映画「MEN 同じ顔の男たち」感想 | 杢ログ-Mokulog-

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新年一発目の映画これでいいんかい、という作品を観てしまった。

いやでもいいんか。今年もホラー映画いっぱい観たいと思います。

 

 

え~どうやって感想を書こう。

あれこれこねくり回しているんですけどなかなかハッキリ出て来ない。

でもこういう迷宮を突き詰められたような作品だからこそホラーなのかもしれない。

化け物は正体不明でなければならないので。

 

鑑賞直後は、とにかく「女」という存在をコケにしまくって自分は「男」だからそれだけで「女」より上なんだ、みたいな表現がされている胸糞ホラーだと思ってイライラしつつも「よくここまで描いたもんだなぁ!」とじゃっかんムカつきながら「いい映画観たなぁ」と思っていたんですが、時間が経って色々考えていると、うーん…と考える。

 

本当に化け物的な存在は「男」だけだったんだろうか?

そもそも「男」「女」という固定概念そのものがおぞましいホラーなのではないのか。

 

序盤、屋敷を訪れたハーパーが敷地内の林檎を食べてしまうのは林檎を食べたイヴを思い出す。

その結果、人間は楽園を追われ、多くの苦しみを背負いつつ生きる事になるのだけど、結果として手に入れたのは豊かな文明の生活なのである…

と思うと、イヴは果たして愚かなのだろうか、とも思う。

 

終盤のシーンは「出産」とも「脱皮」とも思える。

 

「同じ顔の男達」が「男」が持つ「女にとっての悪徳」だとしたら、それらを全て捨てて最後に出現した亡き夫は妻からの愛が欲しかったのだという。

 

いや、殴っておいてそれはないだろう、とも思うのだが、あの夫婦の間に起きた確執の真相は明かされてはいない。

突然殴った時点でそれは夫が1000000%悪いのだけど。

妻は離婚したい理由をきちんと話したのだろうか…とも思う。

「貴方が怖いから別れて」だけでは夫の方もびっくりだろう。結婚した時は愛はあったのだろうから。たぶん。

 

男と女にはどうしたって違いがあるというか、差がある。

どっちも人間ではあるのだけど、私はほぼほぼ別の生き物なんではないかとも思っている。

これは「互いに理解することは到底無理」という絶望ではなくて、理解は出来るけどそうそう簡単ではない、ということ。

こと仲が深くなると。

 

男だから、女だから、というのは関係なく、感情のぶつけあいは暴力でしかない。

根底に愛があろうがなんだろうが。

 

…という感想を書いていて、そういえば人類はいつ言語を手に入れたんだろう?とか考えてしまった。

大事なのはやっぱり話し合いかね、人は言葉があるんだから。