Fool's Journey 愚者の旅  Day36 若きタロティストへ | ∴MOLIVAN∵のブログ

∴MOLIVAN∵のブログ

Success Fortune 筆頭占術士
フォーチュンアカデミー 専任講師



 タロットカードを占いの道具として用いる場合には、各カードの<意味>を読み取る事になる。弟子や生徒達には「カードの意味を暗記しようとせず、カードの理解に努めよ」と教えている。これは、絵画や彫刻を鑑賞するのに似ている。いや、似ているどころか全く同じ事である。そこに何が描かれているのか?作家の伝えようとしている真意は?時にそれは暗号化され、解読には鍵となる知識が必要になり、知るべき者をふるいに掛ける。幸運にも知るに至れた選ばれし者は、知り得た理解を喜びと共に深く記憶に刻み簡単には忘却の彼方へ置き去りにする事は無い。この学習システムが単純に羅列された<意味>を暗記するより、遥かに優れた効果をもたらせることに説明の必要は無いだろう。

 絵に埋め込まれた秘密あるいは教義を理解し読み取るシステムを一般に開示して見せたのが大ヒット映画「ダビンチコード」である。ダン・ブラウンの原作本は、40以上の言語に翻訳され世界中でベストセラーになった。あの映画を観た事で「絵には意味が秘められている場合がある」と気付いた人々が多く居るはず。パズルやミステリーの謎解き感覚で絵と向き合いたいなら、良い事を教えよう。良質な出自のタロットカードなら、一枚一枚その全てのカード(=絵)が深遠な<意味>を秘めているのだ。

 男は郷里の教会の中で横たわっている。傷付いた身体と心を癒しているのだろうか。しかし、良く見ると男の体からは生気が感じられないばかりか、そこはベッドでは無く棺の上だ。ウェイト博士自身は、著作Pictorial Key to the Tarotで「祈りの姿勢をした騎士の像が、墓の上に据えられている」と記している。だが、この手の表現には二重三重の意味が込められており、言葉の表面上の意味だけが全てでは無い。むしろ、それは一部に過ぎず偽装的な場合さえあり、ウェイトデッキの第一人者であるイーデン・グレイ女史をはじめ、多くの研究者が死を表すカードでは無いと断言する。ならば、一体この不思議なカードを如何に理解すれば良いのだろうか?先ずは、論理的にカードを分析するところから始める。窓には美しいステンドガラスがはめ込まれている。そこに描かれている様子は、慈悲と優しさに溢れ穏やかで楽しそうでもある。壁は無装飾のグレー一色で無機質であり、静けさを感じさせる。横たわる男の体は、棺と同じ色で染められているが遺体なら、棺の上では無く中に収められているはずである。彫像であるとすれば、パリのルーブル美術館や「ダビンチコード」にも登場するロンドンのテンプル騎士団イングランド本部として建てられた現在のテンプル教会などで極めて類似した遺跡を見る事が出来る。だが、祈る様な手の形も胸の上で組んでいるわけでは無く、真っすぐ天上界に向けられた形になっている点は異質。四本の剣の一本だけは、棺と思しき部分にレリーフの様に描かれ身体の下に沈み込んでいる。残りの三本は、ダモクレスの剣の如く男の頭や体の上に在り、危険を暗示している。これは、決定的な要因である。男が生存しているからこその危険なのだから。

 事実を重ね合わせて行く事で理解への道が見えて来る。その上での想像力と正しい推察が最終的に目指す処へと導いてくれる。いったんそこに到達すれば、全ての謎は解け答えは揺るぎなく明確に存在している。ここに軽々に答えを書き連ねて、これから探求し学ぶ者の旅を台無しにするつもりは毛頭無い。ただ、旅のガイドとなって手助けになれればと心底願うものである。