音楽:ジュール・マスネ
編曲:マーティン・イェーツ
振付:ケネス・マクミラン
美術・衣装:ピーター・ファーマー
衣装スーパーヴァイザー:マイケル・ブラウン
照明:沢田祐二
監修:デボラ・マクミラン
ステージング:カール・バーネット、パトリシア・ルアンヌ・ヤーン
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
【キャスト】
マノン:米沢 唯
デ・グリュー:ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤル・バレエプリンシパル)
レスコー:木下嘉人
ムッシューG.M.:中家正博
レスコーの愛人:木村優里
娼家のマダム:本島美和
物乞いのリーダー:福田圭吾
看守:貝川鐵夫
高級娼婦:奥田花純、柴山紗帆、細田千晶、渡辺与布、川口 藍
踊る紳士:速水渉悟、原 健太、小柴富久修
客:宇賀大将、清水裕三郎、趙 載範、浜崎恵二朗、福田紘也
新国立劇場バレエ団
ゲスト・アーティスト:伊藤隆仁(牧阿佐美バレエ団)、日本ジュニアバレヱ(秋山智仁、武笠峻也、モレノ哲生)
【感想】
唯さんとワディム王子のマノンとデ・グリュー。
今回の配役で一番観たかったコンビ。
やはり期待しただけに愛の場面では、リフトを多用した難易度の高い踊りを見事に踊りきり、しかもその表現力の深さにただただ感動

唯さんは以前から純粋無垢なお姫様役より影のある役、今回のマノンのようなダークヒロイン役を演じると水を得た魚のように見事な表現力に圧倒される

ワディム王子のデ・グリューは、そのひたむきな愛が伝わり「深追いしちゃダメだよ」と思わず同情したくなるくらいマノンにハマり不幸の道にまっしぐら。
ひたすら悲劇に突き進む二人に見事成り切った唯さんとワディム王子の渾身の演技に涙、涙

今回の公演は、他のキャストも素晴らしく、レスコーの木下さんのキレのある躍動感ある踊りは、ワディム王子と双璧かも‼︎
レスコーの恋人役の木村さんもその存在感は凄かった!
彼女が踊るとそのオーラたるや‼︎
5月のドンキも期待出来そう‼︎
中家さんのムュシューG.Mも守銭奴ぷりもなかなか。
貝川さんの看守も欲望向きだし感も上手い‼︎
そして本島さんのマダムもこうした役やらせたら新国立劇場バレエでピカイチ

風格と威厳が凄かった‼︎
他にも高級娼婦や紳士など誰もが素晴らしかった‼︎
マクラミンの振付は、性的描写が際どいので人によっては嫌悪感を持つとは思うけど、大人なバレエって感じで個人的にはとでもよかった‼︎
流石にお子さま連れだと厳しいかも

(コロナの影響もあったかもだけどお子さま連れは少なかった)
「マノン」の音楽は、マスネの音楽であるが彼の同名のオペラの音楽は一切使用されず、後年他者によってマスネの他の作品から転用・編纂し編曲したもの。
新国立劇場での上演は、今回指揮を取ったマーティン・イェーツの編曲とあるけど、CDで聴いたルーカス版と大きな違いは一聴だけではあまり感じず。
編曲者イェーツが率いる東響は、コンマスのニキティンの朗々とした素晴らしいソロを初めマスネの書いた美しいメロディを豊潤な響きで聴かせてくれて大満足

金管など若干粗さもあった気がするけど、CDで聴いたボニング指揮したコヴェントガーデン歌劇場のオケも以外と金管は粗かったので、そんなものかしら。
カーテンコールでは一部の観客からスタンディングオベーションあり

コロナ騒ぎの中来日したワディム王子…本当に観れてよかった

大満足





なお、コロナウィルスの影響なのか3分の1程度空席が目立ったのは残念だけど、現状を考えると致し方ないと思う

(その後、後半の公演は中止)
多くの団員が公演に向け練習してきたこと考えると事情が事情とは言え本当に残念です

【DATA】
2020.2.23(SUN)
14:00
新国立劇場オペラパレス