たのしい算数「鶴亀算」3 | ユークリッド空間の音

たのしい算数「鶴亀算」3

前回までのお話→たのしい算数「鶴亀算」2



手順を覚えてしまえば

ツルカメ算は図で解けてしまう。

ツルとカメが、カブトムシとクモになっても同じ。

型にはめれば簡単だ。


「ん、リドル、やけに嬉しそうじゃん」


お、ユウか。


「珍しいねえ。いっつも便秘のフナムシみたいな顔してるのに」


やかましい。


「あ、フナムシに失礼だよね」


おまえは……。


「で、なにニヤついてんのよ」


まあ例の計算を極めた虚しさ、ってとこかな。


「……」


……。


「……リドル、それウケると思ったの?」


う……うるさい。


「それにしてもまあ、冗談にしても笑えないわねえ」


そりゃ冗談じゃあねえもん。

もうツルカメ算は分かっちゃったもんね。




「フッ……青い……青いわねぇ……」


な……なんだと?


「ひとつの道を『分かった』と言い切れることなんて

 ないってことよ。

 道を阻むひとつの障碍をクリアすれば

 また新たな問題が出てくる。

 あなたはなにひとつ分かっていないのよ」


くッ……! 言わせておけば!


よかろう。

ではおまえの出す問題を受けて立とうじゃないか。


「ほう、大きく出たわね。いいでしょう。

 ではわたしの問題を解けなければチョコ20コよこしなさい。

 いいわね」


吠え面かくなよ。




……ってなんだよ、このノリは。



 ※      ※



ツルとカメが何匹かいる。

ツルはカメより3匹多く、

足は全部で42本である。

ツルとカメの匹数を求めよ




これがユウの出した問題だ。


面積図を使えば一発じゃないか。

リドルは鼻歌を歌いながら図を作った。



200810151
ふたつの「?」マークは同じ数になる。

この条件で面積を42にすればいいんだから……。


……。


あれ?


この図、42という数字が使えないぞ。

出せる面積といったら、点描の部分の

3×2=6

くらいしかない。



「苦戦してるようねー」


う……うるさい。


この面積図では無理。

それなら奥の手。



実際に確かめる!



リドルはオセロの駒を42個用意した。

これをツルとカメの足と見立て、

実際に条件を満たす組み合わせを探す。


まずは、全部がツルになるとして並べてみよう。



200810152

このとき、ツルとカメの匹数の差は21匹。


ここで、左端の2つの駒を右端に移動させると、

右端に4個の駒のセットがひとつできあがる。



200810153

さて、この操作でツルとカメの差がどれだけになったか。


 ①左端の2つを右端に重ねたので列の数は21から20に減った。

 ②加えて、右端に4個1セットの行が1つ増えた。

 ③4個1セットの行が増えた分、2個1セットの行が1つ減った。


つまり、一度の操作でツルとカメの匹数の差は、

3匹増えることになる。

これを何回繰り返すと、

21匹の差が3匹の差になるか。


 (21-3)÷3=6


操作は6回。

この分だけカメの数が増えるので、

カメは6匹。

ツルはそれより3匹多いから、9匹。

これが答え。



 ※    ※


「あら、なかなかやるじゃない」



どうだ。恐れ入ったか。


「少し甘くみてたみたいねー。

 でもリドル、これを面積図で解けないと、

 このあとの問題はことごとく引っかかっちゃうわよ」


嘘だろ。図じゃあうまくいかなかったんだぜ。


「リドルの図の描きかたが未熟なの」


は……はっきり言うじゃねえか……。


「それに、この解き方じゃあ、

3本足の動物と4本足の動物が出てきたときに

とっても面倒なことになるよ。

今回は2が2つ集まって4になったから、

けっこうスムーズにいけたけどさ」


む……、確かにそうだけど……、


じゃあ、これ以上にエレガントでスマートな解き方が

あるってのかよ。


「スマートだかトーマスだか知らないけれど

 簡単な解き方はあるよ。

 それが解らないうちは

 チョコの運命は私の手にあるわねえ」



たぶん続く。