I氏から事前に彼女にどのように話をしたら良いのか尋ねられたのだが、まずは自分が当時どうしてショックを受けたのか男性の心理を交えながら彼女が納得いくように説明する事が大切だと話をした。その後は度胸である。彼女のリアクションを気にすることなく自分の気持ちを素直に伝えるようアドバイスをしたのである。彼の場合人が良すぎるせいか相手の反応を気にし過ぎる帰来が有るからである。

 そしてC嬢とのSkype交信の日がやって来た。Skypeが繋がってまずは彼に彼女と私が交信する前に話をした内容を伝えた。彼女はデートの際の彼の反応を一部始終観察し自分なりに彼がどんな男性なのかほぼ判断できたと言ったのであった。そしてもし彼が自分が思っているような男性ならば結婚すべきではないと決断したそうである。私は彼女にではどうして今日ここにやって来たのか?率直に尋ねたのだが彼女はあのような別れ方をした彼がどんな事を話すのか非常に興味があったからだと答えたのである。

 そんな内容を彼に伝えると今度は彼がルーマニア語で彼女に向かって直接話しかけたのであった。通常ならば多いに喜ばしい事なのだが私は少々頭を抱えてしまったのである。彼女に彼が今言ったルーマニア語が分かりましたか?と尋ねるとええと言って私の顔をポカンと見つめている。彼がルーマニア語で言ったのは概ね下記のような内容である。”私は君に実際に会ってからというもの君の事が忘れられない。それ程君の事を愛してしまった。私と結婚して欲しい。”

 彼の気持ちも分かるが彼女は唖然として私の顔を見た後、なんと返事をして良いか分かりません。と言って来た。そして”私は違う言葉を待っていたので”と付け加えたのであった。日本語ならば私がごまかせるのだがよりによってルーマニア語である。私は彼女が何故唖然としているのか分からないでいる彼に説明した。彼女はまず先日デートの最中に何故自分を放り出したのかきちんとした説明を聞いた上で謝ってくれると期待していたのである。

 彼はその事は私が事前に伝えてくれたと思ってあえて謝らなかったらしい。謝るとまた当時の事を彼女が思い出すのでとも言っていたが・・・白紙に戻して一からやり直しをするには最低限必要な事であり彼女が頭に来ているのも仕方ないが無い事である。彼女は少し怒りながらも彼に本当に自分と別れた後に誰ともお見合いをしなかったのかどうか確認をした。もちろんNOと答えたのであるが何とか信用してもらえたようである。これは彼の人柄の御蔭か。

 そして彼女は今回の件を彼の両親にも話したのかどうか尋ねたのであるが彼がうちの母親も残念がっていると言う事を伝えるとまたまた彼女の顔色が悪くなり私の方を向いて”これはあまり良くないですね。”と言ったのであった。ようはマザコンと感じたのであろう。そして彼女は何でも母親に相談するのですか?と尋ねた所彼が今回は事前にお見合いの事も知っていたので帰国して直ぐ母親の方から聞かれた為正直に真実を伝えたと答えた所彼女も少しは安心したようである。

 こうした1時間以上に及ぶやり取りの末、結局彼女は彼の希望通りもう一度交際を続けると返事をしたのであった。正直私にも意外な答えであったが結局、不器用とは言えひた向きな彼の思いが伝わったのだろうか。I氏は今日の彼女の怒っていた態度を見て彼女の返事どおりには素直に受け取れないと感じていたようなので私の感じた事を正直に話したのであった。彼女の性格からするともし彼女が観察したように彼の欠点ばかりが目に付いていて彼に何も魅力を見出していなければ交際を打ち切ったに違いない。と言うことは彼に惹かれている何かがあると言う事である。

 Skypeが終わった後うちの家内を交えて彼女と突っ込んだ話をしたが、もう少し彼との交際を続けてみたいと言う彼女の言葉はどうやら本気のようだ。私に出来るのはこの位だろうか。白紙に戻った今、後はI氏の頑張り次第である。