たのしい算数「鶴亀算」2
前回のお話 → たのしい算数「鶴亀算」
四則演算だけで連立方程式問題が解けてしまうのは
とても不思議な気がする。
リドルは隠しておいたチョコをつまみながら、
面積図を眺めていた。
20×2=40(斜線部の面積)
56-40=16(斜線部以外の面積)
16÷2=8(赤の長方形の横の長さ)
湧いて出る疑問は、
方程式とどう違うんだ?
ということだ。
解き方がまったく違うのに。
「なにしてんの?」
うわ、急に出てくるな。
リドルは慌ててチョコを隠した。
ユウに見つかったら、何をされるかわかったもんじゃない。
「ん……、おいしい匂いがする」
犬か、おまえは。
「何か隠したでしょ。具体的にいえばチョコ。カカオ30%」
知らん。それよりも、なにか用でもあるのか。
「チョコを出しなさい!」
……。
しかたない。
じゃあひとつ教えてくれたら。
「キャー♪」
うるせえ……。
「なんでも来なさい!!」
ベッセル関数を積分方程式で……
って寝たふりすんな。
※ ※
リドルはツルカメ算と方程式のことを話した。
「なーる」
そのセリフ古い。
「名作は生き残るの」
で、なんで違う解き方なのに答えが出んだよ。
「実際に方程式でのやり方で解いてご覧よ」
よくわかんねえな。
「いいからやってみるの!」
ユウの言うことには、
与えられた数字を計算せず、
符合のままで解いていくと
仕掛けがわかるそうだ。
ツルの数をx、カメの数をyとする。
x+y=20 ――①
2x+4y=56 ――②
カメの数yを求める方向で解く。
①を変形し、
x=20-y
これを②に代入し、
2(20-y)+4y=56
2×20-2y+4y=56
2y=56-2×20
y=(56-2×20)÷2
あれ!?
「気づいたでしょ」
面積図での求め方と
まったく同じ数字の並びになってる。
「そう。結局、同じことをしているみたいねー。
ということで、チョコを出しなさい」
覚えていやがったか……。
「食べ物の恨みは怖いのよ」
もとから俺のチョコじゃ!