Fool's Journey 愚者の旅  Day11 | ∴MOLIVAN∵のブログ

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Success Fortune 筆頭占術士
フォーチュンアカデミー 専任講師

 ワンドの9というカードである。一般的には、「次の戦いに備えて残った領地を守る様子」と解説されている。先の戦いで大きなダメージを負ったのだろう頭には包帯を巻き、もたれ掛かるように1本のワンドでどうにか身体を支えている。まあ、なんとも痛ましい姿である。ただ、解説にもあるように男は決して諦めてはいない。むしろ、起死回生の意気込みを秘め、心は少しも折れていない。その事は、男の鋭い眼光と斜め上を見据えた視線で表されている。戦局は確かに追い込まれて不利な状況なのであろう。正面からぶつかれば敗戦が濃厚だ。そこで、何らかの奇策や戦術を以って敵の裏をかこうと企んでいるのか、あるいは今まで以上のありったけの努力と戦意を投じて勝機を見出そうと準備をしているのだろう。

 タロットカードは、比喩と間接表現の産物である。言うまでも無く、このカードが実際の戦場に立つ兵士の心境と状態だけを意味している訳では無い。現代の平和な日本においてもワンドの9的な状況は、いくらでもある。仕事をしていてもスポーツやゲームに興じていても簡単に負けを受け入れる事は出来ない。そこは一番、噴気して苦境を乗り越えてこそ達成感や勝利の喜びを得る事が出来るのだ。なにも大袈裟な話だけでは無い。「明日に備えて早めに眠ろう」などといった、ごくありふれた日常の風景の中にも存在する。

 私事ながらワンドの9は好きなカードの一枚でもある。「此奴、頑張っているんだな」「コッチも負けていられんぞ」と思わされて、なけなしの活力が沸いてくる。きっと、心の何処かで共感を覚えているのだろう。更に加えて、このカードの暗示するところに「独自性」「個性」「チャームポイント」と言った意味を加えておく。一見は歪に見えても中身が苦いとは限らない。他と同じでは無い事に存在の意義の一つが生まれる。そこに在るのはユニークな個性であり、唯一無二の価値。『自分の可能性を活かそうとする』精神性や在り方こそがワンドの9真の姿なのである。

*カードと一緒に写って居る不思議な形の野菜は我が家のベランダで育てたコールラビという野菜。