k11 3日目の午前中に彼女が病院に行き診断書を書いて貰う為、昼過ぎに待ち合わせた。今回彼が渡航している間ずっと、病欠にする為である。彼女が昼過ぎに事務所に来てから近くのレストランで食事をし、それからボーリングを楽しんでから事務所に戻り、夕方まで話をし、明日の復活祭の料理を彼女も手伝うそうでこの日は早めに彼女は帰宅した。

 ここまでの二人を見ていて感じは悪くない。明日はいよいよ彼女の両親と面会するのだが、今回は私としてはどちらかと言うと彼の方が断らないかと心配していたので、彼に確認をしたのだが、当初の予定通り彼女を日本に呼ぶつもりですと言って来た。なので彼女が日本に行く事に対して両親の了解を得る事が明日の第一目標となった。

k12 そして復活祭当日。昼過ぎに彼女の実家をお邪魔すると、彼女の両親と兄夫婦が我々を手厚く出迎えてくれた。乗り切れないほどの料理が並ぶ食卓に案内され、まずは出会いと復活祭を祝して皆で乾杯をした。彼はお母さんとはSkypeで既に面識はあるもののお父さんと会うのは今回が初めてである。

k13 私は彼女の仕事ぶりを見た上で、彼女の両親は共に医者で赤ん坊の時に手術をしたと聞いて、多分彼女はとても大事に育てられた箱入り娘だと思っていたのであるが、家族を見てそれは間違いでは無かったのが分った。仕事でも甘さが要所に見られたが、両親が彼女の我が儘を全て聞いてあげていたからであろう。この辺は結婚する上でしっかり把握しておかないと行けない部分なので彼にも話をしてあったが、彼はそれ程気にしていなく、逆にガツガツしていない分だけ良いと好意的に受け止めていた。

 k14 会食が一段落した所で彼が日本から持参して来たお土産を彼女の家族達に手渡し、お母さんとお兄さんの嫁さんに着付けを始めたのだが、二人とも喜んでいたので相当気に入ったようだ。お父さんはお父さんで甚平を着ながら、昔イスラエルの友人から柔道着のような物をプレゼントされたのを引き合いに出し、本場日本の着物を着れる日が来るとは思わなかったと感激を顕わにしている。

 そんなお父さんに誘われるまま私と彼は車庫に案内された。車庫の地下がワイン貯蔵庫になっており、自家製ワインを勧められたのである。普段ワインは殆ど飲まない私であるが、もちろんここで断るわけには行かず彼と一緒に2杯ずつご馳走になって貯蔵庫を後にしたのであるが、その間愚痴のように何度もここを次に来るまでに改装して置くので楽しみにしていて欲しいと繰り返していた。

 多分奥さんに頭が上がらないのであろう。家内に気を使わず男同士で飲めるようにここに台所も作ると気張っていたからである。これで彼女の家庭の上下関係がはっきりしたが、彼女→母親→父親→兄と言った構図である。なので父親が彼を大歓迎していた訳である。もう一人男が加われば多少男女の勢力図に変化が起こると期待してるに違いない。そう考えた時に今回父親が反対する事はまず無いだろうと確信したのであった。

k15 こんな感じで非常に順調な初対面だったのだが、帰る前にいよいよ彼女の日本への渡航に関して話題を振ったのである。日本に彼女が渡航する事に関しては両親ともに大賛成と言ったので、彼は次に2,3ヶ月彼女が仕事を休んで来る事は出来ないかと尋ねたのであるが、その時一瞬だけ部屋の空気が変わったのを感じたのである。

 そして直ぐに母親からそれは出来ないと返事が返って来たのだった。今の彼女の職場はお母さんの病院の経理部で、就職するのに母親がコネを使って無理やり入れて貰ったそうだ。従って長期休暇は取れないと言う。なので日本に渡航するとしても1ヶ月以内が限度だという。

 私はそこですかさず、どちらにせよ将来結婚したら彼女は今の職場を辞めなければ行けなくなりますよ。と両親に話をしたのだが、お母さんの立場が悪くなるので最低1年間は辞められないと言う。まあ良く受け止めれば1年すれば辞められると言うふうに考えてとりあえず彼は両親の要望を飲んだ形で渡航の話に終止符を打った。

k16 帰り際モルドバ流のお見送りで門の所で再度ワインを持て成してくれたので、私と彼はグラスを飲み干し彼女の家を後にした。彼女の家族は常時非常に好意的に迎えてくれたので彼が一安心したように、私も上手く行ったとは思ってはいるものの、最後に一瞬空気が変わった事が気に掛かって何かすぐれない気分だったのも本音ではある。

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 なんとか無事に宿泊先である私の事務所に入る事が出来たK氏は、やっと彼女に日本からのお土産を手渡す事に成功した。この時実はうちの家内と娘に浴衣とマリオには甚平まで頂戴したのだが、最近の女性会員のプロフィール欄の写真で時折見かける浴衣がそれである。

k3 もちろん彼女もその場でプレゼントされた浴衣を着始めたのだが、肝心の帯の結び方を忘れてしまったK氏。慌てえネットで動画検索をして最終的には彼女の帯を結ぶ事に成功したが、これを後3名に着せてあげるとなると結構大変そうである。なので今後皆さんも浴衣をプレゼントする際は最初から蝶々結びになっている簡易タイプの帯を持参する事をお勧めする。

 k4 プレゼントの披露が終わり、彼女に何処か行きたいところが無いか尋ねた所、事務所から徒歩で3分の所にある中央公園を散歩したいと言うので皆で公園を散歩する事に。丁度復活祭の前で公園が綺麗に飾り付けされていると聞いたので是非彼に見せてあげたいと言う彼女の思惑は外れ、質素なウサギと卵の形のモニュメントだけだったので、散歩している若者の姿はまばらであった。しかし広場に居た若い女性達がウサギの前でしっかり記念撮影をしていたように、こんなシンプルなモニュメントで喜ぶのがここの国民の可愛らしさなのかも知れない。

k6  この日はこの後彼女を家まで送り届け事務所に戻ったのだが、次の日午前中に買出しを済ませ、昼から彼の誕生日を祝う為皆でキシナウ郊外にバーベキューをしに出掛けた。若干風が肌寒かったものの、晴天だったので結構人が居る。やっと暖かくなって来たので、バベキュー解禁と言ったところであろう。


k5 彼女は彼への誕生日プレゼントとしてワイン用の瀬戸製の水筒とネクタイをプレゼント。その際写真を撮るからと言って彼女にキスを要求した家内の言うがまま、彼女が彼の頬に軽くキスをした。

k8 私も何か渡そうと事務所を眺めた際に丁度棚の上に日本で22万円で売られているコレクションワインがあったので彼へのプレゼントしてパーティーの際に皆でカンパイし味わった。日本で22万円と聞いて太っ腹だと感じた人が居るかも知れないが、実はここでは30ユーロもしないのである。彼の誕生日を祝ってカンパイした際に家内が又しても二人にキスを要求し記念撮影したのだが、今度は彼が彼女にキスをした所を逃さずシャッターを押した。

k7 バベキューを楽しんだ後、事務所に戻った我々は、今後の予定を決めた。彼女の話ではあさっての復活祭に彼女の自宅に招待したいと両親が言っているそうなので、その日は私達家族も参加するのだが、その次の日は他の会員さんが渡航される予定で相手の女性のご両親に挨拶に行かなくては行けないので、二人だけで彼女のお婆ちゃんに会いに行く事で了承を得た。

 帰国3日前と意外と早い時期に彼女の両親と会う事になるが、二人の様子を見ていると至って順調なので問題は無いだろう。しかし欲を言えばそれまでにもう少し二人の距離が縮まるれば申し分ないと言う感じではある。



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 K氏とエレナさんがSkype交信をして約2ヶ月経ったある日、二人が交信中にたまたま彼のお姉さんが、彼の部屋を訪れた為、そのままSkypeに飛び入り参加。私の通訳を介して話をした女性二人は非常に意気投合し、お姉さんが『こんな素敵なお嬢さんを今までほったらかしにしておくなんて弟の気が知れないわ。とんでもない男ね。弟を直ぐにモルドバに行かせるから安心して』と言って交信を終わったのだった。

 そしてそれから約3週間後、彼がモルドバにやって来る事になったのであるが、渡航前に彼は父親から婚約指輪を持参し彼女の両親にきちんと挨拶をし、帰って来る時には、彼女を一緒に日本に連れて来なさいと言われて困っているのですが・・・と私の元にメールが届いたのである。

 そんな彼からの相談に私は『まだ実際に会ってもいない相手にプロポーズの準備をしてくるのはどうかと思います。プロポーズをするとしたら日本に呼んで暫く一緒に過ごした後でも遅くないと思いますよ。』と返事を送った所、彼も私の意見に同感だと言って、結局婚約指輪を持参する代わりに、彼女の両親はもとより、兄弟、祖父母、叔父、甥っ子と言った彼女の身内全員に甚平のお土産を持参しモルドバにやって来たのであった。
 
k1 そんな日本からのお土産を一杯にキシナウ空港に降り立った彼は、出迎えに来ていた彼女と初めて対面し挨拶を交わした後、今回の宿泊先である私の自宅に向かった。部屋に着いた時間が昼を回っていたので彼の荷物はそのままにし、直ぐにレストランに向かい、お見合いをしながらのんびりと昼食を取ったのであるが、私の不注意でこの後二人はとんでもない災難に巻き込まれてしまったのである。

k2 レストランから私の自宅に到着した我々は、マンション前でこの後初めてのSkype交信を男性と行うべく待機していたドイナさんと合流し、エレベーターに乗ろうとしたその時、うちの家内が”待って!”と叫んで電話を掛け始めたのである。

DSC_2502 電話の内容を聞いているとなんと家の鍵を二つとも娘に渡してしまったようである。しかも娘は田舎に向かうバスの中でもし途中下車すると既に終バスがないので田舎に行く事が出来ない。しかも途中下車したとしても1時間以上掛かる所まで行ってしまっているのである。

 私は直ぐに大家に他に合鍵が無いか電話させたのだが、手元にはもう一つも無いそうである。しかも特殊な鍵で以前大家も入れない事があり鍵屋を呼んで開けて貰おうと試みたそうだが、プロでも開けられなかったと言うのである。家内は仕方なく消防署に電話を入れた。こういう場合ここでは、はしご車を呼ぶと言うからである。しかしここのはしご車で8階まで届くものがあるのだろうか?と疑問を抱いていると、はしご車ではなくレスキュー隊が到着したのである。

 幸いメゾネットタイプの2階部分の寝室の窓を閉めていなかった事に家内が気が付いたので、私がレスキュー隊と一緒にうちの上の階である9階の住人のドアをノックすると顔見知りの家政婦が出て来た。レスキュー隊の隊長が事情を説明し中に入れて欲しいと頼んでいるが、家主がいなく彼女の判断では入れることが出来無いと言う。しかも家主は今ルーマニアだと聞いた隊長が、問題は全く無いから取り合えず部屋を見させてくれと言って強引に説得して中に入って行った。

DSC_2519 それから約5分後9階からロープを使って8階のうちの寝室に入ったレスキュー隊員が内側から鍵を開けてくれて我々は無事家に入る事が出来たのだが、この時レスキュー隊に支払うべき法的料金は300円。私は皆さんでお茶でも飲んでくださいと言って別に1000円を隊長に支払いやっと一件落着であった。

DSC_2526 お見合い初日からとんだハプニングに見舞われてしまったK氏であるが、これは何かの前ぶれなのだろうか?問題を起こしてしまった張本人の私としては、この時はそうならないようただただ順調に行くよう祈るだけであった。Kさんあの時は本当にご迷惑をお掛けてしてすいませんでした。


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