b1317981.jpg 朝9時に事務所でI氏をピックアップしA嬢の家まで彼女を迎えに行った。今日のスケージュールは彼女に組んでもらったのだがモルドバを一緒に観光したいと言っていたI氏の希望を取り入れたようで有名な2箇所の修道院巡りである。昼食は途中の森で野外バーベキューを行う事になっているのだが雨こそは降ってこないものの、どうも前日の天気予報どおりになりそうな怪しい雲行きである。

 私は常日頃デートは素敵なレストランで食事をするよりは、うちの事務所で食事を作ったり野外でバーベキューをしたりする事を心掛けているが今回は彼女の方から提案してきたので丁度良い。時間が無い時は仕方ないが給仕が何でもやってくれるレストランよりも遙かに普段着の女性の姿を見る事ができるし経済的でもあるので男性にとっては言う事無いと思っているからである。しかもA嬢がレストランではなくバーベキューを選ぶ当たり、キャリアウーマンとは言えブルジョア志向では無い様なので安心した。

 我々が最初に向かった修道院はキシノウから約70kmの距離にあるHincuと言う修道院だが驚いた事にキシノウを出て30分くらい走った所で小雪が降って来たのである。もちろん気温も0℃前後である。彼がキシノウに到着する2日前の日曜日は日中最高気温が15℃あった事を考えると急に寒気が襲ってきたとしか言いようが無い。ちなみに彼が滞在中はずっとこの調子で帰国した次の日から気温が又上昇したようにお天気の神様には少々見放されていたようである。ただダウンコートを1着だけ持参して来ていたお陰でデートに支障が無かったのがせめてもの救いであった。

h2 私自身は観光で修道院と言っても正直あまりパットしないのだが日本で言う京都、奈良の感覚なのであろう。歴史的建築物を見ながら昔の面影を偲ぶと言った感じである。ただ今回の修道院は2箇所ともそれ程古い歴史がある訳ではない。しかもHincuは今は修道女を144名抱えている大きな修道院であるがロシア統治時代には宗教弾圧で修道院を閉鎖されサナトリウムとして利用されていたそうである。日本から観光に来たと言ったら閉鎖していた夏の教会を開けてくれてそんな歴史的背景を丁寧に説明してくれた。

 I氏も私同様修道院に非常に興味があるようには見えなかったがA嬢は教会内を隈なく眺めていたようになかなか楽しんでいたようだ。I氏はそんな彼女のいきいきとした様子を隣で眺めて自分の事のように楽しんでいると言った光景であった。幸い修道院の中を散策している間は雪は止んでいたのが我々が次の修道院に向かう為車に乗り込んだ途端又降りだしたのであった。

h3 バーベキュー日和とは程遠いのだが二人に意向を確認した結果途中でバーベキューをする事に。不思議な事に場所を決めて車を降りた時には又雪は止んでいた。早速寒空の下火を起こしたのだがバーベキューの為と言うより寒さを凌ぐ焚き火と言った感じである。火を目の前に寄り添って語り合う二人にとっては好都合だったのかも知れないが。

 そんな二人をよそに私と運転手は火を起こすのと食材の準備である。バーベキューは所謂男の仕事で女性は手を出さない。しかしそんなバーベキューでも先ほど女性の普段着の姿を見れると書いたのはテーブルや食材の準備をしたり男性に飲み物を注いだりと気のつく女性は何も言わなくても自分から進んで参加するからである。今回も黙ってA嬢の様子を観察していたのだがどうやら彼女の言葉どおり料理に関しては全く関心が無いようであった。しかも飲み物も彼は彼女に注ぐものの彼女は彼に一度も注がなかった所を見ると結婚した後夫の身の回りの世話をするタイプの女性では無いようだ。所謂お姫様タイプのようである。

h4 I氏はその事に気がついているのだろうか?人それぞれ女性に対する好みが違うので何とも言えないが、寒空の中盛り上がる二人をよそに私の方は少々心配になって来たと言うのが本音である・・・