モニターに映るじゃが介は赤紫に見えました。
なんだか黒っぽくて、しわしわで、浮腫んでいて、デカい(あとから出生体重を見ると3800g近くありました)。

よく芸能人がブログで出産報告しているのを見ると「新しい命に感謝と感動で涙が溢れて……」って書いていますが、そんな気持ちには一切ならなくて、ただ、夫と私のどっちにも似てないなとか黒っぽいけど大丈夫なのかな?とかそんなことを考えていました。

すると、カンガルーケアなのかなんなのか、胸元にじゃが介が置かれました。
私はこのときになっても赤ちゃんを可愛いとは思わず、股下にいる先生が持っている魚釣り用の針みたいなものが気になって仕方ありませんでした。
実は私、この年齢になるまで病気や怪我での入院はおろかほんの数針さえ縫ったこともないのです。
それが、ズタズタ(←想像です)になった敏感な股の粘膜を縫う!
出産という大仕事を終えた後でも、恐ろしくて恐ろしくて赤ちゃんどころではありませんでした。

でも一生に一度の場面。
何か言わなきゃ、と思い口にしたのが

「はじめまして。よく頑張ったね」

でした。
夫はこの言葉を聞いて感動したそうです。
まさか心の中では赤ちゃんどころではなく会陰の縫合で頭がいっぱいだったとはとても言えません。

ほどなくして、じゃが介と夫は新生児の処置室に連れて行かれました。
私は縫合中でしたが、モニターでその様子が見られたので痛みを紛らわせるためにそちらに意識を集中しました。
処置室ではじゃが介の身長や体重、胸囲や頭囲が測られ、その様子を夫がスマホで撮っていました。

いつの間にか私の処置も終わったようで、先生に代わり看護師さんが点滴を入れてくれました。
出血量が多かったようで鉄剤の点滴と、もう一本は何かわかりませんが手の甲と腕に計2本の点滴が刺されていました。

助産師さんが、おにぎりと温かいお茶を運んできてくださり、次いで私の下半身を産褥シートとビニールシートのようなものでグルグル巻きにしました。

助産師さんが出ていったのと入れ替わりで夫が戻ってきて、じゃが介を抱っこしたことを報告してくれました。
嬉しそうでした。

世間では女性はすぐに母親になれるけれど男性はなかなか父親の自覚を持てないと言われますが、夫は私より先に親になったようでした。

……が、すぐに私が追い越しました。笑
その話はまた別の機会に書きます。