観て来ました。
私が素晴らしい物語に触れた時に抱く感情は大きくわけでふたつです。
語りたい!とにかく語りたい!語彙力を絞り出して語りたい!でも唸ることしかできない!
※とりあえずツイッターで連投する。
美しい…なんて美しい物語…けれどこんなに美しい物語の感想を語るなんて事をしたら…私の手垢を付けて汚してしまう…できない…そんなことできない…
この『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という作品は後者です。
ですがどうしてもどうしても何か語りたい…どう語るのが良いのかしっくり来ないのでここは作品にならって手紙風に書いてみようと思います。
それではどうぞ↓
ヴァイオレット・エヴァーガーデン様へ
貴女の物語のひとつの終わりの形を見届けた時に思ったことは「私も誰かに手紙を書きたい」でした。
ここ最近、ずっと「思いっきり泣きたい」と思っていたのですが、それをものの見事に叶えてくれました。
貴女の物語に触れていると素直になれます。
いいえ、素直になる勇気が出せる気がします。
貴女は純朴で、けれどやっぱり世間知らずで、いいえ、世界をあるがままに捉えようとするからこそ、どこかおもしろおかしくなってしまう時もあるけど、それは何も変なことではなくて。
だからこそ、貴女に関わった人達は素直になる勇気を持てるのでしょう。
自分の本当の気持ちを表に出すことはとっても恐ろしい。
自分が大切に思っている人に対しての感情であればあるほど。
でも人間が持てる時間は有限だし「いつか」も「今度」もあるとは限らない。
しかるべき時に、貴女に出会えた人々はとても幸運だったと思います。
人生には後悔はつきものだけど、でもなるべく後悔を少なくできる機会に恵まれるということは幸運です。
貴女はそれを、自覚は無かったかもしれないけど、人々にそれを与えて続けて来ました。
「あいしているを知りたい」と思い続けて、手紙を書くという仕事の中で、それを大事に大事に積み重ねて育てて来た宝物です。
ギルベルト少佐から授かったものを自分の中で大切に守り、そして育て、多くの人に与えられるような人間になった。
人々が幸福になるきっかけを与え続けて来た貴女が会いたい人に会えて本当に良かった。
「最後の手紙」の意味は「手紙を書かずとも思いを伝えたい相手はずっと傍にいる」という事だったのですね。
どうかどうか、永遠に幸せでいて下さい。
時代が移り変わり、手紙という文化が減っていったとしても、貴女が持ち続けそして与え続けて来た大切なものの価値は変わることはないでしょう。
手紙でも電話でもネットでも、媒体はきっと何でも良いのです。
伝えたいことを伝えたいときに伝える、という事は過去も現在も未来もずっと変わらずに守られ慈しまれ、そして持ち続けたい勇気のひとつです。
ありがとう。ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
私もこの物語を心から愛しています。