タロットカードの構図中で時折出現する人物の表情さえ見えない「後姿」に込められた意味とは?
この謎に端的に答えるとすれば、『背中には目が付いていない』である。冗句で茶化している訳では無く、至って真面目な話なのだ。とは言え些か不親切な言いようであろうから多少の解説をしておこう。多くのカードに描かれる正面や横を向いた人物が必ずしも辺りを見回したり、振り返ったりしては居ないのだが後姿で人物を描く事で誇張している表現の意味は、「後ろを見ずに前だけを見ている」つまり「過去に頓着せず、これから先の事に意識を向けている」なのである。この件に限らずタロットカードに於ける表現には多面性が在り、一概に吉兆を現してはいない。依って後ろ姿で描かれる事が即ち凶事でも無ければ、必ずしも事態の暗転を予言してはいない。がしかし、その場合も在る。カードリーディング上は、そこが難しいところでもありまた面白く深淵なタロットカードの魅力でもある。
一例を挙げれば「一心不乱に一つの事に高い集中力や根気を以って取り組む事」と「周囲に配慮や関心を十分に注がず利己的になる」は表裏一体であるばかりか同義語の様に取り扱われることになる。
画像の人物は、地域経済に大きな影響力のある領主か網元の倅(せがれ)と言われている。生まれ落ちた時から来るべき世代交代の時を想定し、次のリーダーになるべく大きな期待を受けて育てられて来たのであろう。なに不自由の無い環境の中で教育を受け、本人の志も高く先代の偉業を受け継ぎ更なる発展を目指している。幼少の頃から、その事だけを目指し心に強く誓い成長し、いよいよその日を迎える事になり、このワンドの3のカードに描かれる青年の「後姿」を見ているのは彼の父親なのである。
2022年に20歳に達した若者の人数は120万人ということであり、年々その数は減少している。これは、この国が抱える深刻な課題の一つであるが将来この中から国民栄誉賞やノーベル賞を受ける者が居るかも知れない。それどころか日本の、いや世界のリーダーになる人物が現れる可能性だってあるのだ。かつて、不甲斐無い若者であった自分に猛省と自戒の思いを持ちつつも彼らには大きな期待を寄せる自分がいる。若者達よ頑張れ!そして君達の夢を叶えてくれ。大人達と社会は、君たちの活躍を後ろから暖かく見守っているのだから。
