手術から2ヶ月、私の生活はすっかり元に戻りました。




心配だった子宮の病理の結果も問題なし。

私の子宮に、ガン細胞は残っていなかった。


今後は1ヶ月に1回病院に通って、腫瘍マーカー(血液検査)を受けるだけでいいとの事。

5年ぐらいは定期的に検査が必要だけど、術前のガンの状態や今回の結果から考えて、今後の再発はまずほとんどないでしょう、とも言ってもらえた。


心の底からほっとした。

これで全部終わったんだ、と思うと一気に力が抜けた。

もう、ガンに怯えて暮らさないでよくなったんだ。

あとはオナカの傷口さえキレイに治れば、何もなかったように生活ができるんだ。

そう思うと、全身に安堵感が走る思いがした。

術後、私の中で劇的に変化したことがある。

ちょっと、自分のバカさ加減と恥をさらすようでアレなんですが・・・。



私、1年ほど前から、PMS(月経前症候群)がひどくて、すっごく困ってたの。

PMSとは、要するに排卵から生理になるまでの間の心身の不調の事。

症状は人により様々なんだけど、私の場合は軽い頭痛と全身の倦怠感、それから心の不調。

体の痛みやだるさはちょっと我慢すれば乗り切れる程度なんだけど、心の不調だけは本当にまいった。

私は排卵痛がひどいので、排卵があるとすぐにわかっちゃうのね。

あ!今タマゴ生まれたぁ!イテテ・・・

みたいな感じで。

そうして排卵がくると、まるで目に見えるように、イライライライラする気分が湧き上がってきて、ずんずん溜まりはじめる。

心の中にどんどん高く高く、イライラの山が出来上がっていくの。

イライラの対象は何故だか主にダンナ。

ダンナが何をしても、何を言っても、極端に言えば動くだけで、むかついてむかついて仕方がなくなってしまうのだ。

もうね、めちゃめちゃ怖いんですよ。自分が。

だって、明らかにおかしいもん。

異常なんだもん・・・。

前の日までは、「スキスキ~~♪」だったはずのダンナに対して、排卵と同時に

「・・・・ほんっとーに、ムカツク!!!!何なのコイツ!!もうイヤ!!!」

と思ってしまう。

そう思ってしまうと、後はとめどなく悪い事ばかり目について、イライラをためまくってしまう。

そして、普段なら何とも思わないような、ごく普通のダンナの行動(例えば仕事で帰りが遅くなったとか、本当にその程度)をキッカケにして、私のイライラは爆発して暴走してしまう。

ダンナもビックリだよね。

いつも通りに生活していたら、突然妻から

「もうムカツクんだよ!!!」

って怒鳴られて、その後妻のヒステリーがヒートアップ、なじられてけなされて、もうどうすりゃいいの?みたいなね。。。

そのイライラの火山が一度爆発してしまうと、散々怒鳴り散らして、からみまくって、泣いて暴れて、もうどうにもならなくなってしまうのだ。

ダンナもたまらなかったと思う。

私は私で、自分の頭がどうかしてるという事はわかっていても、止めることができない。

自分が何に対してこんなにヒステリーを起こしているのかも、すでにわからない。

ただただむかつく、イライラする・・・

最初の頃こそ、私の怒りが静まるように、一生懸命なだめたり謝ったりと努力してくれていたダンナも、半年も経つうちに、その理不尽な怒りに我慢の限界が来た。

私のイライラが爆発し始めると、背中を向けて無視するようになった。

私はその態度にまた傷ついて、更に激しくダンナを責めてしまう。

こっちをむいて、私をなぐさめて、私を助けて!!

そう言いたいはずなのに、私の口から出てくるのは彼を罵る言葉のみなのだ。

そして、その後の激しい落ち込みと後悔。

果てしないマイナス思考の海に落ちていってしまう恐怖。

もうね、最悪でしたよ・・・。

もちろんダンナはもっと最悪だったと思うけど・・・。

生理が来ると、嘘みたいにそのイライラとマイナス思考はおさまる。

私は何もなかったように、いつもの生活に戻る事ができる。

ダンナを見てもイライラしない。当たり前だ。だって好きなんだもん。

でも、ダンナの心には、私の言葉によってつけられた大きな傷と、私への不信感が残ったままだった。

うちのダンナは、菩薩のように穏やかで温和な性格をしている。

同じ会社で2年一緒に働いてきたけれど、その間、怒っている彼を一度も見たことがない。

他人の悪口も絶対に言わない。

私が人の悪口を言うと、

「ヒカコちゃんがそう言うなら、きっとそういう部分もあるんだね。

でも、その人の他の部分も見てみなよ。きっと、いいところがいっぱいあると思うよ。

人の事を、嫌いだって思っちゃったらもうそこまでだけど、好きになれるかもしれないって思ってみると、いろんなことが良く見えてきたりする。

嫌いな人がいっぱいいるより、好きな人がいっぱいいるほうが、生きてて楽しいじゃん!」

なんていう人なのだ。

常にニコニコして前向きに生きているダンナを、私は尊敬していた。


そんな彼が、

「もう、イヤだ。お前、むかつくし、もう好きじゃない。」

私に対してそう言った。


いつものように、私の意味のないイライラが爆発した夜の事だ。


もうだめだ。

このままじゃだめだ。

全部なくしてしまう。


私は眠れなくなった。


マイナス思考の海に落ちて溺れながら、必死につかめる藁を探した。

心療内科にも行った。

婦人科で漢方薬ももらった。

PMSに効くというサプリも山ほど買った。

ヨガが良いと聞き、ヨガ教室に通った。

音楽が心を癒すと聞き、ヴァイオリンも始めた。

自己啓発本も山ほど読んだ。

でも、ダメだった。

生理から排卵まではニコニコと機嫌がよくても、排卵がくると一気に落ちてしまうのだ。

私はダンナに泣いて頼んだ。

「お願い、排卵日から生理が来るまでの間、私、頭がおかしくなるの。

ノン君にひどい事言って傷つけちゃうのに、もう自分では止められないの。どうにもならないの。

だから、排卵日がきたら、生理までの間、私から離れて生活してほしい・・・」

手術に対する不安の一つに、子宮を摘出した後、PMSに終わりが来るのか、という事があった。

今は生理があるから、なんというか「リセット!」みたいな感じで、気持ちの切り替えができる。

あ~~生理がきた!これでイライラも終わりだ!みたいなね。

実際、それでイライラは終了していたわけだ。

でも、これからは生理がこなくなる。

卵巣は残るので排卵はあるわけで、排卵日からこれまで通りにPMSが始まったとして、いったいいつまで続くんだろう?

生理でリセットできないと、ひょっとしていつまでも続いてしまうんじゃ・・・・??

でも、術前は他の事で頭がいっぱいで、もうなるようになれ!!って状態だったのよね。

もう知ら~ん!みたいなね。

で、めでたく手術も終わり、術後の生理予定日も無事過ぎ、気がついたら術後2ヶ月。

その間、排卵3回。

あ、あら!!!?

私・・・・・





イライラしてな~~~い!!




気分の落ち込みもない。

あの悪魔が乗り移ったようなイライラとヒステリーが、キレイさっぱり消えてなくなった

排卵日に、いつもの「イテテ・・」って排卵痛が来て、それで終わり。


ダンナが何をしても、いつも通り「かわいいわ、うふふ」としか思えない(オイ)。

な、なんでだろう・・・。

何があったんだろう。

何がって手術したんだけど、それだけでこんなにも変わるものなの!?

先日、ダンナにしみじみと

「最近ようやく、昔の明るいヒカコちゃんが返ってきたって感じがする。元気が出たね。よかった。」

そういわれて、私はうっかりボロボロ泣いてしまった。


この1年、どれだけ私の言葉と態度で彼を傷つけてきたかを思うと、もう何でもしますからホント許してくださいって気持ちになった。

ここまで我慢してくれたダンナはなんて出来た人なんだと、尊敬の念が強まってしまった。


先生に聞いたら、「PMSはこの先どんどん軽くなっていくと思いますよ」とのこと。

生理がなくなっただけなのにね。

本当に、女性にとって生理って、重要なことなんだなあ~って心の底から実感する今日このごろでした。



PMSがひどくなった約1年前、ちょうど最初のガン検診 の後ぐらいの時期なんだけど、ひょっとしたらその頃から、私の体の中でガン細胞が増殖を始めたんじゃないかな?と思う。

根拠は何もないけれど。

あの激しいイライラ、心の痛みは、私の体が異変のサインを出して、それに心が反応していたんじゃないかと思うのです。


今年の2月に「ガンかもしれない」ってなってからは、私は割と普段通りに生きてきたつもりだけれど、心の奥底では「ガン」に対する恐怖、ストレスがものすごかったんだと思う。


ガンの恐怖、それから実際のガン細胞が消えたから心が落ち着いたんだと思うと、なんかわかるような気がする。




とにかく、先生の言うとおり、このままPMSがキレイになくなってくれることを祈るわ・・・。


もう、あんな思いはしたくないし、ダンナにも、させたくない。





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