天文学は、他の自然科学の分野に比べ早い段階から発達した学問であり、4千年前の古代エジプト文明の中にも明確な痕跡が確認されている。もっとも、この時代に於いては天文学というより占星術の趣が強いものだったと思われる。現代の天文学が占星術から、分離独立した発展を遂げて行く事になる契機は、望遠鏡の発明に他ならない。肉眼より遥かに精密な天体観測が可能になったのである。ガリレオやコペルニクスによって、人類は地面が動いている事を知るに至ったのだ。近代になってからは、電波望遠鏡が誕生し宇宙技術の進展に伴い、人工衛星として宇宙空間に設置する宇宙望遠鏡へと発展を遂げて行くのである。更に、ニュートリノ望遠鏡、重力波望遠鏡等も生まれ、益々天文分野の研究が進んでいる。
古代においての占星術は、カレンダーと地図の役割を担い、自然界の森羅万象の吉凶を予測する手段でもあった。加えて、星達は人に壮大な想像力とロマンティズムを喚起させてきた。夜空に点在する星の光を線でつないで英雄や動物、日用品などに見立てたのだから、その想像力の豊かさには感服する。ばかりか星の配置によって人は、その人生に於いて抗い難い根源的な影響を受け、人格形成上の決定的要因になると見なしたのである。乱暴で大雑把なくくり方をするならば、それは其々の星が未だ感知・観測されていない何らか個別のエネルギー或いは波長を放射し、そのバランスと作用が人に及んでいるから全ての人が一様では無く個性が生じる。という概念から成り立っている。今のところ天体と人の因果関係は、科学的には全く検証されていない。しかし、占星術には不可思議な信憑性と統計・経験則上の実績がある。これらを偶然と詭弁の産物と片付けてしまうには、かえって無理があるように思える。
画像は、現代の地上の星と言うべきLEDの壮大なイルミネーションの中で古典的な<ⅩⅦ 星>のタロットカードを撮影したものである。当分の間、人類は占星術と天文学を別の見識として扱い続けて行くのだろうが、もしかすると将来、天文分野の発見と研究が進み、星が人に影響を及ぼすメカニズムの存在が明らかになる日が来るかも知れない。その時には、改めて天文学と占星術がフュージョンする事になるのだろうか。それこそ実にロマンティックな話ではないか。
