほとんど
兵庫県内で処理したとか言う広域処理反対派が行っていることがあり
ますが、それが事実か否かを書いていくことにしましょう
P6にがれきの発生総量が書いてあります。
その総量は2000万トン。兵庫県の通常のごみ処理の8年分です。
そのうちの7割が住宅等のがれきであり、1452万トンのそうした
震災がれきのうち1359万トンが平成8年12月31日までに
処理が完了。地震発生は平成7年1月17日ですから約2年で
発生したがれきの93%程度を処分した訳ですね。
P12に興味深いことが書かれています。
域外への処理。震災がれきの10%は域外の処理。145万トン分。
反対派の言い出してる域内での処分がほとんどというのはこの部分を
指してるのでしょう。
(・д・) ただ、この数字には留意しなきゃならない部分があります。
がれきの他の可燃物処理。これが287万トンあり、こちらの処理は
他市町村への焼却委託が10万トン。そして、可燃物の処理の56万
トン分(全体量の2.8%程度)は野焼きをせざるを得なかったと。
(・w・) 焼却炉で燃やすのと比べ、低温で燃やす野焼きは有害物資が
煙に大量に含まれることになります。本来ならば、実施したくない方法
ではありますが、腐敗による衛生害虫の発生や疫病の蔓延防止のため
止む得ず実施されたようです。
(・д・) 総量2000万トンの阪神淡路大震災の震災がれきのうち70%
程度はコンクリ系の不燃物。可燃物は287万トンと14%程度を占
めてるだけでした。
国交省、がれき埋め立てに指針 被災地で地盤に活用 政治 全国の
ニュース:福井新聞
http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/politics/451030.html
(以下引用)
<前略>
震災によるがれきは岩手、宮城、福島3県だけで計2490万トンと
阪神大震災の1・7倍超に上る。一部は港湾で埋め立てられる見通し
だが、量が膨大なため陸地での埋め立てによる有効活用も必要と判断した。
ただ今回は木造住宅の被害が多く、国交省は地盤として再利用
しやすいコンクリート類の占める割合は阪神大震災時の75%を
大幅に下回る15%程度と推計。金属の腐食につながる塩分を含んだ
がれきを使う際の安全確認などの課題もあるため、国として基準を示す。
<後略>
(引用ここまで)
(・д・) そう。今回は阪神大震災の被災地と違い、木造住宅が多くコンクリ系は
少なく可燃物が多いって問題があります。じゃあ、阪神大震災の時に出た可燃性
廃棄物の量と比べてみてどうなんだろうっていうと、こちらの資料が詳しいでしょう。
(=д=;) 資料集めで協力してくれた方に感謝です;
環境省:『災害廃棄物の広域処理』より
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_koiki_mat20120202.pdf
※角材・柱材のうち太平洋セメント搬入分は可燃物に含む
※県北部4市町村の可燃性混合物、不燃性混合物を可燃物、不燃物に含む。
このうち岩手県の広域処理希望は57万トン。驚くべきは72%が
可燃物です。阪神大震災での可燃物の割合は全体の14%に過ぎ
ないのです。
(・д・) ここに震災がれきの地元での処理を主張してる人々の欺瞞が
あります。大都市である神戸ではコンクリが震災がれきはコンクリなど
不燃物が主体で可燃物の量は相対的に少なかったのです。
(=д=) 今の東日本大震災の被災地の震災がれきは可燃物が
主体であり、その焼却処理は広域で行うことがベストなのです。
岩手の場合、割合にして5倍も違うわけですしね。
(・д・) 既に仮設の焼却施設は被災地域でも稼働していますが、とても
数も能力も足りません。今ある被災地域以外のごみ処理施設の余力に
よって処理するのが一番です。
(=д=;) 宮城県では石巻地域で294万トン、旦理名取地域で
44万トン東部地域で6万トンの広域処理の依頼が出ています。
(・д・) 県内の処理は石巻地域で306万トン、旦理名取地域
157万トン東部地域で7万トンとなっています。
※出典:環境省『災害廃棄物の広域処理』P5~6より
(・w・;) 依頼分以上に自力でも処理してるのです。宮城の広域処理
依頼も半数程度は可燃物だったりします。
仮置き場は学校などの生活環境の近くにあることもあり、衛生害虫の
発生などで影響だって大きい訳です。
(=д=) まとめるとすると、阪神大震災の震災がれき処理は70%が
不燃物であり、埋め立て等で90%の域内での処理は可能でした。
それでも可燃物の18%は環境的に悪い野焼きに頼るしかなかった
こともあります。
今回の震災がれきは大半が木材などの可燃物であり、焼却処理を
行う必要があること。新たに仮設焼却施設を建設するよりも広域処理に
よって迅速な処分が必要であり、被災地の生活空間の近い仮置き場も
あることから被災地支援にもつながります。
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