∴MOLIVAN∵のブログ

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Success Fortune 筆頭占術士
フォーチュンアカデミー 専任講師

 昨今の巷をにぎわすAIチャットの一般公開より数年前からAIが前衛的な絵画を描き続けているサイトが稼働している。
そこにあるのは、抽象画や現代アートの様なムードを漲らせた刺激的で力強いグラフィック群である。少なくとも一見は、血の通わない無感情な機械が描いたとは到底思えない。悪い冗談かと思うほど絵画作品として成立しているように見える。映画ターミネーターを初めて見た時に感じた恐怖と同種の嫌悪感を覚える。だが所詮は造り物なのだが、どうやらこのサイトはSF映画でもドッキリ番組でも無ければ、ジョークのオチも無いようだ。正真正銘コンピューターが自動的に1枚1枚を描き上げているらしい。事実、このシステムのプログラムは公開されており、技術的な詳細も開発者によって説明されている。よって、納得せざるを得ない。
 しかし、気味が悪い。笑えるトリックのジョークであって欲しかった。出来の良いオチャメなロボットかと思いきや実は着ぐるみで中から女芸人が出てきたり、良く仕込まれた象が大きな体の向こう側に居る人間の指示で長い鼻先に持った筆で器用に絵を描いて見せる方が安心して楽しめる。だがこれは本物なのだ。それも、国家機密や先端企業の仕業でもなく、ほぼ個人の手によって成立しているようだ。いくら御本人がウェブ系の開発や機械学習システムの専門家とはいえ、凄い時代になったものだ。個人的には、自動運転によって走る車より刺激的だ。

 サイトに掲載されて行く作品(?)を見て行くと、いくつかのパターンや傾向が浮かび上がってくるような気がする。システムを構築したValentin Vieriu氏によれば、「WikiArtから1000枚の絵画を自分(手動)で選んでAIに学習(食わせた)させてアルゴリズムを訓練させた」そうであるから、パターンや傾向があるのは当然の事である。その点では、人間が持つ創造力や想像力は発揮されていない。それも、当たり前である。人間では無いのだから。少し安堵する。

 タロットカードのリーディングは、イコノグラフィ=図像学の上に成り立っている。その手法に手慣れたタロティストの目線でAIが描いた絵画を見渡すと、どの画像からも全く何も見えて来ない。不気味な程に無味無臭であり何一つのメッセージも読み取れない。恐ろしい静寂が無機質で無意味に存在している。一瞬の安堵は、底の見えない混沌とした無に飲み込まれて消え、不気味さは恐怖に浸食されて行く。

 いや、待て。早まるな。それで良いのだ。もし、AIが描く絵画に「意味」が込められていたら、その方が更に更に怖いではないか。あと一歩で真っ赤な溶鉱炉の中に落ちるところを間一髪で踏みとどまった。代わりに落ちたターミネーターが機械の顔で告げる「I will be back」。ぜひ、急がないで頂きたい。ゆっくりでいい。と小生は思う。

*https://art42.net

・・・前回より続く。 

 近未来的な印象を醸し出すMRIの中へ、検査台ごと身体が吸い込まれるようにして入って行く。
検査台の上にベルトで身体を固定されているから身動き一つできない。検査台が動きだす直前に、「検査機の中は大きな音がするから・・」と密閉型の大きなフェッドフォンを被せられた。
MRI検査機が大きな音を出すというのは、何かのドラマか映画のシーンだかで聞いたことがある。

 しかし、予想していた音とは違った。想像していたのは、低周波数の持続音が時々音圧を変えながら響いて来る感じ。「ブォーン ブォーン・・ ブォーーン」みたいなSFチックなイメージだったが、実際は遥かに大きなヴォリュームで「グワン グロン グワン」って大規模な工場の中にでもいるような音。どういう構造や原理で発せられるのか想像し難いが野蛮で攻撃的な印象。なるほど、これじゃあ怖いと思う人が居るのも納得出来る。だから密閉型のヘッドフォンで歯科医のロビーの様なBGMなのね。気持ちを少しでも和らげて緊張を解こうという意図なのだろう。ああ・・そうか!だから、歯科医のロビーは大概どこでもアノ手の音楽なんだ。誰でも痛いの嫌だから、歯の治療は嫌いだし緊張するもんね。
 今更ながら、色々と合点が行く・・でも、あれ?何だか聞いたことがあるメロディ。歯医者の定番ケニーGチックだけど・・・違いそうだな。ん・・思い出せそうで思い出せない。こういうの気持ちが悪い。ああ、歌詞が思い出せそうだ・・良い所まで浮かび上がりかけて「グロン ガオン」って騒音でかき消される。ああーもう少しだったのに曲が終わってしまった。絶対、さっきの曲は知ってる曲だ。女性が歌っていた気がする・・・・えーーっと・・・「ガオン  グロン」。

 次の曲も同じように原曲を知っている。だって、明らかにメロディに聞き覚えがある。でも曲名もアーティスト名も頭の中から出てこない。騒音に邪魔されつつ数曲に渡って同じような、脳みそがむず痒くなりそうな葛藤を繰り返しているうちに検査が終わり、身体が元の位置に出て行く。ヘッドフォンが取られ、ベルトが外され起き上がり、スリッパを履いて検査室を出る所で突然思い出す。あ、さっきのメロディのところの歌詞は「今年、最後の雪の華が~♪」だ。つまり、中島美嘉の「雪の華」をケニーG風のインストルメンタルのアレンジに仕上げているんだ。で、次の曲の方はAIの「Story」だ。そうかそうか、ああスッキリした。
 でも、さっきまでは、あんなに思い出そうとしたのにダメだった。閉所恐怖症でも無ければ、大きな音に免疫がない訳でもないのに緊張していたのか?検査結果が気掛かりだったか?そのせいだとしたら、なんだ情けないな自分。そんなに肝の小さな男だとは思っていないのだがなあ。
 
 翌週。検査結果の診断を聞きに行きました。先週も申し上げましたがコレ肩こりの話ですからね。悪い病気や深刻な話じゃないのです。専門医の下した診断は、肩腱板損傷。完全に断裂してしまうと肩が動かせないそうですから手術する事になるそうです。いや、そりゃあそうでしょうよ。筋肉や腱板が切れちゃったら動かないよねえ。糸の切れたマリオネットみたいなもんすねぇ。でも私、格闘家でもスポーツマンでもありゃしません。手術が必要になるほど身体を酷使しちゃいない。だけど、もしも、もしも肩の筋肉や腱板に大きな負担をかけた事があるとすれば、一つだけ思い当たることがあるんです。でも、まさかそんなことでMRI検査までする事になるとは信じ難いのです。恥ずかしながら、その一つだけと言うのを白状するなら・・・
 
 お釈迦様の涅槃像のような姿勢で寝てしまい肩だの肘だのが痺れて目を覚ましたことが何度か。これですかねぇ。もし、そうならコッチも随分情けない話であります。運動不足で筋力が低下している上に寝相が悪いってぇことにあいなります。それで肩がオシャカになっちゃ洒落にもならない。
おあとがよろしいようで。。。


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 生まれて初めてのMRI検査を受けて来た。医療ドラマなどで見かける、白くて無機質なドーナツ状の大きな検査機器の中に横になったまま入って行くアレである。先に言っておこう。これは脳腫瘍とか癌とか深刻な病気の検査では無い。肩こりの話なのである。

何年か前の四十肩の時は、友人の医師の助言でラジオ体操で無事に治った。しかし今回は、どうも様子が違う。痛い。上着を脱ぐ時に背中側に回った手を袖から引き抜こうとすると「ビリリッ」と痛みが走る。自分の正面にある物を持ち上げても何ともないのだが、身体の横にある楽器を持とうとすると「ビリリッ」。危うく床に落としそうになる。自家用車を持たず、高級な腕時計とかに興味の無い自分にとっては、恐らく所有している物の中で最も高価な製品は楽器だろう。ちょいと肩の塩梅が悪いからと、そんなに容易く落下させて破損させるわけには行かない。要は横着な事をせず、ちゃんと横を向いて身体の正面で持てば良い。それで良い。いや、良くない。楽器を落としそうにならなくなっても肩の痛みは一向に改善していない。

 整形外科でレントゲンを撮ってみた。何の異常も見て取れはしない。診察室を出ようと、担当医に挨拶しながら横の扉に手をかけて開けよとすると「ビリリッ」。痛い。横はダメなのだ。横は。鎮痛剤を服用しながらでも無理のない程度に動かせとの指示。2週間ほど経過して、ほんの少し良くなったような気がするが、相変わらず横は危険。肩こりだとばかり考えていたがこの痛みは、確かにかつて経験した事の無い類の痛み。捻挫や筋肉痛とは明らかに違う。ここへ来て担当医の見解は、インナーマッスルの損傷・断裂。スポーツ選手には良くある事だとのたまわれるがその線はない。スポーツには無縁であり、ルールさえ良く知らん。

 かくしてMRI検査という運びになったのだ。件の担当医師は、スポーツ選手達はオフシーズン中にオペをして辛く長いリハビリを乗り越える。何ぞと簡単に言ってくれる。手術?リハビリ?何の話だ?数日前までは肩こり・五十肩の認識だゾ。

 検査着に着替え、狭いベンチぐらいのベッドに横たわる。シートベルトの様な物で体を固定される。ああ、これで逃げられない。何かあったらコレを握って技師を呼べとレモン大の物を渡された。それは、血圧を測る時に空気を送るゴムのポンプと同じような物。つまり、装置の中で微弱であれ電気を使わぬナースコールなのだろう。ヘッドフォンを付けられる。あ、ベンチが動きだした。身体が狭い装置の中に送り込まれて行く。ヘッドフォンからは歯医者のロビーで流れている様な音楽が聞こえて来る。。。



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