孤独なお年寄り 一杯のお茶 | 木蓮 花だより☆ 暮らしの中の小さな気づき

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昨日の住宅展示場でのパート。

私のパートが終わる少し前に展示場を訪れた、ひとりのお客様。

初老の、女性のお客様でした。

 

女性が私に言いました。

「私はこのハウスメーカーのオーナー(施主)なのよ。どうしてお茶のひとつも淹れないのよ。私に温かい飲み物を出してくれる?」

ご立腹のまま、展示場内に入ってこられたのです。

 

総合住宅展示場内に私が勤務するハウスメーカーの展示場は複数あります。

その内のひとつで何時間も話したのに、お茶を出してもらえなかったと、このお客様はまくしたてるように私に話すのでした。

 

パートが終わる間際に嫌なお客様だなと正直思いました。

社員の人たちや事務の女性が不在中の出来事で、私はどうしようかと思いあぐねました。

 

ダイニングの椅子に座ったこの女性のお客様は、お茶を出さないとお帰りにならないなと、私は判断しました。

 

展示場内にある事務所へ私は行きました。私も休憩で利用する事務所です。

茶たくに湯のみを置き、お湯と少しのミネラルウォーターを足して緑茶を淹れました。

そして、お茶をお客様にお持ちしました。

 

オーナーだと言うこのお客様はお茶を飲むとホッとした様子をみせました。

とても疲れた表情をしていました。

近くで買い物をして、ついでに展示場に来たのだと話されました。

そして、そんな話をポツポツと話すと落ち着かれたのか、帰られたのでした。

本当にオーナー様だったのかは定かではありません。

お名前や電話番号でパソコンを使えば調べられますが、それができるのは社員の方たちです。

 

人に大切にしてもらう、親切にしてもらうことに飢えているような、そんな印象の方でした。

 

昨日は定時を過ぎての退社になり、いつもより少し遅くなりましたが、無事、パートを終えられてよかったと安堵したのでした。

 

孤独なお年寄り。キレやすいのかな…。

そういう年齢になってみないとわからない。

 

昨日は本当に寒かったから、温かい飲み物や人の優しさにあの女性のお客様は触れたかったのかもしれません。