上司を連れてこい | 黄金の追っかけ道★好きなことに情熱を燃やす”いきいきライフ”

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バンドと劇団の追っかけ道を極めたアネゴが教える、黄金の追っかけライフ!追っかけ人生は究極の「幸せ追求道」。
追っかけの未来には、お金じゃ買えない愛と幸せがある。ライブは命。命短し恋せよ乙女。好きなこと追求して、いきいき人生を!

私が働き始めたのは、雇用機会均等法が何となく浸透しはじめたころ。

IT業界は、男女の区別が少ないよ、と聞いてこの業界に就職しました。
実際に同期の男女比は 6:4 ぐらいかな、
理系っぽい雰囲気でもなく、文系っぽくもなく、なんとなくいい感じだと思ってました。

職場では、女性だから、と差のある扱いを受けることもなく、
働きたい人はどんどん任せてもらう、
そうじゃない人は男女関係なく、比較的、楽な仕事を回してもらう、といった
のんびりしたものでした。

担当していたお客さまも、女性だからと言って
区別することもなく、プロジェクト目標の達成のために
全員で力を合わせるというのが当然の雰囲気でした。


そんなとき、
あら、私、女性なんだわ、って考えた出来事がありました。


3年目の夏に、あるメーカさんを担当していたときのことです。
多機能電話を使った営業支援システムの新規構築でした。

プロジェクトマネージャーの課長、
プロジェクトリーダーの主任、そして私と後輩という4人構成に
協力会社さんが3人いるというプロジェクトでした。

私は端末画面と運用設計を担当していたので、
実際にそのシステムを使う営業さんの元締めである営業戦略部には
ちゃんと話を通しておく必要があったのです。

それまではシステム部さんと打ち合わせをしていたのですが、
営業戦略部の部長さんにはじめて会った時のことです。

初めてお会いした営業戦略部長さんは、丁稚奉公からの叩き上げの人。
強面で、お父さん世代よりも上の人でした。

ご挨拶するなり、
「こんなお使いを寄越してどうする。ちゃんとした上司を連れてこい。」
って言われたのです。

いやー、びっくりでしたね。

それまでの案件は、流通業さんが多かったのですが、
まったく女性であることで差のある扱いを受けなかったのです。
それが、いきなり”お使い”ですから。

メーカさんと流通業さんの違いを感じました。

でも、そこでくじけたら話が進みません。

「お使いなので、ちょっとお使いさせてください」
「お使いをしないと叱られちゃいますので」と、
にっこりして持参した資料をご説明。

同席のシステム部さんはヒヤリとされたそうですが、
こちらが動じなかったのがよかったのか、
最後まで話しを聞いてくださいました。

そして、的確なコメントをくださったのです。
もちろんこちらもそれに応えて、
きちんと受け答えをさせていただき、修正版の資料をお持ちしました。
何回かのやり取りを経て、しっかり合意した要件定義が出来上がりました。

結局、その営業戦略部長さんとは、打ち合わせを重ねるごとに
すっかり仲良くなり、プロジェクトが終わる頃には、
テニスまで誘っていただくぐらいになりました。
(下心は無しですよ!上司も一緒でしたし。笑)

あとで聞いたら、ちょっと生意気な小娘が担当してると聞いたから、
ビビらせようと思っていたそうです。
結局、ちょっと生意気な小娘は、かなり生意気だった、と
笑って話してくれました。

正直、けっこうビビっていたのですが、
それよりも持参した資料をご説明しないと、
仕事が進まないって思いの方が強かったようです。

あのとき、肩肘はって、「失礼だわっ」なんて正論で向かってたら、
話が進まなかったかもしれません。

笑いに転嫁して話が進むなら、それに越したことは無い。


大事なのは、目標を達成すること。
この場合は要件定義をすすめることでした。

かなわない突風には立ち向かわないけど、逃げもしない。
目標達成のためなら、手段を選ばない、といえるかもしれません。

乗り越えるのが難しい壁ならば、穴を掘ったり、
脇を回ったり、誰かにロープを垂らしてもらえばいいんです。
だって、やりたいのは「乗り越えること」だから。

力を入れすぎて、とんがってたら、ぶつかったときにお互いに痛いでしょ?

ワーキングウーマンは何かというと、あっちこっちにぶつかりがち。
力を抜いてさらっとかわすぐらいがちょうどいいのです。