若干タイトル詐欺な部分がございます。ご了承下さい。
結局PPVV2は1回しか見れなかったので記憶が曖昧な箇所がございます。
まず【人工監視官育成計画】についてですが、つらつら考えていて思った事はこの一連の騒動(と敢えて言う)が本当に【監視官を造り出す】ことなのか?という疑問。
それはいくら何でも深読みなのでここで一応シビュラシステムの本気を信じます。
とは言えシビュラシステムが求めるシビュラ社会とは「シビュラシステムの構造を知ってもなお成り立ち国民がシビュラシステムを受け入れて生活する社会」なので、人工監視官育成計画もとい「記憶を操作というメンタルケアを施し潜在犯を更生させる実験」はシビュラシステムが目的を果たす為の課程の一つでしかないと思います。
シビュラシステムの正体を知ってもなお色相を濁すことなく正しく生きようと努力する常守朱を「人類のモデルケース」と言ってるあたり、シビュラは恐らく「シビュラを盲目的に信じて生きる人間」は特に必要とはしていないと思われる。
シビュラシステムは別に信者を求めているわけではない筈なので。
同時に何も社会の支配者になりたいわけではない、と思う。多分。
シビュラシステムの成り立ちが詳しく明かされていない部分があるので、この辺は予想や憶測になってしまうんだよなぁ。
免罪体質者が構成員なのもシステム構築当初からではなく、やっていく内に発見されたバグが免罪体質者であり、そのバグを取り込む事によって欠点を打ち消し完璧という体裁を保っているに過ぎないので。
いずれシステム開発の話も出て来ると思うんですけど、その時はぜひ日髙のり子さんボイスのキャラを出して欲しい。
これは私の勝手な願望なんですが、シビュラシステムの生み親たる何人かの一人に絶対に日髙さんボイスの人物がいて欲しい。
話が逸れました。
それでそもそもシビュラは本当に【人工監視官】なんてものを造る気でいたのか?
別の言い方をすれば【監視官という皮さえ被せていれば中身は潜在犯でも良いのか?】という点。
私はVV観劇当時、この「人工監視官育成計画」という単語を聞いた時、めちゃくちゃ興奮した。
それはもうシビュラシステムを前にした霜月のようになった。
素晴らしい、と思ったので。心底。シビュラの悪趣味が。そして物語の展開上でも最高に悪趣味過ぎてもうボルテージ最高潮だった。
この際キャラへの思い入れとか愛情とかはさておいて語ると、今でもどうだが同時の私はこの「人工監視官」について単純に「そりゃそれで済むならそっちの方がいいわ」と思った。
だって監視官登用しても登用しても死ぬか潜在犯になるかだもの。
だったら潜在犯に監視官の皮を被せて監視官業をさせておけば業務的には効率が良いのでは?と思った。
とはいえリスクも大きいのは間違いない。元は潜在犯なので。
実際常時犯罪係数300オーバー(予想)くらいの嘉納火炉を(厳重に監視していたであろうとはいえ)野に放っていたのだから、それを思うとシビュラが色々研究したいのは分かるけど市民を危険に晒し過ぎじゃない?と思ってしまう。
まぁシビュラシステムそのものが免罪体質者の集合だからな…などと思ってしまう。
免罪体質者のせいよりも潜在犯のせいよりもシビュラシステムの思惑の上で死んだ一般人の方が遙かに多いんじゃないかな…わからんけどな…
記憶改竄によって造り出された人工監視官と犯罪係数改竄によって造り出された人工監視官。
2種類の試作品、と敢えて言おう、を造り出したのはサンプルは1種類よりも複数の方が良いからでしょう。
「執行官の中の誰かから」で選ばれたのが嘉納火炉だとしたら、彼が選出された基準は何だったんだろうね。
執行官時代の事も執行官になった経緯もよう分からんので推測しか出来ないのだけど…いや、何でだろうね?(オイ
いや、VV2の嘉納火炉あまりに暴走特急が過ぎて「駄目だろコレ!?」って思ってしまったので。
大義も正義も名文をなく破壊のみを望む彼はキャラとしては好きだけどシチュエーションとストーリーが繋がってなくてあの展開ちょっとよく分かんないんだよね…
【九泉晴人】が完成した時点であのNNDも地下組織も不要だったからシビュラには都合良かったのかもしれないけどねぇ。
やっぱもう少し恵まれた環境で監視官業させてあげても良かった気がする…とか言ってしまう時点で私は所詮嘉納火炉のガチ勢なのだ。
「犯罪係数が下がった?もう潜在犯じゃない?執行官から監視官に格上げ?」っておろおろしている嘉納火炉はなんか貰われてきた子猫みたいで好きだよ…(告白か
彼はあの時点でただのテロリストになる事だって出来た。それでも公安に戻って監視官を続けることを(表向き)選んだ。これについての答えは簡単、監視官という立場があった方が自由に動きやすいから。
彼は潜在犯だったからあの社会で潜在犯がどれだけ不自由かを知っているので、例えシビュラの狗という監視官の立場であっても手放す事なく利用する方を選んだ。
哀しいかな、「俺は俺のままでいたかった」と言っていた彼が目的の為にどんどん自分を偽る皮を厚くさせて行くのです。惨いわね、好き。
嘉納火炉がいつどのタイミングで自分が犯罪係数を改竄されているだけの潜在犯のままだと知ったのかは分からないけど(NNDで暴れた時じゃないよね?)その時はまだその時でめっちゃ暴れそうなんですけどね…
キャラとしての嘉納火炉は大好きだけど、シビュラ的に嘉納火炉を野放しにしておく理由がよう分からん。危ないだろ普通に!?
シビュラの悪趣味な面を知ってあんだけキレて大量殺人かまして、それを全部神宮寺のせいにしてケロっとした顔で公安に戻って来たから「おもしれー男」って思ってそのまま監視官でいさせる事にしたのかしらね。いや、あぶねーよ。シビュラあまりにも博打が過ぎるよ!?
彼に何を求めてそんなに贔屓してるのシビュラちゃん。推し方がおかしいよ。
でもそんな彼が、いや彼だからこそ、か、これ以上ないほど的確にシビュラを言い表す台詞を言うのが最高が過ぎるんですよね。
寧ろ逆に嘉納火炉じゃないと言えないかもしれない。「シビュラは悪ではない。だが悪質だ」と。
そして記憶改竄の果てに誕生した人工監視官の九泉晴人。
そもそも【人工監視官】というものは実験と研究産物であって「記憶改竄によるメンタル治療」がメインだったんではないか?と思う。
そもそも「記憶を操作で犯罪係数が下がるならなそれはメンタル治療に繋がる」は目白さんの意見であるからシビュラの本意は分からない。
潜在犯の暴走によって家族を喪いそしてまた自分の潜在犯になってしまった目白さんが言った事だと思うと激重ですわな。
私はずっと九泉晴人のことは男版霜月だなぁと思っていたんですが、人格構成のモデルが霜月だったら面白いなぁとちょっと思っている。
というのもシビュラが望む【監視官の形】とは常守朱ではなく霜月美佳の方だと思うので。
シビュラはいずれ正体を国民、ひいては世界に明かすつもりでいる。
その時に公安局刑事課が変わるのか、それとも何も変わらないのか、それは推測するしかないのですが、もし仮にシビュラシステムが正体を明かしてもなお公安局刑事課という組織と監視官・執行官という体制が変わらない場合、そこに就く人間達は一体どのようにして選出されるんだろうか。
シビュラシステムの正体が明かされても一般市民はなんだかんだで受け入れてしまうのだと思う。
もたらされる恩寵が変わりさえしなければ、生活が脅かされる事が無ければ、幸福な人生を送れるなら、そしてそれが自分一人ではなく皆が平等に公平にその場所で生きるのであれば受け入れてしまう、というか受け入れるしかない。この辺がシビュラが常守朱をひとつの理想の市民のモデルとして捉えている点だと思う。
監視官と執行官はそうそう簡単にはいかない。
シビュラシステムを構成するのは免罪体質者(の脳)。免罪体質者がどれだけの極悪人であっても執行する事ができない。
つまり監視官と執行官にとって決して勝てない最大の敵が司令塔という事になる。
シビュラが正体を明かした後の社会でも監視官執行官という仕組がそのままであるなら、これらを受け入れて任務に就くことになってしまう。地獄では?
シビュラが正体を明かした後の社会の監視官・執行官は、潜在犯を捕獲・執行し、そして事件の犯人が免罪体質者であったならシビュラシステムに差し出す任務まで負う事になるのではないか?地獄では?
最初に推測を述べましたがシビュラは決して信者が欲しいわけではない。
よって後々の社会にあるべき理想の監視官はまさしく「シビュラの操り人形でも俺は刑事だ」と言ったあの九泉晴人なのではないか?と思う。
あの言葉が造られた人格だからこそ言えた言葉なのか改竄される前の彼の本質の人格から出た言葉なのかの議論はここではしないでおく。いや、そりゃ後者であって欲しいけどな!(結局言っている
シビュラの正体を知っていても自分達の責務の矛盾を解っていても「刑事」でいられる精神を保てる人材、それがいずれシビュラ社会に必要とされる監視官なのではなかろうか。
そしてこの人工監視官育成計画は「いずれ辿り着かなければならないシビュラ社会において必要な監視官=刑事」を育成(この場合は広義の意味で、の)の為のシミュレーターだったのかもしれない…などと考えてみた。
PPVVとしての物語の結末はあれで最高にして完璧だと思っているけど、シビュラが悪質だと解っていても自分がシビュラの操り人形だと解っていてもそれでも「俺は刑事だ」と言い切って己の信念のままに執行官になっても公安局刑事課にずっといる九泉晴人が見たかったなぁオイ!(ただの願望
なので九泉晴人という人物は人工監視官第一号としてはなかなかの成功例だったんじゃないかなぁと思う。
それにしても初日に母親を執行だとか相棒が元執行官で刑事課所属としても監視官としても先輩って過酷が過ぎる労働環境だと思うんだけど、シビュラ一体どんだけのハイスペックに設定したんだろうね。どういう耐久試験なんだよ。
あの世界のことを考えるとキリがない、というか基準と価値観と倫理観が難しい。
潜在犯ではないからと言って善人か人格者かといったら決してそうではない。
(この場合免罪体質者は除く。特殊なので彼等は)
このあたりの事を考えるともっと長くなってしまうのでその辺の事はまた今度…
これは愚痴と思われても仕方ない言い分なんですが、私はVV2を見れば少なからず嘉納火炉の何かや人工監視官の何かがクリアになると思ったんですが、寧ろ解像度下がった気がするんですよね。
決して嫌いではないよVV2。嫌いではないけど「あれ、あの社会の人間ってそんな価値観だっけ?」って思っちゃう(特に潜在犯に対して)
おかげさまであれこれそれどれ考える機会を得たと思うとそれはそれで最高なんですが。
VV2の好きな所はですね、ツイッター公式に上げてくれる嘉納火炉の写真が最高な所です(本筋の展開と全く関係ないじゃろが)
途中途中色々検索して確認しながら書いたんですけど、劇場版とかアニメ三期とか小説版とか公式本に書いてあることすっ飛ばしてしまってる部分かなりあります。申し訳ありません。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
九泉監視官と嘉納監視官と執行官達が超ハードな難事件を解決する普通の話が見たいな~!