今回H氏のお見合い相手となるI嬢は今年の3月に渡航して来た会員男性のI氏とお見合い経験がある。彼が帰国後彼女の方から断ったのであるが意外と甘えん坊で独占欲の強そうな彼女に対しどちらかと言うとクールに接するI氏の応対に疑問を感じたのであろう。まあI氏が帰国後も最初にお見合いしたT嬢との破談のショックから立ち直っていなかった事を考えれば彼女が彼の応対に物足りなさを感じたのもわかるような気はする。当時I氏が他の女性とも交信をしていた事を考えれば非常に勘の鋭い女性なのかも知れない。

 そんな彼女がI氏を断った事を知ったH氏が彼女にSkypeでの交信を申し込み現在に至っているのである。女性経験が豊富そうでいかにも女性にモテそうなI氏とは好対照で非常に真面目で他の女性には全く目もくれそうもない初心なH氏である。正直交際当初は上手く行くのか心配しながら二人の交信を見守っていたのであるが交信の回を重ねる毎に私のその不安は少しずつ消えて行った。常々彼女の理想の男性のタイプは知的で教養のある事と言っていたのだが多分彼の仕事に対し尊敬の念を抱いていた事が二人の交際に優位に働いたのであろう。

 ただし逆に心配なのは彼女が彼の事を過大評価し過ぎていないかである。最初にSkypeでH氏と話した際にWEBカメラを通して彼の部屋の中を拝見したのであるが本や資料が山済みで一体何処で寝られるのだろうかと心配になったものである。従って最初にSkype交信をする前に背後に本の山が見えないようにPCの向きを注意するようアドバイスしたのでそんな事は彼女は全く知らない。どうしてもこの先変わらないような事ならば最初のうちに包み隠さず真実を見せるべきだろうが流石にあの部屋に彼女を呼ぶ事はないだろう。見せない方が良い物は隠すに限る。

 なので今回渡航して来る前に彼に一つだけ念を押していたのである。絶対にしわくちゃな服装だけは着て来ないように。清潔感が一番大事なのでできれば新品がベストですよと。彼のように自分の身の回りに全く気を使わない独身男性が多いのかもしれないがそれは恋人がいないからであって好きな女性が出来れば変わって行くものである。なので服装や部屋の中を見ただけで彼が全く女性経験がない事は聞かなくても一目瞭然であった。しかし個人的にはこれを機にそんな生活ともおさらばして欲しいというのが本音ではある。

 彼の場合女性経験は全く無いにしろ仕事柄毎日多くの人と接しているので実際に彼女と会った際に緊張のあまり話が全く出来ない事はないだろうと思っているのだがやはり心配ではある。WEBカメラでいつも話していたように自然に振舞えればいいのだが・・・どちらにせよ女性との交際経験が無い以上これから経験を積めば良いのである。ただSkypeでの交信を見ている限り毎回着実に進歩はしていたので今回のお見合いもその調子で行ってくれる事を祈りながら彼女と一緒に空港に向かったのであった。