実に4ヶ月ぶりの観劇です。
鈴木拡樹さま観劇に関しては2年ぶりです。そう、2年ぶり。
私が拡樹さんを最後に生の舞台で観たのは2019年の舞台ゆーはく愛知公演の大楽です。
あれから時を経て2年。
一体何度観劇を諦めたでしょう。一体何枚チケットをただの紙切れにしたでしょう。
数えても意味がないのでそんな事はしませんが「今度こそ」を何度も何度も繰り返しました。
観劇日を迎えるまで不安で不安で、そして心配でした。
自分は大丈夫だろうか。公演する側は大丈夫だろうか。
怪我や病気や天災や人災や親類縁者絡みの急用はないだろうか。
私は「やってくれるだけでありがたい」という気持ちは微塵も持ち合わせておりませんが(いつ何時でも金の分だけ楽しませろ精神なんで)
今回ばかりは、今回だけは「もう観れたらそれでいい」と思って過ごしておりました。
迎えた観劇当時、観劇する事に何ひとつ問題が起きてない事が奇跡みたいに思えました。
たぶんこれまでも奇跡だったんでしょう。それを噛み締める状況かそうでないか、というだけで。
噛み締めました。開演までに食べたおにぎりは3個です。
いや、緊張して朝とか全然ご飯食べられなかったんですけどいざ会場に着いたらお腹減ってさぁ!
銀劇久し振りだったから行き方を間違えて劇場直結の駅が何処かすっかり忘れたりしてさぁもう!
銀劇いつぶりだったかな、たぶん刀ステの悲伝ぶり。
私は2.5次元舞台って基本原作はほぼ予習せずに舞台を観てから原作にちょいちょい触れるんですが今回は珍しく予習してから観劇しました。
原作読んで映画も観て今はアニメ観ています。
よく「原作知らない人これ分かるの?」なんて声を聞きますが、いやぁ舞台なんざ分かる分からないじゃねぇんだよぉ!考えるな感じろい!
そもそも原作読んで観た人に原作読んでない人の感想なんて分からんだろうし逆もそうだし、なんなら原作読んでない同士読んでる同士の感想だって分からないんですよ個々それぞれ違うんですから。
というわけで本編の感想です。
え、普通にワクワクしておもしろかった。
私はジャンプ作品そんなにいっぱい追ってるわけではないんですが、タイトルだけでも知ってる作品はいくつもあります。
舞台上に映し出されるジャンプ作品、特に自分がめちゃくちゃハマって単行本も持ってるようなやつ。
ゆーはく、るろ剣、あと今ハマってるテニスの王子様、それらのコマがプロジェクションマッピングで映された時は「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ってなった。
これはバクマン。原作を読んだ時にも思ったんですけど、ジャンプ作品に思い入れがあるがゆえにそういう所をすごい刺激されるんですよね。
これはバクマン。の「ずるい」所であり魅力でもある。
わたし映像を多様する舞台ってあんまり見慣れてないんですけど、今回ばかりは度肝を抜かれた。
なにこれ、パレード?ジャンプのパレード?みたいな感じ。
3階席のセンターだったんで全貌が見渡せてすごく見晴らし良かった。
前評判で「2.5次元っぽくない」と言われていたけど、じゃあ2.5次元っぽいって何だろう…って考えつつも、でも私も思った。2.5次元っぽくはない。
ある意味めちゃくちゃ2.5次元していたけど!(これについては後述します)
物語をなぞってそれでずっと芝居するわけではないスタイル。
ダイジェストというかイメージシーンというか、なるほどこれは確かに小劇場スタイル。
オープニングで雨降って傘差してゆらゆら歩きながら登場するオープニングを観て「あ、これはそういう感じの舞台か!」と思った。
そういう感じってどういう感じだ。ああいう感じです!
観た瞬間「あ、これはやべぇかも」とは思った。
だってああいう感じの舞台、なんか深い事やってそうで中身あんまり感じられないこと多いし。
だがしかし、サイコーが舞台に飛び出て来た瞬間に涙が出てそんな感情が吹っ飛ぶ。
「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!!あああああああ拡樹くん動いてる!喋ってる!うわぁぁぁぁん!!!」ってなって涙だばだば出て来た。
2年はでけぇな!
最初の不安もなんのその、いざ本編が始まったら、結構楽しんで観てしまった。
久し振りの観劇だからなのか、それとも舞台上の展開を観ながら原作を思い出してテンション上げていたからなのか、はちょっと分からない。
原作予習してから観劇するとこういう心理作用もあるのか…と思ってしまった。
演出にすごく斬新みとか新鮮みとかを感じたわけではないけど、それが逆に良かったのか「あ~舞台を観ている~」という感覚にぐいぐい引き込まれた。
おじさんが倒れてサイコーが抱えるシーンと、後半にサイコーが倒れておじさんが抱えるシーンがリンクするの、うわぁぁぁこれがエモいってやつですよ、エモい。
連載会議のシーンでそれぞれの作品が、そう、それぞれの作品が「2.5次元化」するんですよ!
このバク。ステが最も「2.5次元」している所。
これには「ああ、やられたなぁ!」と思った。すごいテンション上がりましたよこれ。
オープニングで超ヒーロー伝説が2.5次元化した時も「うおおお!こう来たかあぁぁぁ!」って思ったけど。
これ普通に舞台で観たいわ…って思っちゃった。おもしろそう。
作中作は全部普通に見たいんだけどね。出来れば金知恵も2.5化して欲しかったわ(金知恵大好き)
キャスト陣について。
唐橋さんがもじゃもじゃしてないので一瞬誰分からなかった。もじゃもじゃしてないからはっしーもかっこいいな。
橋本祥平くん。私は君の才能が怖い。新妻エイジじゃん!?めっちゃくちゃ新妻エイジじゃん!?すごい。マジでびっくりした。
荒牧くんのシュージン。やべぇ。かっこいい。すっごいシュージンしてた。どうしよう。だいぶめちゃくちゃ好き。このシュージンとのかやちゃんとのやり取り見たかったなぁ。
拡樹くんのサイコー。どうしよう、サッパリ引っかからなかった。
え、あの涙は何だったんだ。マジでただ動いて喋る推しに感動して流した涙だった。
どうしよう、これっぽっちもピンと来ない。あれれ~~~~?(それはサンデーの方だ
やべぇ私の愛もこれまでかな…ついに来てしまったかな…とか思っていたら
まさかのカテコで号泣した
あの毎度おなじみの「本日はご観劇、まことに、ありがとうございました」を聞いた瞬間涙がぶわーーーーーーっと出て来てしまった。
えっ!?わたし泣いてるの!?これで!?今のこれで泣いてるのか!?なんだこれ!?ビエエェェェェェェ!!!!!!!
本編でハシボーだったくせにまさかのカテコの挨拶の一言で大泣きしてびっくりした。泣いた自分にびっくりした。うわぁきもい。超今更ですが。
おめでとうございます。この愛は更新されました。
(私のファン心は更新制です。永遠の気持ちなんてこの世には存在しないよ)
いや、別に拡樹くんのサイコー、ダメだったわけじゃない。
荒牧くんがシュージンで拡樹くんがサイコーっていうのはぴったりのキャスティングだと思う。
良かった。すごく良かった。良かったんだけど逆に綺麗にまとまり過ぎていた感じがする。
普通に良くてソツなくこなしていた。から私はものすごい物足りなかった。
なんなら一番テンション上がったのはPCPのシーンかなぁ。
久し振りが過ぎて、私が初めて拡樹くんの芝居を見た時の感覚を思い出した。
実は2012年に朗読劇で拡樹くんを見ていたけどその時は一切印象に残ってなかった。
そこで見ていたのも後から思い出したくらいだし。
あの時は他にお目当ての役者がいたからっていうのもあるけども。
これは本人どうのこうのという問題ではなくて脚本演出のバランスとバクマン。という作品の質にもよると思う。
バランスはすごく良かった。演劇作品としても間違ってない。外してない。
たぶん逆にここで私が(ここ重要)「うわ~~~鈴木拡樹やっぱりすごいわ~~~!」と思う箇所があったとしたら今度は演劇としてのバランスが崩れてしまう。
バク。ステとしてはこれで大正解だと思う。演劇好きな私はすごい楽しかった。
思うけどなんだかんだで鈴木拡樹オタクとしての私が満足するものではなかったなぁというのが本音。
でも飢餓期間が長かったのでこれくらいから再スタートした方がいいのかもしれない。
例えるならおかゆ。やさしいものからもういちどはじめよう。