神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 みなとみらいシリーズ第323回 | 音楽って素敵 ₍₍¶(ू⁄›˅̮‹ू∖)⁋₎₎ ♪♬

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クラシック音楽のコンサートなどなど拙い文章ですが、気侭に綴っています♪

シベリウス

交響詩「フィンランディア」op.26

交響曲第7番ハ長調op.105

交響曲第1番ホ短調op.39

 

指揮:オッコ・カム

ゲストコンサートマスター:山本友重(都響コンサートマスター)

 

 

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カム&神奈川フィルによるオールシベリウスプロは、味わい深い暖かみを感じさせる素敵な演奏。

 

心の襞にじわじわと沁みてくるそんな感動を与えてくれました。

 

フィンランディアもよくありがちな最初の1曲だからとオケ慣らし的なものでなく、神奈川フィルもカムの指揮に応え、気合い十分、力強い演奏を聴かせ、2曲目の7番の交響曲は、シベリウス晩年のシベリウス・ワールドが凝縮された作品で、さらっと聴いただけでは、シベリウスの森に迷い込んでしまう…ちょと難解な作品。

しかし、カム&神奈川フィルの演奏は、何とも言えない味わいを醸し出し、どちらかというと迷いがちだったこの交響曲の出口が少し見えてきたような素晴らしい演奏だったと思います。

後半の交響曲第1番は、晩年の7番と全く正反対アプローチで、若きシベリウスが、チャイコフスキーの影響を受け、民族主義的色彩の強い作品で、個人的には思い入れもあり、曲想のわかりやすさと素敵なメロディが満ち溢れているこの交響曲は、シベリウスの作品の中で一番好きな曲。

その大好きな1番を最高の演奏で、聴かせてくれたカム&神奈川フィルの力演に思わず終楽章では涙腺が崩壊状態に(。>0<。)

オケから放たれるすべての音色が有機的に結びつき、音楽を聴く喜びに胸が熱くなる、本当に素敵な演奏。

何か特別なことをしている演奏ではなく、カムの指揮に応えたオケが自然と自発的に演奏することで、この感動的な演奏が生まれたような気がします。

例えば第1楽章導入部のクラリネットのソロを吹いた首席の齋藤さんもカムが出を指示しただけで、あとはカムは棒を下ろしたまま、斎藤さんの感性に任せラプソディックな感じで始めるところなど(素敵な演奏でした‼︎)、神奈川フィルのメンバーと指揮者の間に信頼関係があるからこそ出来ることなんでしょうね。

オケも金管の一部に疵はあったものの、相変わらず美しい音色を奏でる木管や今回都響の山本コンマスを迎えた弦も芳醇で豊かな音色を聴かせ、またティンパニの神戸さんも、いつもならSっ気を発揮し暴れ太鼓になり、オケの合奏から突出しがちなんですが、今日の演奏は、オケ全体と上手く調和とれた演奏だったと思います。

 

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普通、定期演奏会では、余程のことがないとアンコールはないのですが、会場の熱い拍手に応え、カレリア行進曲が演奏され、カムも神奈川フィルのメンバーも本プロと違い、若干リラックスしながら笑みを浮かべながら演奏する姿を見ていると、こちらまでもが幸せな気分になり(相変わらずセカンドヴァイオリンの直江さんのニコニコ顔には癒されます)、あーやっぱり神奈川フィル好きやねんって気分に満たされたアンコールでした。

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個人的には、神奈川フィルの演奏史の中でも屈指の名演に入るそんな定期演奏会だったと思います(^O^☆♪

来シーズンは、もうプログラムが発表されてしまったので、来々シーズン以降、時間がかかっても良いので、同コンビでシベリウス・チクルスを是非とも期待したいところです。

余談ですが、クラシックを意識して聴き始めた中学生の頃、風邪で熱を出し、寝込んでいる時にFMから流れて来たのが、シベリウスの交響曲第1番。

熱で魘されながらもこの曲の魅力にハマり、後日、図書館から借りて、感動に震えながら聴いたCDがカム&ヘルシンキ放送響のもの。

そんな思い入れがある曲をオケは違うけど、カムの指揮で聴けたのは、本当に幸せ‼︎

 

2016.10.15(SAT)

      14:00

      みなとみらい大ホール