ごんぎつね | ユークリッド空間の音

ごんぎつね



20081019

年玉を付加疑問文でもらいけり


台本のなく過ごしたる二日かな


成人の日に憧れる左官かな


紫雲英道カメラを縦に構えけり


斎場のある町ぶらんこの二人乗り


特急を真正面に曼珠沙華


うそ寒しどこかへ行ったベルマーク


メレンゲを押す指先の小春かな


短日や向こうの信号機は青


オリオンの下なるシャツの黄ばみかな


侘助や中年たちのiPod


冬雲に押されるままの観覧車


雪降るやひとりひとりが終列車


ポケットの鍵確かめる冬の暮れ


回数券の一枚余る年の暮れ


九条を知らずに読んだ「ごんぎつね」


    (初出:『道標』524号)