Fool's Journey 愚者の旅  Day21 レコード盤の処分 | ∴MOLIVAN∵のブログ

∴MOLIVAN∵のブログ

Success Fortune 筆頭占術士
フォーチュンアカデミー 専任講師

 かつて一大決心を下して大量のレコード盤を処分した事がある。いささか大袈裟な話に思われるかも知れないが初めて手に入れた愛車を手放した時より、生まれ育った実家が解体されて行く様子を見ていた時より、心の何処かが削り取られて行くような大きな喪失感をヒシヒシと感じながら作業した覚えがある。実質的には、殆どのレコードコレクションをCDで買い直した事で利便性は向上し占有空間も減り、得るものはあっても何も失われてはいない。実質的には。

 けれど何だかレコード盤との間にあった親近感や特別な宝物を所有する喜びはCDとの関係には生まれなかった。そうこうする間にパソコンの性能が向上し、所有するCDを片っ端からハードディスクに取り込んで行く事になる。気付けば、CDのケースを開けたのは、その時1回だけでもっぱらPC内のデータを聞いているなんてことになっていた。ならば、もう<CDディスク>自体に意味も価値も無いなと薄々は当時から思ってはいたものの、ダウンロードでデータだけを買うのは気乗りがしなかった。未練や矛盾や合理性が気持ちの中でカオス状態を形成して、時代の流れに環境適応しきれていない。「ガラパゴス島のコモドオオトカゲで結構だ。適応したいと思っちゃいない!」と負け惜しみも言っておく。

 だがどうだ、昨今の音楽配信サービスは月に1枚のCDを買うよりも安価でクラウド上の楽曲が好きなだけ聞ける。これなら自分でCDを買って取り込む手間も無く、保管スペースもゼロ。しかも経済的。まだ、多少は心がチクチクしなくもないのだが今回は、遅れ馳せながら運命の輪に身を委ね時代の流れに乗って行こうと思っている。