私の大切な守り神

“メリッサ”

彼女が昼間、どうやって行動しているか…

私は、彼女の日記を、夜中にこっそり覗いてみた…



昭和60年8月7日…

今日もメリッサは元気ですドキドキ

お天気も良いし、今日は、お散歩にでも行こうかな??

ハートマークで飾られた、彼女の日記

それは、彼女の、まだ少女らしさを際立たさせる

私は、彼女の日記を

また一枚

また一枚と、捲っていった

捲る度に解る、彼女の目線


色んな景色

色んな生き物

そして、色んな人との触れ合い



それは、夜中で真っ暗な部屋が、急に明るくなるような…そんな内容だった



その内容は…




















「おにぎり貰ったの??」

「そう、おじぎり貰った!!」

メリッサの友達、蒼流(ある)

一緒の家に住んでおり、身長も同じ位の、白髪の女の子

常に前髪の一本が跳ねているのが特徴の彼女が、ワンピースのスカートにおにぎりを乗せ、メリッサの所にやって来た



「六つ貰ったから、一人三つね。」

「うん。」

蒼流は、ワンピースのスカートを降ろし、アルミホイルに包まれたおにぎりを、畳の上に落とした

「あ、おやつも持って行こうか。」

「河原の芝生まで、お散歩するですか??」

「そうしようか。」

「うん!!」

メリッサはウサギのリュック

蒼流はネコのリュックに、おにぎりと、ちょっとのおやつを入れた

「行って来ます。」

「気を付けて行くのよ!!」

二人の保護者的存在である、楓

ちょっと強気な、面倒見の良い女の子

二人のおにぎりを作ったのも彼女だ

エプロンをしたまま、二人の元にかけより、小さな水筒を渡した

「喉乾きの蒼流は、忘れちゃ駄目でしょ??」

「ありがちょ!!」

「楓、ありがとう。」

「ん、気を付けて行ってらっしゃい。」

「行って来ます。」

玄関で手を振る楓

二人は、少し歩いた所にある河原を目指した

「あ、ちょうちょ!!」

蒼流は、一生懸命モンシロチョウを捕まえようとする

「む~、採れないのですよ。」

「また今度、ね??」

「そうするですよ、メリッサ。」

二人は手を繋ぎ、河原を目指した

「着いたですよ。」

「あ、タンポポ。」

メリッサが、足元のタンポポを摘み、蒼流の髪の毛に挿した

「可愛い。」

「お~。」

微笑む二人の横で、仔猫が歩いて来た

「あ、でこちゃんなのです。」

蒼流は簡単に仔猫を抱き上げ、頬擦りをする

「ご飯食べるですよ。」

「あ!!マット、マット。」

ウサギのマットを広げ、リュックの中からおにぎりを出した

「おかかなら食べるかな??」

おかかのおにぎりを出し、猫の前に置いた

「あ、食べたですよ。」

猫が食べたのを見ながら、二人もおにぎりを食べ始めた

梅とおかかとツナの小さなおにぎりを、それぞれ口に入れ、オヤツを食べ始めた

「蒼流は何を持って来たの??」

「桃と、キャンデー!!メリッサは??」

「ドーナツとイチゴ。」

二人共、桃とイチゴはタッパーに入れてあった

フタを開けて、先に果物を食べ始めた

「でこちゃんもどうぞ。」

切ってあった桃を一つ、猫の前に置き、二人はネコが食べるかどうか見ていた

すると、猫は桃を口にした

「猫さんは、何て名前ですか??」

「ニャ~!!」

「ニャ~って言うんですか。」

猫の頭を撫でる蒼流

「メリッサも触るですか??」

「イチゴ、食べるかな??」

恐る恐る、猫の前にイチゴを出した

猫は両前足でそれを掴み、食べ始めた

「食べた食べた。」

「果物が好きなんですね。」

しばらくオヤツを堪能した二人と一匹

「蒼流、川行こうか。」

「行く!!」

ゴミとタッパーとマットとを片付け、リュックに入れて、川の近くにリュックを置いて、靴を脱いで川に入った

「冷た~い!!」

「気持ち良いのです!!」

川岸で踊る、白と黒の少女

白が蒼流

黒がメリッサ

真夏の水辺に、二人は艶やかに踊る

そしてそこには、あの仔猫もいた



「あ、カエルさん鳴いてるのです。」

「そろそろ帰ろう。」

「うん。」

すっかり汗もかき、足もべチョベチョ

カラスとカエルが鳴いた頃、二人は家路に着いた

「たらいま!!」

「ただいま。」

「お帰り~。うわ、二人共汗びっしょり!!剛太がお風呂入ってるから、順番に入りなさい。」

「は~い。」

蒼流は部屋に戻ったが、メリッサは何故か風呂場に行った

「剛太、私もお風呂入る。」

「おいで!!」

風呂場のドアが開き、メリッサが私の前に座った

「め~閉じて。」

「ん。」

彼女が目を閉じると、私は頭からお湯をかけた

彼女の金髪のくるくるカールが、ロングヘアーになって行く

少し甘ったるい女の子独特の匂いが、私の鼻と脳をくすぐる

「くしゅくしゅしてご覧。」

「くしゅくしゅ~。」

小さな手で、金色の髪の毛を洗い、次にタオルで体を洗い、私と一緒に湯船に浸かる

「今日はお散歩行って来たのか??」

「うん、楽しかった!!」

「今度、蒼流も連れて、虫取でも行こうか。」

「行く!!カブトムシ取れるかなぁ??」

「どうだろうなぁ??」

お風呂から出て、彼女はレースのパジャマに着替えた

髪の毛は、まだロングだ

そして、いつの間に縁側でお昼寝をしていた



そして、楓が晩御飯を作っている間に夜になり、私は彼女の書いた日記を見た



















いつ書いたのだろうか??

それが不思議でしょうがない
久し振りに女装に走った淏



興味本意で見た

“プラナス・ガール”

って本、面白かったドキドキ

絆可愛いドキドキ

あんな奴が居ても、良いのかな…??って思ってしまう。

ってか、絆羨ましい渹(笑)
朝はよから、ね~ね~からの呼び出し

ね:「メイド喫茶ピンチ。こ~ちゃんよこして!!」

こ:「お、おぅ…」

んで、まさかの大阪にレッツラゴー渹湜





着きましたよ、大阪

こ:「とれとれピチピチカニ料理~」





メガネとウサギリュックのステンマークII

通り来るおじさん

おじさん:「君君!!遊んで行きませんか??」

こ:「あ、いや、ボク男の子だし…ごめんなさい!!」

まさかのナンパ!!

こんなの初めて渹

けど、悪い気持ちじゃないよぉ…

けど、何で身長高いボクを選んだんだろう…??

あ!!ウサギリュックの効力かなぁ!!

ま、そんな事もありつつ、ね~ね~のお店、喫茶店“アリア”に到着

ね:「こ~ちゃん!!こっちこっち!!」

こ:「お、おぅ!!」

言われるがまま、ホールの中へ…

ね:「こ~ちゃん、就職したから、今日で最後だから、はい。」

こ:「…」

手渡されたメイド服リボン

こ:「お帰りなさいませ、ご主人様♪♪♪」

おじさん:「クリームソーダ一つと、ミルクレープ一つ。」

こ:「かしこまりました~。」



さっきのおじさんだ…

ボクはどうしたら良いのさ…!!



こ:「お待たせしました~、クリームソーダと、ミルクレープです♪♪♪」

おじさん:「君も座りなさい。」

こ:「ボク、お仕事なんで…」

おじさん:「ま~ま~。」



手を引かれ、強引に向かい席へ…

こ:「おじさん、趣味悪くないですか??」

おじさん:「どうして??」

こ:「なんでボクなんですか??」

おじさん:「裏表なさそうだし、今時珍しい“女の子”だから、かな??」

こ:「女の子…」

あれ…??

悪くないよ、この気持ち…

おじさん:「私の娘も、今頃は君見たいに…なってたのかな」

こ:「おじさんの娘さん、何してるんですか??」

おじさん:「ちょっと前にね、病気で亡くなったんだよ。」



慌ただしく時が回る店内だが…

この時、騒がしい店内の音と、流れる時間が止まっているように思えた



こ:「おじさん、大変だったんだ…」

何故か、涙がポロポロ零れた



初めて女の子のキモチが分かった様な気がする…

こ:「おじさん、ごめん。ボク、おじさんに冷たい事しちゃって…」

おじさん:「いいさ。こうやってお話してくれたから。」

ね:「こ~ちゃん、一曲お願い!!」

こ:「かしこまりましたぁ~!!お嬢様!!」



台に上がって、マイクを取り、“プリコグ”を歌った。

こ:やばっ!!ちょっと、ホントに!?



歌ってる途中に、涙が溢れる

さっきの出来事と、歌の歌詞がマッチしてて…

皆:「苺乙女!!ガンバ!!」

こ:「ありがとう、皆!!」
ここで話を潰す様ですが、店内でのボクの名前は“苺乙女”(いちごおとめ)です。



こ:「トゥルタラッ、タ!!」

皆の歓声を受け、おじさんの方を見た

こ:「あれ??」

おじさんがいない…

次のメイドが来るので、台をおりて、おじさんを探す


こ:「ね~ね~、ここにいたおじさんは??」

ね:「え??知らないよ??」

机の上には、品物は無く、伝票も白紙のままだった

こ:「夢…??」

でも、確かな事が

机の上には、二枚の紙が置いてあった

“君は男の子だろう??

娘にそっくりな“男の娘”だな

君みたいな娘が、元気に社会を支える事を願うよ”



もう一枚は名刺だった

外国の、中小企業の社長さんだった



しばらくボクは、メイド服のまま、呆然と立ち尽くした。





おじさん、今何処にいるのかなぁ…

もう、ブラジルなのかなぁ…













こんな、ありそうでなさそうな、今日のバイトの実話でした淏