たのしい算数「鶴亀算」2 | ユークリッド空間の音

たのしい算数「鶴亀算」2

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四則演算だけで連立方程式問題が解けてしまうのは

とても不思議な気がする。

リドルは隠しておいたチョコをつまみながら、

面積図を眺めていた。



20080918


20×2=40(斜線部の面積)

56-40=16(斜線部以外の面積)
16÷2=8(赤の長方形の横の長さ)



湧いて出る疑問は、

方程式とどう違うんだ?

ということだ。

解き方がまったく違うのに。



「なにしてんの?」


うわ、急に出てくるな。

リドルは慌ててチョコを隠した。

ユウに見つかったら、何をされるかわかったもんじゃない。


「ん……、おいしい匂いがする」


犬か、おまえは。


「何か隠したでしょ。具体的にいえばチョコ。カカオ30%」


知らん。それよりも、なにか用でもあるのか。


「チョコを出しなさい!」


……。



しかたない。


じゃあひとつ教えてくれたら。


「キャー♪」


うるせえ……。


「なんでも来なさい!!」


ベッセル関数を積分方程式で……


って寝たふりすんな。



 ※    ※



リドルはツルカメ算と方程式のことを話した。


「なーる」


そのセリフ古い。


「名作は生き残るの」


で、なんで違う解き方なのに答えが出んだよ。


「実際に方程式でのやり方で解いてご覧よ」


よくわかんねえな。


「いいからやってみるの!」



ユウの言うことには、

与えられた数字を計算せず、

符合のままで解いていくと

仕掛けがわかるそうだ。


ツルの数をx、カメの数をyとする。


 x+y=20   ――①

 2x+4y=56 ――②


カメの数yを求める方向で解く。

①を変形し、


 x=20-y


これを②に代入し、


 2(20-y)+4y=56

 2×20-2y+4y=56

 2y=56-2×20

 y=(56-2×20)÷2


あれ!?


「気づいたでしょ」


面積図での求め方と

まったく同じ数字の並びになってる。


「そう。結局、同じことをしているみたいねー。

 ということで、チョコを出しなさい」


覚えていやがったか……。


「食べ物の恨みは怖いのよ」


もとから俺のチョコじゃ!