ガン告知を受けてすぐ、クリニックRへ報告にいった。


総合病院からクリニックRへはすでに結果がFAXされていた。

先生は、まさに「苦虫を噛み潰したような」顔。


「驚きましたねぇ・・・。


最近腺ガンが増えているんです。

でも見つかりにくいタイプなので、進行して自覚症状が出てから発見されることが多いんです。

それがこんな早期で見つかって、しかも断面陰性で取りきれているという事は、本当にラッキーでしたよ。

あなたが最初にガン検診を受けたこと、それから経過観察したこと、円錐切除したこと、全てのタイミングが本当によかったと思います。


このガンはゆっくり時間をかけて進行するんだけれども、上皮を破って浸潤してしまうと、それからは一気に進行していきます。

もし今回円錐切除をせずに、3aだからって経過観察を続けていたら、あと2~3年の命だったかもしれません。

ガンと言われて辛いでしょうが、これで命を落とすことはありません。

あなたは本当に運がいいですよ。」


クリニックRの先生は、そう言って一生懸命励ましてくれた。

なんだか救われた気分。

先生、ありがとうございます。

でもね、どうしても、自分がラッキーだとは思えないの。


0期というのは上皮の中にガンがとどまっている状態で、それであれば再発はなく、円錐切除だけで完治だったらしい。

私は1a期。

1a期でも、どれだけ食い込んでいるかによって1a1期と1a2期にわかれるらしいんだけど、腺ガンの場合はその区別をつけないんだって。

ガン細胞が、上皮を食い破って体内へ浸潤してしまっている状態。

体内へ浸潤するとどうなるかというと、血管やリンパ管にガン細胞が入り込んで、それにのってあちこちへ転移していくらしい。

転移!恐ろしすぎる!


なんで?

なんで、ずっと検診をうけていたのに、1a期まで進行してるわけ!?

何年も前から1年に1回、去年の6月からは5回もガン検診をしてきた。

なのに、なんでもっと早く、0期のうちに見つけてくれなかったの!?

0期だったらこれで完治だったのに!


私、ずっと3aだったじゃん。

3aって、まだガンのタマゴになるかならないかぐらいの状態だって話だったのに。

それが、実はばっちりガンになってて、しかも腺ガンで、進行してて、転移するかもしれなくて、、、

検診で3bや4も出てないのに、なんでいきなり進行してるの!!

それも腺ガンだなんて。

普通の、扁平上皮ガンだったら。まだ安心だったのに、腺ガンって何!

転移って何?

再発するの?

死ぬの・・・?



仕事、全く手につかず。

でも家にこもっていると、とにかく悪い事しか考えられず、どんどん落ちて落ちていってしまう。

頭がパニックになって気が狂いそうになる。

それよりはと、会社へ行って同僚のみんなとどうでもいいバカ話をして気を紛らせていても、ふと思ってしまう。


彼女たちは、ガンじゃないんだ。

元気なんだ。

私は、ガンだ。

なんで私だけ、ガンになったんだろう。


この時期はとにかく辛かったぁ~~。。。

家事もほとんど手につかず、ダンナに当り散らす日々。


ダンナは、多分今回の事について、あまり深く考えたくなかったんだと思う。

考えてしまうと怖いから。

だから、「ガンはとりきれている、助かる、もう治った!」と思い込み、普段通りに生活をしている。


わかるの。

なってしまったものは考えても仕方がないし、考えるとこんな風にウツ入っちゃうし、とにかく怖いし、考えたくないのはわかるの。

でも、そのダンナの態度が、その時の私には許せなかったんだよね。


「アンタにとっては、私の体の事なんて関係ないもんね。どうでもいいよね、私のことなんて。そんな冷たい男と、これ以上夫婦としてやっていけない。もういやだ、わかれる!」


そうやってダンナを傷つけては私も傷つき、もうどん底。


結局その時、ダンナにどうしてほしかったのかといわれると、よくわからないんだけど。

「辛いね、辛いね、かわいそうだね」って一緒に泣けばよかったのか?

ダンナが態度には出さないだけで、本当はすごく心配してくれてるのはわかってたはずなのに、わざとわからないフリをして、もっともっともっと、夜も眠れないほど、ウツになるほど心配してほしかったのかもしれない。


そんな風に2人で落ちてても、悪い方にしかいかないって、今ならわかる。

一生懸命明るい話題をふって、笑って、楽しそうに生活してくれてたのが、ダンナの優しさだったのに。

気づけよう、当時の私!


そんなこんなでどん底に落ちていた私は、死にたくて仕方がなかった。

でも、ガンで死ぬのだけはイヤだったの。

痛くて痛くて、体にいっぱいチューブをつけて、苦しみながらちょっとづつ死んでいくなんて、考えただけで死にそうになるぐらい怖かった。


だから、思い立った。

ガンで死ぬ前に、自分で死のう。


バカな私。

痛くなくて、怖くない死に方。

そうだ。お酒を飲んで、酔っ払って、睡眠薬飲んで、雪山の中で寝よう。

あ、でも、もう冬が終わっちゃった。

じゃ、次の冬になったら、雪山行って死んじゃおう。


バカな私。

どうせ死ぬんだから、もうイイヤ。

って思った途端、ココロがスゥ~と楽になりました。


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