《最初に》

このブログを公開するにあたって、内容のチェックと手直しをして頂いた経済学者の田中秀臣氏に厚くお礼を申し上げます。

 

 


はい、こんにちは。最近「JKリフレ」と言う単語の入ったアカウントからフォローされたけど多分それはもりちゃんが普段言ってるリフレとは別のヤツだね!でお馴染みのもりちゃんです。


さて、もりちゃんのプロフィール欄には「リフレ派」と書いてあります。
これは一体何なのか。今回はこの辺を皮切りに経済政策全般を書いていこうと思います。経済学は幅が広く奥も深いです。全てを書くのは不可能なので「経済政策の核になる部分を出来るだけ分かりやすく」をテーマにします。


ネットでは専門家や評論家が興味深い経済論評を数多く書いてますが興味の無い人には読んでも意味が分からないと思います。
なので「分からない人や興味の無い人に関心を持ってもらいたい」と言うのが目的です。
本来経済を語る時は数字が最重要なんですが、分かり易さが重点なので今回は敢えて出来るだけ文章で伝えようと思います。(経済クラスタの人からのツッコミを受ける覚悟で簡略化してる部分もあるのでご容赦下さい)

いきなりですがバッサリいきます。大事なのでこの一文を是非覚えてください。

【リフレ政策は人を幸せにするがデフレ政策は人を不幸にする】

ここが最重要です。ある意味このブログの結論でもあります。
ただし一定の条件があるのでその辺は後から説明します。
まずリフレ派とは何か。リフレの正式名称はリフレーションです。これは日本語で通貨再膨張などと訳されます。要するに「デフレ状況を脱却し景気を上昇させよう」と言う経済政策を支持する人の事です。あらかじめ言っておきますが「リフレ派」と聞くと「経済政策には色んな派閥があってリフレ派はその一部」みたいな印象がありますが、これは間違ってます。リフレ政策と言うのは世界標準なんです。ごく当たり前の経済政策だと言う事をまず理解して下さい。

さて。
リフレ派が目の敵にするデフレ不況とは一体何なのか。
これは経済が縮小してる状態を指します。
経済の縮小とは「経済成長をしてない状態」と言えば分かり易いと思います。

つまり貴方の会社の売り上げが年々落ちていく状態です。

もちろん利益も落ちていきます。

会社の経営は苦しくなります。

それでも売らないと生きて行けないので価格を下げます。

すると一瞬売れますがまた売れなくなります。

経営は更に苦しくなります。

更に値下げをします。

それでも楽になりません。

仕方ないので会社は経費を削ります。

経費を削るのは人件費が一番簡単で効果が大きい。

つまり貴方の給料が下がるわけです。

貴方は給料が少ないので節約します。

すると安い物しか買えなくなります。

これと同じことがひとりひとりだけでなく、社会全体でも広く見かけることになります。

つまり社会全体で給料が少なくなったので、社会全体で安い物しか買えなくなるわけです。

結果として物価全体も下がっていきます。

この経過を経て雇用は疲弊し失業者が増えます。

失業率と自殺率には高い相関性があるので自殺者も増えます。

つまり経済政策を失敗すれば人の命が奪われるのです。

この一連の流れを

【デフレスパイラル】

とここでは名付けます。誰も得をしない状態です。
普通に考えれば一刻も早くこの状態を抜け出すべきと考えるでしょう。
事実、世界中の国はデフレの予感がしただけで経済政策で対応します。
これが世界標準なのです。

なのに。

日本はこの状態を20年も続けてしまったのです。
 

だから仕事が無かったのです。


だから給料が安かったのです。

だから自殺者が多かったんです。

「こんなのダメに決まってるだろ」と言うのがリフレ派の主張です。

ではデフレを抜け出すには何をすればいいのか。


その答えは「経済政策」です。

先ほどのデフレスパイラルの説明の時にもりちゃんは「経済が縮小してる状態」と言いました。
ではなぜ経済が縮小するのか。
簡単に言うと「お金の量が足りない」と言う事です。
これは「お金の価値が物の価値より高い」状態を指します。
お金の価値が高くなれば人は物を買わなくなります。
だって今買えば100万円の物が来年買うと90万円になると分かってれば貴方は買いますか?
急ぎでなければ「来年買えばいいか」という事になるでしょう。もっと言えば再来年の方が安く買える。つまり購買意欲が下がるわけです。

これの逆を行くのがリフレ派。

「今年なら100万円で買えるけど来年になると110万円になるよ」と分かれば人は物を来年ではなく、今年買うでしょう。

この仕組みが基本となります。
これを踏まえると「お金の価値を下げる事」がデフレを退治するのに重要になってきます。
一番簡単で効果があるのは「金融緩和」「量的緩和」「QQE」と言われるもの(全部意味は同じです)
つまり「お金を刷る」という事。
方法としては政府が国債を発行してそれを日銀が市場から買い取る形で現金を発行します。
お金の量が増えればお金の価値が下がります。
オークションで高値が付くのは「レア度が高いから」という要素が原因です。
つまり「希少価値があるものは価格が上がる」のです。

この理論で行けば先ほど言ったように「お金の量が増えたらお金の価値が下がる」という事になるわけです。逆からみれば「物の価値が上がった」という事になります。先ほども言いましたが、物の価値が上がれば消費者の購買意欲が出ます。こう言う風に「景気への期待感を上げる」と言うのが非常に重要な事になります。事実「安倍政権が発足したら緩和政策をやるらしい」と言う噂が出ただけで株価は急上昇しました。まだ安倍政権になってないのに、です。

「景気への期待感が上がる」と言う状況は経営者側から見ればチャンスになります。
普通は「このタイミングで沢山売ろう」と思うでしょう。その為には生産を増やす必要が出てきます。ここで賢明な経営者は「これは景気が良くなるぞ。ヤバイ。商品が売れ始める。設備を増やせ。人を雇え」となるわけです。
多くの企業が人を雇い始めると人材の奪い合いが始まります。同じような業種なら給料の高い方に人が集まるのは子供でも分かるでしょう。そこで賃金の上昇が始まるわけです。これに加えてもっと重要な事があります。それは失業者が減ると言う事です。失業者が減れば生活保障の受給者も減ります。つまり国からお金をもらってた人が逆に納税者になるわけです。結果として国の財政にとってもプラスになります。もうお分かりでしょう。リフレ政策とは弱者を救うだけでなく経済全体で見ても良い事だらけなんです。

あと金融政策にはもう一つ「政策金利」と言う大事な役割があります。簡単に言うと「長期金利を引き下げるとローンを組みやすくなる」と言う原理を使った物が「利下げ」になります。当然ローンが安くなるので購買意欲に対してプラスに働きます。逆に利上げをすると需要に対してマイナスの影響が出るので主に景気が加熱した時の対応として行われます。

さて経済政策は金融政策だけではありません。もうひとつ重要なのが財政政策です。不景気な時は個人も企業もお金を使いません。だから国が代わりにお金を使って景気を刺激すると言うのが主な目的になります。ちなみに減税や増税も財政政策になります。

基本的に

「国がお金を出せば景気が良くなり、国がケチれば景気が悪くなる」

「増税すれば景気が悪くなり、減税すれば景気が良くなる」

と今の日本の状況を考えれば、こう単純化しても良いと思います。

さて。ここで重要になって来るのが「日本の財政」と言うヤツです。この問題は実に根が深いのです。
貴方は「日本は借金で破綻する」とか「国民一人当たり800万円の借金がある」みたいな話を聞いたことがありませんか?実はこれ嘘なのです。日本の財政は他国と比較すれば悲観するようなレベルではなくむしろ健全なのです。これはIMF(国際通貨基金)も認めてます(下図参照)

 

 

 

財政が健全だと言うのは「日本はもっと借金出来る」という意味です。ではなぜこんなデマがまかり通ってるのか。その主犯格が財務省です。財務省はとにかくケチで「絶対に金を出さない」というスタンスです。その理由は「予算が少なければ財務省の権力が相対的に強大化し自分が省庁の中で優位に立てる」という理由です。そしてその権力を最大限に使い天下りに精を出してます。ここは国民全員が怒らないといけない。なぜなら「財務省のせいで日本は経済成長できない」からです。財務省の害悪は経済成長だけではありません。教育、インフラ、安全保障、エネルギー、医療、社会保障、福祉など、日本の根幹に関わる部分に対して「とにかく金を出すな」の一点張りです。財務省の言う事を聞いてると日本に未来はありません。道路は穴だらけ、橋はボロボロ、教育は廃退する上に格差が生まれ、税金は上がる一方で、給料は下がり、町に失業者があふれ、円高になり、企業は日本を諦めて海外に逃げ、自殺者は増える。まさに「お先真っ暗」です。財務省は日本をこの方向に持っていこうとしてるのです。これは大袈裟ではありません。財務省の過去の言動を見れば簡単に証明できます。財務省の批判を強めていくのは重要だと言えます。

「日本の財政は健全」という事を前提にすれば今はとにかく政府がお金を出す事が重要になってきます。最近「財務省が公共事業の割引率を15年間も4%という高い水準で据え置いていた」という事案が問題視されてます。これを簡単に説明すると「公共事業をしても良いけど4%の利益が出ないとダメだよ」というルールです。こんなバカな話はありません。今はマイナス金利で借金しやすい状態なのでそもそも4%の利益など必要ないのです。逆に言えば明らかに無駄でない限り何でも出来るのです。特に教育やインフラなどは言い方は悪いけど「間違いなく儲かる」のです。教育に関しては「大卒の方が生涯賃金が高い」というデータがあるので彼らが社会人になれば納税として国に返してくれます。ある試算では「教育は投資した額の数倍の額が返ってくる」という説もあります。

つまり教育には投資をすればするほど利益があるわけです。こういう「誰も損しない事」すら出来ない原因が財務省なのです。インフラも同じです。最近「道路やトンネルの老朽化が酷い」という報道がありましたがこれは建設国債を発行すればすぐに出来ます。いや、やらないといけないのです。例えば道路やトンネルを一度作ると補修しながら何十年も使えます。つまり将来世代の人も使うので彼らにも払ってもらえば良いのです。建設国債で賄えば低い金額を長期間で償還するので負担は相当軽くなります。なにより安全にインフラを使えれば「経済効果」と言う形で債務を返せるわけです。

一部で「財務省をコントロール出来ない安倍政権は情けない」という批判があります。それはその通りですが「だったら元凶の財務省を解体すれば良いじゃないか」というのがもりちゃんの主張です。安倍政権は一応「消費増税を2回先送りにした」という事で財務省と戦ってます。これは簡単なようで難しい。実際「金融緩和をしながら増税をやめた」という首相はここ最近では一人も居ないのです。財務省が発足したのは2001年。日本は「失われた20年」と言われてますがそれは財務省の歴史と完全に合致するのです。

経済成長の話に戻りましょう。

みなさんも「GDP」という単語は聞いたことがあると思います。この伸び率が経済成長率を表します。GDPには「名目GDP」と「実質GDP」があります。これについてはこの後に説明します。まずは「日本経済は内需の依存度が高く個人消費の割合が高い」という事を理解してください。簡単に言うと「日本は国民が金を使うと景気が良くなるよ」という事です。勘の良い人はもう気づいたでしょう。そうです。消費税は日本と言う国で一番やってはいけない税制なのです。だって消費税は消費に対するペナルティなんですよ。「お金を使うと景気が良くなる」という事が分かってるのにお金を使うと1割の罰金を払わないといけないわけです。そりゃ景気がよくなるはずがありません。加えて消費税には逆進性という物があり「経済弱者の方が負担が大きい」という性質を持ってます。日本の9割が富裕層なら消費税はアリでしょう。サクッと増税して景気よく再分配すれば良い話です。でも実際は違います。圧倒的に多数を占める「中間層以下」の人たちの負担が増えるので当然個人消費は減るわけです。

これは単に「消費が減った」で済む話ではありません。消費が減るという事は日本経済にとって最大のダメージになるのです。しかも消費税の悪影響は小さくなりつつも永久に続きます。これは「永久に日本経済にダメージを与える」という事です。根本的に日本でやってはいけない税制なのです。実際に消費増税をした後は景気が悪くなってます。時々「2%くらいの増税なら私は払えるから大丈夫」みたいな声も聞きます。でもこれ違うんですよ。消費税は「払えるか払えないか」で判断してはダメなんです。消費税と言うのは「払うしかない」のです。消費税に減免措置はありません。低所得層は「給料のほぼ全てをその月に使いきってしまう」と言う傾向があります。つまり「払える」のではなく「払うしかない」のです。他に選択肢が無いのです。彼らから見れば2%の増税は2%の減給とほぼ同じなのです。

これらを踏まえて大事な事を言います。

【景気が悪くなる経済政策は全部ダメ】

これだけは理解して欲しい。経済政策とは「景気を良くすれば合格」なんです。景気がよくなれば失業者が減り、賃金があがり、お金を使える世の中になります。そして我々国民は政府に対して「正しい経済政策をしろ」と命令して良いのです。財務省の機嫌なんか伺ってる政治家は全員選挙で落とすべきなんです。
CPI(Consumer Price Indexの略)という経済指標があります。これは消費者物価指数と言って「今は物価が上がってるのか、下がってるのか」が分かる指標です。経済成長するために快適なCPIは2%程度と言われてます。これは「毎年2%ずつ物価が上がると景気が良くなるよ」という事です。先ほど実質GDPと名目GDPに触れましたがCPIはここに深く関係してきます。高度成長期の国を除いた普通の先進国は経済成長の目標となる数値があります。それは【実質GDP2%+CPI2%=名目GDP4%】です(経済学者によって多少の誤差あり)
簡単に説明すると「物価を2%上げて経済成長2%を目指しましょう」という事です。ちょっとレベル上がるけどここは大事なので言っておきます。実質GDPというのは物価変動を除いた指標です。つまりこれだけが上がっても景気が良い証明にはならないのです。好景気とは物価が上がりつつ個人消費も増えてる状態を指すので「実質GDPとCPIの両方が上がらないと意味がない」のです。そして実質GDPとCPIを足した数値が名目GDPなので「名目GDPは重要な指数」と言う事になります。

経済成長によるメリットは多岐に及びます。例えば防衛費は「GDPあたり1%」と言う謎の縛りがありますが経済成長してGDPが上がれば同じ1%でも実額は増えます。これは国家予算も同じで経済成長すれば増えるのです。たまに国家の予算を家計でたとえる人も居ますがこれは間違ってます。たとえば普通の家庭で「今月は苦しいからちょっと節約しよう」と言うのはよく見る光景ですがこれは国の政策でやったらダメなんです。国の場合は「出費をすればするほど儲かる」と言う局面があるのです。お金が足りないなら刷れば良いし、予算が足りないなら増やせば良いのです。それは経済政策で実行可能なんです。

ここまで来ると「永久にリフレ政策すれば良いじゃん」という疑問も出るでしょう。しかし残念ながらリフレ政策は永久には続きません。目標を達成すると一旦その役目を終えます。その目標とはさきほど言った物価です。目標の2%を安定的に継続出来れば金融政策は逆向きになります。つまり利上げや量的緩和を減速させる事で収拾を図る事になります。ただ間違えてはいけないのは「今の日本は全く目標に届いてない」という事です。つまり出口を考える状況にはないのです。

CPIには「総合CPI」と「コアCPI」と「コアコアCPI」の3つがあります。総合CPIとは「全部ひっくるめた物価変動」です。コアCPIは「生鮮食品を除いた物価変動」です。コアコアCPIは「エネルギーと生鮮食品を除いた物価変動」です。なぜこのような分け方をするかと言えばエネルギーや生鮮食品は普段から物価の変動が激しいからです。悪天候や中東の情勢などによって大きくぶれるのでこれらを除外した「コアコアCPI」を見るのが妥当とされてます。これを見れば「経済政策によって物価がどれだけ変動したか」がダイレクトにわかります。

では日本が経済成長をするために何をすれば良いのか。まず内需を高めるために「緊縮政策を全否定する」というスタンスが重要になります。

具体的に言うとこういう感じです。 

・増税→✕

・利上げ→✕

・金融緩和の縮小→✕

・予算の減額→✕

・公共事業の拡大→〇

・本予算の長期的増額→〇

・更なる金融緩和→〇

・とにかく国が金融、財政の両面からお金を出して景気の下支えをする→◎

つまり「政府は景気を良くするためにもっとお金を出せ」という事に尽きるわけです。

それでは実際に野党は何を言ってるのか確認してみましょう。

基本的に野党は「消費増税反対」と言ってます。個別に見ればこれは正しい。でもこれだけではダメなんです。もし増税をやめても政府がお金を出さなくなったら元の木阿弥です。いや、むしろ景気は後退するでしょう。もりちゃんが野党を信頼できないのは正にここなんです。

例えば立憲民主党は「増税反対」と言いつつ「国はこれ以上お金を出すな」と言ってます。これはアクセルを踏みつつ、左足でブレーキを床まで踏み抜き、更にサイドブレーキを掛けようとしてる状態です。一歩離れて冷静に見れば「何やってんの?」と思うでしょう。本当にそうなんです。「何がしたいの?」という経済政策を立憲民主党はブチ上げてるわけです。

唯一「れいわ新選組」は反緊縮っぽい事を言ってますが中身を見ると破綻してる事がわかります。これについてはブログで書いてますので参照して頂きたい→ https://gamp.ameblo.jp/mollichane/entry-12484493619.html?_

残念ながら他の野党も五十歩百歩です。「増税やめろ。政府は景気対策の為に支出を惜しむな」と言ってる政党はありません。ここが日本の最大の悲劇と言えるでしょう。もりちゃんはずっと「景気回復を目指す政党なら野党でも支持する」と言ってますが日本にそんな政党は存在しないのです。

安倍政権は長期政権となり、主に若者から支持されてます。この理由は「この政権なら就職できる」という事に尽きます。経済政策で一番重要なのは雇用です。そして現在の日本の政党の中で曲がりなりにも雇用を重視してる政権は残念ながら安倍政権しかないのです。

選挙の出口調査や世論調査を見れば分かりますが野党はジリ貧です。理由は簡単で「野党に政権を任せたら日本経済はボロボロになる」という事を有権者が分かってるからです。
リフレ派を叩く人たちの中で一番ダメな代表が「デフレ派」と言われる人たちです。彼らは「デフレ」という単語の印象が悪いのは知ってるので自分ではこう呼びません。でも中身を見れば簡単にバレます。要するに「日本は借金で破綻する」とか「このまま金融緩和を続ければハイパーインフレになる」とか「国債が暴落する」とか「円が紙クズになる」と言った現実的ではない主張をする人たちです。実は安倍政権を否定する人の中にこの「デフレ派」が相当の割合で存在してる事を理解しておいてください。ここまで読んでくれた人は「日本が財政破綻する」というのがウソなのは理解できると思います。
では「ハイパーインフレ」とは何なのか。古典的な解釈では「物価が年率13000%上がった状態」を指します。これは「120円の缶ジュースが次の年に15600円になる」という事です。

いかにアホな話か誰でも分かるでしょう。そもそも日本はデフレ脱却が課題なので「物価を2%上げる」と言う目標に向かってるわけですが、現在の日本の物価上昇率はたった0.9%です。13000%なんて全然届いてないのです。現実的には物価が数十%レベルで上がると明確に経済が悪化します。でも繰り返しますが日本はたったの0.9%なんです。全然物足りないのです。だからリフレ派は「生ぬるい。もっとやれ」と言ってるわけでこれは客観的に見ても正しいと言わざるを得ません。

良い機会なので「経済政策について過去にどんなウソがあったのか」を挙げてみましょう。

【消費増税をすれば将来不安が無くなって日本の景気は良くなる】
完全にデマです。消費増税をすればまず短期的に景気が悪化し2~3年掛けて持ち直すというのが現実に起きてる事です。これは単に持ち直してるだけで景気が良くなったわけではありません。当然の事ながら増税してなければもっと良くなったわけです。

【アベノミクスで格差が広がった】
これも良くあるデマ。格差で一番の大きいのは「失業者と有職者の格差」です。つまり職を増やす事が一番の格差解消になるわけです。加えて「景気が良くなったら再分配をする」と言うのも非常に重要な政策になります。

【増税しないと社会保障が破綻する】
そもそも消費増税は逆進性が高いので「弱者からお金を取って弱者に返す」と言う時点で破綻してます。この理由から消費税を社会保障の財源にしてる国はありません。

【増税しても再分配や景気対策をすれば問題ない】
論外ですね。「最初から増税するな」で終わりです。

【軽減税率があるので今回の消費税の逆進性は弱い】
これは軽減税率の中身を見れば明らかです。例えば新聞は軽減税率が適用されてますが若者はほとんど読んでません。それどころか新聞自体が斜陽産業なのでこれには一分の理もないのです。他にも家や車を買う人に有利な税制になってますがこれはむしろ逆進性を強めてると言う事になります。

【金融緩和をしても物価は上がらない】
これは現状の数字を見れば「完全に間違ってる」と言えない所が逆に悪質です。この答えは簡単で「物価が上がってないのは金融緩和が足りないから」と言う事です。実際に日銀は金融緩和の量を減らしてます。これでは物価の上昇圧力が落ちるのは当然と言えるでしょう。

【日本は財政危機だから消費増税は必要】
これは二つの意味で間違ってます。景気が悪くなれば税収は下がるのです。そうなると政府は景気対策として予算を組む羽目になります。つまりドンドン財政が悪化するわけです。まずは景気を良くして税収を増やす。百歩譲って日本が財政危機だとしたら尚更増税はやってはいけないのです。繰り返しますが本当に財政再建を目指すならその方法は「弱インフレ」と「経済成長」の二つを同時にやるしかないのです。

【キャッシュレス化を進める為にポイント還元は有効】
これはポール・クルーグマンも言ってましたが「日本から現金を完全に無くすつもりだと言うなら分かるが現実はそうではない」と言う説明が的確でしょう。そもそも「増税をしないとキャッシュレス化できない」と言うのは何の根拠もなくデタラメと言うしか無いのです。

あと軽減税率について言っておくと本当の軽減税率とは「基本的に8%に据え置くが食品や日用品は5%にする」と言う物です。そもそもは減税制度なのです。だけど安倍政権は逆に「全部増税するけど日用品は減税する」と言う詭弁を使ったのです。これも二重の意味で悪質だと言えるでしょう。

雇用について。

最初に大事な事を言っておきます。【人手不足は良いこと】と言うのを理解して下さい。雇用環境から見ると仕事を選べると言うのが大事な事になって来ます。当たり前ですがその方が職業選択の幅が増えるし、もし会社を止めても次に移りやすくなるからです。逆にダメなのが人手が余ってる状況です。これはクビになるリスクも高いし、そもそも求人が少ないので職に就く事自体が難しくなります。簡単に言えば一つの仕事を複数の人が奪い合う状態です。こうなると企業側は「他に代わりはいくらても居る」と言う考え方になりそれはブラック企業化する可能性が高くなる事を意味します。実際に旧民主党政権は余りにも仕事が減った為に「ワークシェアリング」と言う政策を掲げました。これは「一つの仕事を皆で分けあおう」と言う話です。当然給料はその分減ります。全然解決になって無いのです。ここは何を差し置いても仕事を増やす政策が必要だったわけで、その為には金融緩和が一番効果的なんですが当時の白川日銀総裁は「様子を見る」の一点張りで金融緩和をしなかったのです。(注:実際は全くやらなかった訳ではありませんが少し専門的な話になるのでまたの機会に。簡単に言えば効果のないやり方をしてたと理解して下さい)

これを踏まえて「アベノミクスで雇用が改善した」というのは紛れもない事実。これを認めない人は「経済オンチ」と断言していい。アベノミクスではまず「失業率が改善し、就業者数が増え、雇用者報酬も増え、新卒の就職率は過去最高レベルになり、名目賃金も実質賃金も上昇した」というのがデータで明らかになってます。

もりちゃんがアベノミクスを評価するのはこの一点。とにかく雇用を改善させたらほぼ合格なんです。これに対する批判で「雇用が改善したのは人口減少のせい」とか「団塊世代の大量退職のせい」と言う人が居ますが、これは2秒で論破できます。「就業者数が増えてる」で終わりなんです。そもそも人口減少は1990年代から始まってるのにその後就職氷河期が2度もあったし団塊世代の失業分を若者が埋めたとしたら就業者数は変わらないはず。でもアベノミクス以降、就業者数は400万人も増えてるわけです。

小学生レベルの計算で分かるでしょう。これらの反論は破綻してます。雇用は間違いなく改善してるんです。

ちなみに野党の一部の議員は「民主党時代の方が実質賃金が高かった」と自慢してますがこれは単純に「デフレでした」と言ってるだけです。

あと「最低賃金を上げろ」と言う意見も良く聞きますがこれも間違いです。政策で経済状況を無視して最低賃金を上げるとその賃金を払えなくなった企業は新規採用を諦めるようになります。つまりこの負担は新規採用の可能性が高い若者に行くわけです。これは韓国が実践したので証明済みです。そもそも少しくらい賃金が安くても仕事があった方が良いに決まってます。その上で景気を良くして賃金を上げて行けば良いのです。

アベノミクスがちゃんと機能したのは初年度だけです。この年は金融緩和も財政出動もちゃんとやりました。「黒田バズーカ」と言われたアレがそうです。しかしその翌年から早くも財政をケチりだし、あろう事か消費税を8%に上げてしまったのです。それでも金融緩和が効いて雇用は改善して行きましたが景気の勢いは弱くなりました。アベノミクスの批判をするならここなんです。未だにアベノミクスを全否定する人が居ますがそう言う批判ではなく「本当にデフレ脱却する気があるのか」と言う方向で批判すべきだと思います。

このブログのタイトルは敢えて過激な感じで「リフレ派の逆襲」としました。日本は長期停滞に苦しみその原因が経済政策にあった事を考えたら「批判する」などと言う生易しい物ではダメだと思ったからです。個人的にデフレ派の議員や経済学者、そして財務省や日銀に対する怒りは非常に大きく「お前らのせいで日本は経済成長出来なかったじゃないか。どう責任を取るんだ」と言う思いは日増しに強くなってるのです。

長期停滞については経済学者の田中秀臣氏が鋭い指摘をしています。

「デフレが長期間に及ぶと国民はそれに適応してしまう」

どうですかこれ。こんなに悲しい話があるでしょうか。経済政策がダメなせいで不景気になってるのに、多くの人は不満を言う事もなく「これが当たり前なんだ」と思い込み何とか生きようとするわけです。これに対して一部の経済オンチの人は「就職出来ないのは自己責任だ」などと言いますが雇用統計を見ればこの世代がどれだけ職に対して苦しんだのかは一目瞭然です。海外ならばここまで長期間の不景気が続けば暴動が起きてもおかしくないのです。
しかし日本の若者は黙って非正規で働いた。働く事を諦めた人も数多くいた。将来を悲観して自殺する人も居た。

彼らはこう呼ばれています

【就職氷河期世代(ロストジェネレーション)】

社会に出た瞬間に非正規だった彼らはスキルや資格を取る間もなく低賃金に苦しみました。そして彼らの多くは40才を越えて正社員になれないまま今もこの日本で生きているのです。
これほど痛めつけられたら逆襲をしたくもなるでしょう。「いい加減にしてくれ」と。
就職氷河期世代の救済策は「公務員の大量受け入れ」が有効だと考えます。彼らは経済政策の被害者なので政府が責任を取る必要があると思います。

さて現代に於いて「賃金倍増計画」は可能でしょうか。答えから言えば可能です。これも田中秀臣氏の発言による物ですが「マジックナンバー69」と言うワードがあります。これは賃金が2倍になるための法則と言っても良いです。例えば実質経済成長率が毎年2%の場合
69÷2=34.5
になり約35年で給料が2倍になります。
これが成長率3%ならば同じ計算でたった23年で2倍になります。ちゃんと成長すれば俺達の給料は間違いなく上がるのです。経済成長はこれくらい重要な物なのです。もりちゃんが経済政策に興味を持った原因は正にココです。自分の生活に一番直結してるのが経済政策なんです。
ここ最近の日本は大きな天災に見舞われる事が多くなってます。ここにも対策が必要なのですがハッキリ言って全然出来てないと言うしかありません。天災に対する備えを防災インフラと言います。具体的には耐震免震の工事や、避難所やそれに関する設備の用意、そこに備蓄しておく食料や水や医療品などもあります。水害が増えてるので川の水深を深くする工事なども必要ですし場所によっては堤防も効果があります。やらなければいけない事は山積みです。これらは公共事業で行う必要があります。次の世代が安心して暮らすためには今やらないといけないのです。その為に必要になるのが公共事業の長期計画です。今回の補正予算は26兆円で真水は13兆円程度です。この金額で「出し過ぎだ」と批判する人も居ますが実際は逆で「全然足りない」と言えます。しかも補正予算と言うのは単発の予算で使いきったら終わりです。こんな短期間の予算では建築土木業界だって仕事を受ける決断が中々出来ないでしょう。ここは「本予算を使って政府は何年も掛けて公共事業を本格的にやります」と言う意思を表明すべきです。そうすれば建築土木業界も長期の見通しが立つので人や設備に投資出来る様になります。日本にとって治水事業は必須課題です。特に最近は豪雨や台風の災害が頻繁に起きていて、その度に被災地は壊滅的な被害を受けています。のんびり構えてる時間など無いのです。

ではこう言う要望に対して有権者は具体的に何が出来るのでしょう。地元の議員に陳情したり役所に相談に行くのも良いでしょう。SNSで発信するのも意味があると思います。でも1番簡単で効果的な方法があるのです。それが選挙です。ダメな経済政策を掲げてる議員には投票せず、少しでもマシな事を言ってる候補に投票する。これが一番重要な事だと思います。

世論調査では【国民の最大の関心事は経済】と言う答えが既に出てます。しかもこれはずっと続いてるのです。これに答えない議員は選挙で落とすべきなのです。ここは思想やイデオロギーを挟む事なく冷静な判断をお願いしたいものです。

皆さんに知って欲しいのは大きく二点。

・経済政策で生活は変わる

・経済政策を間違えたら人が死ぬ

と言う事です。

貴方がこのブログを読んだ事により少しでも経済政策に興味を持てたらもりちゃんは本望です。憲法改正も良いでしょう。外交も大事だし安全保障は国そのものに関わってくるので絶対に軽視出来ない。ここまでは分かってる人も多いと思いますが経済政策もこれらに匹敵するほど重要な事だと言う事を理解して下さい。そして景気が悪くなるような事を言う議員は与野党関係なく徹底的に批判しましょう。日本はまだまだ成長出来ます。いや20年も耐えたのだから成長しなくてはいけないのです。世界標準の当たり前の経済状況に戻さないといけないのです。貴方に出来る事として、まずはSNSの発信は大事だと思います。あとは選挙に行くのが最重要なのです。皆さんが声を上げてくれる事に期待しています。




【あとがき】

経済学は多岐に渡ります。本当に経済を学ぶには歴史や外交や安全保障やエネルギーなど多くの事を理解する必要があります。経済が大事なのは分かって頂けたと思いますが、経済学者と言っても十人十色で中には色んなデマや印象操作をする人もいます。特に警戒すべきは財務省寄りの発言をする人でしょう。じゃあ誰を信じたら良いのか。ここが重要になります。もりちゃんが信頼してる人の筆頭はこのブログのチェックして頂いた田中秀臣教授です。田中氏は一部のMMTerやデフレ派から誹謗中傷を受けてますが、もりちゃんに言わせればそれこそが「正しい事を言ってる」という反証になるわけです。田中氏はネット番組やラジオなどにも出演してますが、まずはツイッターでフォローする事を強くお勧めします。ツイッターではご自身のネット記事や活動について発信されてます。

あと、もりちゃんの事を「田中信者」という人が居ますがこれは間違ってます。もりちゃんはあくまで「田中推し」なのです。ウチに籠って妄信してるわけではなく「この人がタメになる事を言ってるよー」と拡散するスタイルなのです。





最後に。
今回、田中先生がブログをチェックしてくれた事に対しては感謝のあまりお礼の言葉もありません(ないのかよ)


ありがとうございました(あるのかよ)

田中秀臣氏のツイッターフォローしようぜ↓
https://twitter.com/hidetomitanaka

おわり。