「新世界」――aurora arc―― | ユークリッド空間の音

「新世界」――aurora arc――

「君と会った時 僕の今日までが意味を貰ったよ」

 

新世界(BUMP OF CHICKEN)

 

とても私的な考えですが

藤原さんは常に「今」を

歌詞に織り込んでおられると思います。

 

活動初期の頃は

「今」というのは

過去からの投影であり

未来への可能性であったのではないかと思います。

 

 

最近の曲では

そこに膨らみができたような。

いや、ちょっと言葉にしづらいけれど

「今」を求める動機までが

ちらほらと仄めかされているような。

 

 

気の所為だったら恐縮です。

 

 

「睡眠時間」にその萌芽が見え、

「宇宙飛行士への手紙」あたりから気に留めるようになった

「有限の可能性」というもの。

 

「新世界」では

途中に次のようにあります。

 

「世界はシャボン玉で 運良く消えていないだけ」

 

「もう一度眠ったら 起きられないかも

 今が輝くのは きっと そういう仕掛け

 もう一度起きたら 君がいないかも

 声を聞かせてよ」

 

なぜ「今」なのか。

物質に支配されたこの世界では

その「今」が尽きるときが来る。

そのときに

この世界を旅立つ自分と

まだ続いていくこの世界に

遺恨がないように。

 

ひょっとしたら「記念撮影」の

「終わる魔法の外に向けて」とは

その辺りのイメージと重なるのかなあ。

 

頓珍漢かもしれませんが

ついそんなことを考えてしまったのでした。

 

 

曲は長調がベース。

素直な4拍子(?)に

どこか懐かしいメロディーが乗っていくのが

印象的です。

 

 

「明日がまた訪れるのは 君と生きるためなんだよ」